連載
#114 コミチ漫画コラボ
「操縦士を妄想」して完成させたプラモデル 「自分が満足」の大切さ
初めて組み立てて気づきました
飛行機が好きでプラモデルにハマった結果、想像していたよりも難しくてーー。イラストレーター・珠虫(たまむし)さとりさんは、初めてプラモデルを組み立てたときの様子を漫画にしてSNSで発信しました。「プラモデルは自由。自分が満足できる楽しみ方をすればいい」と話します。
空港で働いていた父親の影響で、幼稚園のころから飛行機に興味があった珠虫さん。雑誌の付録のペーパークラフトなど、ものづくりも大好きだったといいます。
数年前、飛行機を調べていたところ、主翼が2枚以上ある「複葉機」に魅せられました。
画像を調べるなかで、まるで本物のような重厚感のあるプラモデルを見つけ、「私も作りたい!!」と心を動かされたそうです。
数ある複葉機のプラモデルの中で、1200円程度と価格が手頃だった72分の1スケールのキットを買い、組み立て始めました。
しかし、指でつまんだだけで折れてしまうほどもろいプラスチックに驚愕します。
細かい作業が続き、「ルーペほしい…!」「全然完成に近づかない!」と嘆きましたが、諦めずに約3カ月かけて完成させました。
珠虫さんは初めてのプラモデル制作を次のように振り返ります。
「プラスチックのパーツは反対側が透けて見えるくらいの薄さで、思った以上に折れやすくて驚きました。全部ピンセットで組まないといけなかったかもしれません」
何度も心が折れそうになりましたが、珠虫さんは「『複葉機にこういう操縦士が乗っていたらいいなぁ』と妄想しながら作っていました」と話します。
漫画にも、操縦士を「中流階級に生まれた19歳」「明るく人当たりが良いが色彩感覚が奇抜」などと妄想した一部を描きました。
自分なりにプラモデルを完成させた珠虫さんですが、「プラモデルの〝終わり〟は人によって違う。こだわればどこまででも作りこめるもの」と話します。
「プラモデルの楽しみ方は自由で、途中で組むのをやめても、好きなパーツのみ組み立てても、操縦士のフィギュアを置いてジオラマのようにしてもいい。自分の満足する楽しみ方ができればいいと思います」
その後も「もっとうまく作る」ことを目標にキットを買いましたが、組み立てる前のパーツを眺める楽しさもあり、そのまま保管しているそうです。
いつ機体を組み立てるかは未定ですが、飛行機をテーマにした漫画を描きたいという思いがあるといい、「妄想したキャラクターを漫画にできたら」と話しています。
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