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「おうちに家族がいます」猫を守る画期的イラスト、作者が込めた願い
「もしも」に備えた素敵なアイデア
私たちの生活に、ぬくもりと癒やしを加えてくれる猫たち。自分の身に何かあった時、その命を誰にどう託すかというのは、悩ましいテーマです。そんな難題と向き合うのに役立つイラストが、ツイッター上で人気を集めています。「大切な家族を守り、ずっと幸せにしたい」。強い願いを、作品にたっぷり込めたというクリエイターに、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
9月7日、「ぜひ自由に使って下さい」という呼びかけとともに、2枚の画像がツイートされました。
ピンク色の空間でたたずむ、への字口をしたハチワレ猫のイラスト。上部に突き出ている吹き出しには”I only have this person(私にはこの人しかいない)”と書かれています。猫の下側に目を移すと、茶色に塗り分けられた背景に、白抜き文字の日本語でこんな文章がつづられています。
これは、猫の飼い主向けに作られた「ヘルプサイン」。不測の事態が起きた時、自宅に猫がいると他の人に知らせ、面倒を見てもらうよう促すのが目的です。使用例として、ロック画面にイラストを掲載したスマートフォンの写真も、合わせて投稿されています。
「素敵なアイデア」「家族を守るために役立てたい」。投稿には、そんなコメントが連なりました。11日時点で4万以上の「いいね」がつき、リツイート数も2万回近くに上っています。
ヘルプサインを手がけたのは、イラストレーター・漫画家のオキエイコさん(32)です。元保護猫の「しらす」と一緒に過ごす日々を漫画化し、ツイッター(@oki_soroe)上で配信しています。今年5月には、自宅に迎えるまでがテーマの作品が幅広く読まれました。
ある日、猫を飼っている、一人暮らしの友人と話していたオキさん。「自分が事故などに遭ったら猫が心配だ」と口にしているのを聞いたそうです。
「家に猫がいることを誰も知らなければ、放置することで数日の間に死なせてしまうかもしれない。それは自分が命を落とすことよりも怖い。その気持ちに強く共感しましたし、万一の際、身近なもので猫の存在を周りに伝えられたらと、ヘルプサインを思いつきました」
意識したのは、誰もが日常的に使えるシンプルなデザインです。気兼ねなくスマホのロック画面に配置できるよう、死を連想させるような言葉は、なるべく使わないよう心がけました。あえて英文を盛り込むことで、柔らかさも演出しています。
猫のイラストは、友人の愛猫をモデルとして、顔の模様をハチワレに。そして薄めの背景色を選ぶことで、おしゃれで可愛らしい見た目に仕上げました。
一人暮らしの🐈友人が
— オキエイコ@報告ダイエット部 (@oki_soroe) September 7, 2020
「自分が事故等でなにかあったら、家の猫に周りの誰も気が付かず放置死するのが一番怖い」
と言っていたので、スマホの待ち受けロック画面に使えるヘルプサインを作ってみました。
友人のハチワレ猫ちゃんモデルですが、もし使いたい方いたらぜひ使ってください🐈🐈 pic.twitter.com/CBEdSRg6Jx
画像を⾒た⼈々からは「他の動物も描いてほしい」との声が上がりました。そこで、⽝とウサギをあしらったものも⽤意。現在は猫のものを含め、それぞれピンク・緑・クリームと3種類の⾊違いバージョンを、ツイッター上で公開しています。
オキさん⾃⾝、ヘルプサインを活⽤しており、しらすと⽣活する上での安⼼材料になっているそうです。⾃らの命が危うくなっても、⼤切な家族だけは幸せに⽣きてほしい――。その願いをつなげてくれるものと考えています。
⼤きな反響を呼んだことについては、次のように話しました。
「たくさんの⼈が、⾃分と同じ気持ちでいたのだなとわかって、世界が昨⽇よりも優しく感じられまし た。周りに動物と⽣活し、もしもの時のことを不安に思われている⽅がいれば、そっとヘルプサインの 画像を送って頂けるとうれしいです」
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