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連載

#5 未来空想新聞

エンタメは絶対に面白くなる 強度あるコンテンツの価値が高まる時代

テレビ演出家・藤井健太郎さんに聞く未来のエンターテインメント

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目次

様々な「説」を検証するテレビバラエティー『水曜日のダウンタウン』(TBS系)は、賛否を呼ぶ企画も多い一方で、日本の放送文化向上に貢献した番組などに贈られる「ギャラクシー賞(月間賞)」を4度受賞、昨年の「TVerアワード2021」では、バラエティ大賞を受賞するなど高い評価を得ています。そんな注目度の高い番組を手掛ける演出家・藤井健太郎さんに、これからのエンターテインメント(エンタメ)の在り方やテレビの未来像について聞きました。

ドキュメンタリー的な要素がエンタメを進化させる

エンタメの本質とは、なんでしょうか。バラエティー番組で演出を担当する藤井健太郎さんは、「みんなで同時に楽しめることって大きいと思いませんか」と語ります。

「例えばアメリカンフットボールの頂点『スーパーボウル』のテレビ中継は、今も視聴率が高い。ハーフタイムショーや番組で流れたCMまで、『あれ見た?』ってメディアを超えて大きな話題になるじゃないですか。こうした話題を作る力は、テレビが得意なところだと思います」

テレビは誰もが無料で視聴できるエンタメ。だからこそ、同時代を生きる人々の“共感のHUB(ハブ)”として機能することができました。「その役割やポジションは、未来になってもテレビが担っていてほしいと願っています」

その一方で、YouTubeやインスタグラムなど個人が手軽にライブ配信できるプラットフォームも増えています。

「個々がメディアを持ったことで、見知らぬ人と共有できる楽しさが増えましたよね。番組やイベントに携わった関係者がその裏側を語ったり、あるいは視聴者が考察を書くブログが面白かったりもする。少し前なら残るはずのなかった映像でも、今は誰かが発信し、SNSを通して視聴できるようにもなった。そうした変化によって、今後ドキュメンタリー的な要素を生かした新しいエンタメが生まれるかもしれない」

YouTubeでは更新頻度の高いチャンネルが好まれ、Netflixなどの動画配信サービスではシリーズで一気見する傾向も強くなっています。

「『何となくこれを見よう』というよりは、『これを見たい』という割合が増えているはず。今後は、もっと『この人の作ったコンテンツが見たい』となるだろうし、なっていくべきだと思います。その競争はテレビよりもYouTubeなどのほうがシビアですよね」

「強度」あるコンテンツの価値がより高まる時代に

動画配信プラットフォームが増え、様々なデジタルコンテンツを享受できるようになった一方で、大量消費的な側面には賛否が分かれています。


「YouTuberのように、毎日投稿して人柄とかも含めて伝えていくような親近感や手軽さで楽しませるものも残っていくでしょう。一方、今後は作品性の高いものが割合として増えてきて、より強度のあるコンテンツの価値が高まっていくのでは。その傾向はテレビも同じだと思います」

ドローンによる空撮映像など、テクノロジーの進化によってもテレビは視聴者を楽しませてきました。こうしたイノベーションについて、藤井さんは「純粋にすごくワクワクする」と語ります。

「カメラなど機材の進化によって、当然撮り方やコンテンツの質も変わってくる。VR技術を使って視聴者がクイズ番組で解答席に座っているような目線で参加できる、みたいなことはすぐ実現しそうです。逆にテレビ関係者が『こういうツールがあれば、こんな番組が作れる』と技術者側に働き掛けることですごいコンテンツが生まれるかもしれない」

エンタメ全般は、必ず明るい未来が待っている

2039年の未来では、テレビの強みであった共感性がさらに拡張していくことで、エンタメの世界はもっと進化していきそうです。アッと驚くような偶然の出会いをテクノロジーによって同時多発的に演出したり、視聴者と出演者の双方向性をフィジカルに感じられるようになったりするかもしれません。

「これから先、絶対に面白いものが増えていきます。普遍的な感情や笑いの価値が失われるわけはない。テクノロジーの進化と掛け合わせ、パワーにあふれた新しい笑い、エンタメ、コンテンツがたくさん生まれるだろうし、作っていきたいと思っています。エンタメ全般には明るい未来が待っている、と僕は確信しています」


未来は楽しいことがいっぱいある。好きなものを見つけて、面白いことを作る側にもなってほしい。
藤井健太郎(ふじい・けんたろう)
1980年生まれ、東京都出身。立教大学卒業後、2003年にTBS入社。『リンカーン』などのディレクターを経て、『クイズ☆タレント名鑑』などの演出・プロデュース。現在は『水曜日のダウンタウン』などの演出を手掛ける。2022年4月、音楽プロデューサー・渡辺淳之介氏との共著『悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術』(KADOKAWA)が刊行された。
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