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エンタメ

堀潤、モーリー、木佐彩子が映画『15時17分、パリ行き』を分析

提供:ワーナー・ブラザース映画

『15時17分、パリ行き』のトークイベントに参加した(左から)堀潤さん、木佐彩子さん、モーリー・ロバートソンさん
『15時17分、パリ行き』のトークイベントに参加した(左から)堀潤さん、木佐彩子さん、モーリー・ロバートソンさん

目次

 87歳にしてヒットを生み続けるクリント・イーストウッド監督の最新作『15時17分、パリ行き』(3月1日公開)の公開記念トークイベントが2月22日に都内で開催された。
 ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんと堀潤さん、フリーアナウンサーの木佐彩子さんら、ニュース番組で司会を務めてきた3人が出席。ネタバレに気を使いつつ、各自が鋭い視点で見どころを分析した。
 3年前に起こった無差別テロ事件をテーマに、武装した犯人に立ち向かった“当事者本人”の3人が主演するという、前代未聞のスタイルを採用した映画。
 乗客として居合わせた人たちも出演し、実際に事件が起こった場所で撮影が行われた。イーストウッド監督が追求する究極のリアリティーを目の当たりにして、ジャーナリストたちも受けた衝撃を率直に語っていた。
米国での銃乱射事件や平昌五輪など、今まさに起きている世界の話題が飛び出した
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モーリー「強い表現力を持つストーリー」

 モーリーさんは、トランプ政権下のアメリカの情勢と照らし合わせ、映画を見る前にある懸念を持っていたことを明かした。イーストウッド監督が銃規制に反対する姿勢を示していることを挙げて、「つまり作品にバイアスがあるんじゃないかと。でも、監督に持っていた懸念と作品は、自分の中で切り離されました」と印象を述べた。
 「今のアメリカでは全てが政治の小道具となり、政局化しています。その中でアメリカ人がこの映画を見ると、感情が燃え上がってしまうわけで、いろんな賛否両論がわき起こっている。日本では逆に、ちょっと距離を置いて、映画を作品性のアングルから見る人が多いかもしれないですね」
モーリー・ロバートソンさんは、米国の軍人や家族を取り巻くムードも指摘
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 試写では同席した木佐さんから、映画を見て泣いていたことを暴露されたモーリーさん。「あっ、バレた? いやーん、もう」とおどけながらも、「後半、なんで僕は泣いているんだろうと。作品の力が僕のバイアスよりも強かった」と真剣な表情に戻った。
 「この作品が今のアメリカで、トランプさんを必ずしも応援する結果にならないかもしれない。それぐらい強い表現力を持つストーリーだった」

堀潤「ワンシーンごとに発見がある」

 2015年は、フランスなどでテロが多発した。事件発生当時も、ニュースで事件を伝えていたのが堀さんだ。「まさに現在進行形で続いているテーマで、当時をもう一回見るのはすごく大事」と語る。
 「(テロの)問題をどう受け止めるか、分断なのかそれでも多様性なのか、問われるような時代感でした。その中で彼ら(主人公)がどう向き合ったから解決できたかという、一番コアな部分を映画が描こうとしている。解決策として有効なヒントはたくさん詰まっていたと思います」
「ユーモアにもあふれていて、主人公3人の関係がすごくいい」と堀潤さん
「ユーモアにもあふれていて、主人公3人の関係がすごくいい」と堀潤さん
 堀さんは、イーストウッド監督を「ジャーナリスト」と評価。「事件に至るまでの経緯を振り返る中に、社会問題と向き合うための気付きをどう持っていくかを、上手に散りばめていた。目に見えない貧困や、いろんなものが見え隠れして、『あっ描いたな』というのがワンシーンごとにあるんです。ぜひ発見してみてください」と話した。
 「当事者性を喚起させる映画。テロリストと主人公は、あわせ鏡のような存在で、今も問題解決していない。(映画は)世界の混乱や不条理に対して目を向ける、とてもいい機会になると思います」

木佐彩子「子育ての価値観が変わった」

 木佐さんは小中学校時代を、主人公3人と同じカリフォルニア州で過ごした。彼らの母親の姿に自身を重ね合わせ、
「この作品に10年ぐらい前に出会えていたなら、もしかしたら子育ても違っていたかなというぐらい、私の中で価値観が変わりました。一昨日に試写を見て、まだ余韻に浸っているんです」と話す。
 「私の子育ても、あまり型にはめないようにとしていたつもりではいたんですけど。もうちょっと、子どもが発しているメッセージや個性をちゃんと受け入れることが、すごく大事なんだなと思いました。」
木佐彩子さんは、映画の登場人物に「インタビューしに行きたい」
木佐彩子さんは、映画の登場人物に「インタビューしに行きたい」
 本人役で出演したキャストに対しては、「『勇気と覚悟を持って伝えたい』と思って出てくださったんだなと、感謝しています」と称え、これから見る人にメッセージを寄せた。
 「子育ても、部下を育てる時も、その人の個性に光を当ててあげたら、こうなるんだという。誰かのために役に立てるとか必要とされるって、人間の生きるうえでのパワーだと思うので、そういう空気が少し日本に流れるといいかな」
『15時17分、パリ行き』

 『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』とリアルヒーローの真実を描き続けてきた巨匠クリント・イーストウッド監督の最新作にして新境地。2015年に起きたパリ行きの特急列車内で554人の乗客全員をターゲットにした無差別テロ襲撃事件。極限の恐怖と緊張感の中、武装した犯人に立ち向かったのは、ヨーロッパを旅行中だった3人の心優しき若者たちだった。なぜ、ごく普通の男たちは死の危険に直面しながら、命を捨てる覚悟で立ち向かえたのか!? 87歳を迎えても尚、新たな挑戦を続けるトップランナーは、いつ、どこでテロに直面してもおかしくない今、我々誰もができること、必要なことを提示する。当事者の目線から今の時代を生きる私たちすべてに問いかける真実と現実。
監督/製作:クリント・イーストウッド
出演:アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン、ジェナ・フィッシャー、ジュディ・グリア
配給:ワーナー・ブラザース映画
3月1日(木)全国公開
(c) 2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films(BVI)Limited,RatPac-Dune Entertainment LLC
映画『15時17分、パリ行き』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/1517toparis/
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