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温泉に入るサルは、湯冷めをしないの? 秘密は「体毛」と・・・
温泉に入るサルが話題になる季節です。雪の降る中、露天風呂を楽しむサルたち。湯冷めをしないのでしょうか?
温泉に入るサルが話題になる季節です。雪の降る中、露天風呂を楽しむサルたち。湯冷めをしないのでしょうか?
長野県の志賀高原に生息する野生のサルは、最低気温がマイナス10度以下になる中、温泉に入ります。「地獄谷野猿公苑(こうえん)」の職員、宮田佳代さんによると、「湯上がり後に毛先が凍ることがあっても、体調を崩す様子はない」そうです。
人が湯冷めをするのは、冷たい空気に皮膚が触れたり、皮膚から水分が蒸発して熱を奪ったりするからです。サルはなぜ湯冷めをしないのか。サルの生態に詳しい京都大准教授の半谷(はんや)吾郎さんによると、秘密は体が毛に覆われていることにあります。「多くの毛に覆われていれば、皮膚が冷たい外気に触れにくく、体にためた熱が逃げにくい」と指摘します。サルの毛は、体をブルブルと震わせれば多くの水分をはじき飛ばすので、湯上がりも平気なのだそうです。
もう一つは、汗です。サルは、人間に比べると汗をかく量が少ないため、汗によって熱が奪われないのです。ニホンザルが汗をかくかどうか実験で調べた元・名古屋市立大臨床教授の奥田宣明さんによると、室温45度の部屋に入れても、短期間ならほとんど汗をかかなかったそうです。
体毛と汗。サルは、この2つによって、冬の温泉でも湯冷めをせずにすんでいるようです。