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アップルのティム・クックCEOがゲイ公表 決断に称賛

 アップルのティム・クックCEOが同性愛者であることを手記で発表した。突然の告白に世界が驚き、称賛の声が上がった。

アップルのティム・クックCEO
アップルのティム・クックCEO 出典: 朝日新聞

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 「私はゲイであることを誇りに思う」。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が30日、手記を発表し、同性愛者であることを公表した。公の場で明らかにするのは初めてで、世界中のメディアが一斉に報道した。

孤独を感じている人の心がやすらぐのなら

 クック氏がゲイであることは、近しい関係者たちの間では知られていた。だが、公の場で明らかにしたのは初めて。突然の公表について、手記ではこう記されている。

 「アップルのCEOがゲイだと聞くことで、孤独を感じている誰かの心がやすらぐのなら、そのために自分のプライバシーを犠牲にする価値がある」
Tim Cook Speaks Up - Businessweek

 クック氏は手記で「人生において常に最も胸に迫る問いは『あなたは他者のために何をしているのか』だ」という、マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を挙げ、「私はときにこれを自分自身に問い掛け、自分のプライバシーを守りたいという願いが、より大切なことをする妨げになっていると気づいた。それが今日の寄稿につながった」と述べている。

「勇気ある」称賛続々

ティム・クックCEO=宮地ゆう撮影
ティム・クックCEO=宮地ゆう撮影 出典:朝日新聞

 ニューヨーク・タイムズは、シリコンバレーの企業が性的少数者の権利保護に積極的だったことや、活動家たちがクック氏の発言を一斉に称賛していることなど好意的な反応を報じた。

 BBCはテクノロジー専門記者のローリー・セラン―ジョーンズ氏の解説を掲載。米国では53%の性的少数者が職場では自身の性に関して公にしていないという研究結果を引用しつつ、「クック氏の決断は簡単なものではなく、勇気あるものだ」と評した。

 CNNも「トップ700企業で、同性愛者であることを公にしているCEOは他にはいない」と、クック氏の決断の重さを指摘している。

性的少数者への差別、偏見、迫害のない世界へ

ティム・クックCEO
ティム・クックCEO 出典:ロイター
 私が子どものころと比べると、世界は大きく変わった。米国は同姓婚を認める方向に進んでいる。著名な人たちが勇敢に性的少数者であることを告白したことが、人々の認識を変え、われわれの文化をより寛容なものしてきた。今も、過半数の州に性的なあり方だけを理由に従業員を解雇することを認める法律がある。同性愛者であるというだけで、大家から立ち退きを迫られたり、入院しているパートナーを訪ねることや遺産相続を断られたりする場所もある。数えきれない人々が、特に子どもたちが、毎日、性的なあり方のために恐怖や虐待に直面している。
Tim Cook Speaks Up - Businessweek

 クック氏は、性的少数者の置かれている状況をこう語った。差別や偏見、迫害はいまも残る。クック氏は手記の最後をこう結んでいる。

 毎朝、オフィスに着くと、キング牧師とロバート・F・ケネディ氏の写真が私を出迎えてくれる。この手記を書いたことで彼らと並び称されようとしているわけではない。ただ、他者のために、自分にできることをしていると感じられる。私たちは陽の当たる道を正義に向かってともに歩んでいる。れんがを一つ一つ敷き詰めながら。この告白は、私のれんがだ。
Tim Cook Speaks Up - Businessweek
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