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MAXのMINA、高3の娘につくる「最後のお弁当」は…しんみり待ちわびる
息子は大学生に、残された大事な日々
沖縄出身のダンスボーカルグループMAX。1995年にデビューしてから今年で26周年を迎えました。10代だった「スーパー・モンキーズ」時代から音楽業界が様変わりした今、第一線で走ってきた4人は何を思うのでしょうか? 仕事や子育て、自分自身の活動など、それぞれが切り開いた道について語る「MAXコラム」。大学生の息子と高校生の娘がいるMINAさんは、子どもたちが幼稚園生だった頃からお弁当作りをしています。ある日、仕事で1カ月間家を空けることになり……。お弁当作りをめぐる奮闘記をつづります。
私が初めて誰かのためにお弁当を作ったのは、たぶん中学⽣の頃だったと思います。当時好きだった野球部の男の⼦へ。
⺟には内緒でしたが、急に「⾃分でお弁当を作る」と言い出し、しかも⼆⼈分のお弁当を作るなんて⾔ったら……。母はその理由に気づいていたかも知れないと、今となっては思います。その時、お弁当に何を⼊れたのかは全く覚えていないのですが、その男の子に「美味しかったよ!!」と⾔われたことだけは今でもはっきり覚えています。
今では私も⺟になり、お弁当を作る機会は本当に多くなりました。⼦どもが幼稚園に通い始めて、初めてお弁当を学校に持って⾏くことになった時は、何を⼊れたらいいのか、どのくらい⾷べられるのか、具材も量も本当に悩みました。
しかも、息⼦は偏⾷、娘は少⾷という……。
週に1回のお弁当でしたが、毎回苦労したのを思い出します。偏⾷の息⼦のお弁当は毎回同じ内容のお弁当。少⾷の娘のお弁当はキャンディーチーズ3個と果物。もはやお弁当ではない状態でした(苦笑)。
そんな⼦ども達も⾼校⽣になると、本格的なお弁当作りの⽣活が始まります。私にとって、毎⽇お弁当を作る⽣活が始まるわけです。朝6時半に起き、お弁当の⽀度をする日々に突入!息⼦の偏食は相変わらずでしたが、少⾷だった娘はしっかり⾷べてくれるようになり、毎⽇メニューを考えるのも楽しくなりました。
そんな中、福岡公演の仕事があり、私が1カ⽉間家を空けた時のこと。ある事件が起きました。当時、息⼦は⾼校2年、娘が中学3年の受験⽣。息⼦は学食ではなく、お弁当派。どうしてもお弁当がいい息⼦に、誰が作るのか。そのお願いを聞いてくれたのは、なんと受験⽣の娘だったんです。
そして、娘の負担をできるだけ軽くするために、1週間のメニューを考え、「このメニューを4回繰り返して」と冷蔵庫に貼って私は福岡へ。するとその⽇の夜、娘から電話がありました。
「もうやだ!!みんな⾃分勝⼿でイライラする〜!!私だって朝からお兄ちゃんのお弁当作って、朝ごはん作って、学校⾏って、部活の練習で今クタクタになって帰って来たのに、『お腹空いたからご飯!!』って⾔うんだよ!!もうほんとやだ!!ママよくやってるね〜」と言われたんです。
⼤爆笑してしまいました。娘には本当に感謝しましたね。
ちなみに、ムカつきながらも娘は⼣飯にオムライスを作ったそうです。
毎⽇のお弁当作りが始まってから4 年。息子は大学生になったので、今では、高校生の娘の分のお弁当作りだけになりました。最近では作る自分が飽きないように、毎⽉テーマを決めてゲーム感覚で“お弁当チャレンジ企画”をしています。
例えば、今⽉は「毎回おにぎりの具材を変えられるか?」。また翌月は、「毎回スープのメニューを変えられるか?」とか。
そうすると娘も今⽇は何が⼊っているのか、お弁当の時間が楽しみだと⾔ってくれます。こうして毎⽇作り続けて来たお弁当も残りあと1 年。やっと終わる〜と思う反⾯、寂しくもあります。最後のお弁当はどんな気持ちで作っているのかな。
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〈MAX〉NANA/LINA/MINA/REINAの沖縄県出身4人組ダンスボーカルグループ。1995年にデビュー。翌年発売のサードシングル『TORA TORA TORA』でブレーク。1997年に『Give me a Shake』でオリコン初登場1位を獲得。その後も『Ride on time』など数々のヒット曲を発表し、紅白歌合戦に5年連続5回出場。近年は音楽活動の他に、個人でのバラエティー、ドラマ、舞台出演など活動の幅を広げている。7月28日には、恋に落ちる女性の気持ちを明るくポップに表現したダンスナンバーの“Do Shot”と、ラテン調で「MAXらしさ」が表現された楽曲 “Viva la Mambo”も収録の37枚目シングル『Do Shot』をリリース。
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