お金と仕事
ニッポンの高額ギャラ社長 年収165億円も! 引き抜き合戦激化
これまで海外の国際企業だけの話と思っていた、巨額報酬の「プロ経営者」。国内でも数十億―百億円単位のギャラを手にする人たちが現れています。
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これまで海外の国際企業だけの話と思っていた、巨額報酬の「プロ経営者」。国内でも数十億―百億円単位のギャラを手にする人たちが現れています。
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これまで海外の国際企業だけの話と思っていた、巨額報酬の「プロ経営者」。国内でも数十億から百億円単位のギャラを手にする人たちが現れています。一方で、生え抜きの日本人経営者の報酬はちょっと寂しい額に……。
ソフトバンクのニケシュ・アローラ副社長は2014年度、165億円余りの破格の報酬を受け取りました。
元米グーグル最高事業責任者の経歴を持ち、孫正義ソフトバンク社長の「筆頭後継者候補」として招かれた人材。
孫社長は株主総会で「世界のソフトバンクになるには優れた経営者が続々集まる経営環境にしなければならない」と、報酬の根拠を語っています。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は10億3500万円でした。
株主総会で「世界的な企業の報酬水準と比べている」と述べ、「世界基準」であることを強調しています。
オリックスは昨年6月に会長職を退いた宮内義彦シニア・チェアマンに約55億円を払いました。
うち約45億円は、30年以上首脳を務めた「功労金」だとしています。
一方で、生え抜きの日本人経営者の報酬は多くても数億円にとどまります。
15年3月期に過去最高となる2兆円超の純利益をたたきだしたトヨタ自動車の豊田章男社長でも、報酬は3億5千万円ほどでした。
プロ経営者が存在感を増すにつれて、海外で多かった巨額報酬による「引き抜き」「引き抜かれ」が日本企業でも相次いでいます。
武田薬品工業では、2年前に入社したばかりで、昨年度3億円払ったフランソワ・ロジェ最高財務責任者が食品大手ネスレ(スイス)に引き抜かれています。
武田薬品工業の総会では、外部から招かれ昨年6月に就任したクリストフ・ウェバー社長に対し、株主が「骨をうずめるのか」と詰め寄る一幕もありました。
企業トップにプロ経営者が増えていく風潮について、人事制度に詳しい文教大の山崎佳孝教授は「『頑張ってもトップになれない』と社員の士気が下がる恐れがある。社内に対し、求める経営者像を明確に示すことも重要だ」と指摘しています。