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「コンサートを減らす?じゃあ全部中止だ」。アイルランド混乱
カントリー音楽の大御所、ガース・ブルックスがコンサートをアイルランドでのコンサートを中止。国中が混乱する騒動に発展しました。
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カントリー音楽の大御所、ガース・ブルックスがコンサートをアイルランドでのコンサートを中止。国中が混乱する騒動に発展しました。
梅原季哉
共同編集記者 米国カントリーミュージック界の大物歌手、ガース・ブルックス(Garth Brooks)がアイルランドで大騒動を巻き起こしています。
首都ダブリンで今月末に開く予定だった連続コンサートをめぐり、計画通りに開催を認めるべきかどうか、国をあげての大論争となり、外交問題にまで発展しかねない状況に。
地元紙などによると、ガース・ブルックスは、長いキャリアを通じてエルビス・プレスリーに次ぐ規模のレコードセールスを記録。アイルランドでも非常に人気があり、今回ダブリンでの5公演は、チケットがすべて売り切れていました。
今回のツアーは、本人がここしばらく表だった活動を控えてきたことや、欧州ではアイルランドだけの開催となったことが影響し、国外のファンもチケットに殺到していました。
ところが、会場となる同国最大級のスタジアム「クローク・パーク」の周辺住民が、騒音や公共の秩序が乱される懸念などを理由に差し止め訴訟を提起。市当局も条例を理由に公演を当初の5回から3回に減らす決定を出しました。
これに対しブルックス側は「ファンに不公平なので5回か0回かしかない」と拒絶。ツアーをキャンセルする意向を表明しました。
こうした事態に、国中が沸騰。観光産業に力を入れるアイルランドでは、コンサートが中止となれば信用失墜につながりかねません。
ダブリンのファンの中にはオバマ米大統領に電話して介入を要請しようと計画する者が出たり、全然関係ないメキシコの駐アイルランド大使が、「市長の友人」として仲介を申し出たり、国会で議論になって首相が混乱を収拾するための会議の開催を求めたり・・・・。
アイルランドでは内閣改造があったばかりですが、現地の公共放送RTEはそういった政治経済の話を押しのけ、トップニュースにガース・ブルックスを取りあげる日もあるそうです。