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有吉の17倍、フォロワー7800万 中国版ツイッター微博のすごさ
中国版のツイッター、微博(ウェーボー)のフォロワーにあたるファンが一番多いアカウントは7800万と桁外れです。人気のアカウントにはある特徴が…
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中国版のツイッター、微博(ウェーボー)のフォロワーにあたるファンが一番多いアカウントは7800万と桁外れです。人気のアカウントにはある特徴が…
ツイッターが禁止されている中国では、短行のメッセージサービス微博(ウェーボー)が人気です。騰訊(テンセント)、新浪(シンラン)など十数社が微博のサービスを提供していますが、最も有名なのは新浪微博です。人口13億人の中国。ツイッターのフォロワーにあたるファン(粉糸)の数で一番多いアカウントはなんと7800万と桁外れです。急激な経済成長の中、様々なひずみが生まれている中国ですが、微博の人気のアカウントにはある特徴がありました。
微博の有名人のフォロワー数は数百万から数千万に達し、その影響力は大手メディアに匹敵すると言われています。また、新浪微博では「認証」制度があり、Verified(認証)のアルファベットから、多くのフォロワーを持つ人気ユーザーは「大V」と呼ばれています。
新浪微博の統計によると、最もフォロワー数が多い「大V」は女優の姚晨(ヤオ・チェン)です。彼女は7800万人以上のファンを持っています。またファン6200万の作家張小嫺(チャン・シァオシエン)、ファン342万の学者易中天(イー・ツォンテン)なども人気者ランキングにランクインしています。
彼女・彼らが多くのフォロワーを獲得した理由は何か。もともと有名人で、現実の社会でも高い知名度があったので、多くのフォロワーを獲得しやすかった面があります。また発言も注目されるため、オピニオン・リーダーとして認められています。
とはいえ、有名人全員が「大V」やオピニオン・リーダーになれるかというと、必ずしもそうではありません。たとえば、有名なスポーツ選手、劉翔(リュウ・シャン)は、プライベートな発言はしていますが社会問題などへの言及は少なく、オピニオン・リーダーになっていません。
140文字の制限がある微博は、中国版ツイッターとよく言われますが、ツイッターにない機能も備えています。たとえば「長い微博」という添付ファイル機能を使えば、140文字以上の文章が投稿でき、具体的な意見の表明や詳細な説明が可能です。またコメント機能と「いいね」機能もついており、微博はまさに一つの「言論の場」になっています。
したがって発言の「質」も重視されています。「大V」になるためには、社会問題に関心を寄せ、一般のユーザーたちが注目している問題にも積極的に発言しなければなりません。
例えば、女優姚晨は中国で多発する児童誘拐・人身売買などの問題について、たびたび微博上で発言しています。同時に、国連の親善大使もつとめており、アフリカやシリアなどの災害地や紛争地などにも足を運び、微博を通して難民や被災者ついての情報発信に力を入れています。
彼女がトップレベルの「大V」になれたのは、このような活動とも緊密な関係があると考えられます。6月1日に起きた長江客船転覆事故に関しても、彼女はさっそく関連報道を転送、そして「祈る」という意味のメッセージを出しました。この行動に対し、ファンが短期間に12000件以上の「いいね」を送り、700以上のコメントを書き込みました。
2013年下半期以降、習近平体制では言論への統制が厳しくなりました。「@薛蛮子」は買春罪の疑いをかけられ、デマ伝播の問題も追及されました。また「@秦火火」、「@辺民」などもデマと流言の罪に問われました。
法律でも、微博でデマや誹謗情報が500回以上転載されると罪になると規定されるようになりました。このような影響もあり、微博では「大V」たちが発言を自粛するケースも出始めています。2015年6月1日から、微博上に「インターネット警察」の公式アカウントが設置され、ネット言論への管理が強まったと見られています。
日本では、ツイッターで最も多くのフォロワーを持つ有吉弘行は442万で、2位のきゃりーぱみゅぱみゅは330万です。ほとんどは個人の芸能活動やファッションなどの情報が多く、社会問題に対する発言はほとんどありません。
一方、中国では急速な経済成長に伴い、貧富の格差が広がっています。「大V」のような、庶民の立場で発言するオピニオンリーダーが求められる場面は少なくありません。政府も、すでに開かれた言論の場として認識されている「微博」を安易に閉鎖することはもはや不可能だと言われています。