IT・科学
自宅を「魔改造」した男の執念、究極の「音声操作ハウス」が完成
スマートフォンで外出先からでも自宅玄関を開け閉めできたり、家のなかのモノが遠隔操作できる「スマートホーム」。究極まで使いこなすとどうなるかを実践している人がいます。自宅は「魔改造」と呼べるほど。一体、その型破りな機能とは……。
スマホで家電を操作できるスマートホームは以前からあるサービスです。最近では、Google HomeやAmazon Echoのようなスマートスピーカーなどと組み合わせることで、音声で家電が操作できるようになり、一気に便利になりました。
では、実際にはどんな使われ方をしているのでしょうか。
パンフレットにも書かれているような使い方としては、「OK Google 居間の電気を消して」と声で指示して照明を消したり、音声でテレビをつけたり、チャンネルを変えたりするものです。
そのほか、外出先からでもスマホで家電を操作できるため、ペットや高齢者が熱中症にならないようエアコンを調節することなどが紹介されています。
一方、型破りな使い方を見つけているのは、ケーブルテレビ会社「イッツ・コミュニケーションズ」に勤める清野洋一さん(42)です。
イッツコム社はスマートホームのサービスを始めており、より多くの人が使いたくなるような使い道を見つけるよう、社員たちに求めています。
「一人暮らしで寂しいから」と言う清野さん。帰宅すると、近未来風の居間の青を基調とした間接照明が自動で付きます。明るさは、スマートスピーカーに指示をすれば調節可能です。
帰宅すると、テレビ、チューナー、オーディオ機器が自動で立ち上がります。大型プロジェクターでテレビを見たいときは音声で作動させます。録画番組を見るときも音声で操作できます。
また、一人暮らしなので用心のため、玄関の外を誰かが通るとセンサーで感知し、家の中で据置型時計からイヌがほえる音を流すようにしているそうです。このほか、毎日欠かさず体重チェックしており、スマートスピーカーに体重を告げると自動で記録、集計するように設定しています。
これらはWebサービス同士を連携できる「IFTTT」というサービスを使って、清野さんの特定の言葉に対応して家電が動くようになっています。
さらに清野さんの「推し」は、ボタンを押すことが必要な機器でも動かせる仕組みです。自作したそうです。
留守でも宅配便が来た時にオートロックを開けたり、外出先からでも風呂のお湯張りボタンを押したりできるそうです。
IFTTTに連携している「マイクロボットプッシュ」という人の代わりにボタンを押してくれる機器を取り付けることで、可能になりました。
「家は留守がちなのでいつでも受け取れるようにしたかった」と話す清野さん。
宅配ドライバーから携帯電話に連絡があると、インターホンを押してもらい、スマホから「マイクロボットプッシュ」を作動させてオートロックを解錠する仕組みです。
社会問題にもなった宅配ドライバーの再配達の多さも、もしかすると解消できるかもしれません。
また、帰宅したらすぐに風呂に入りたいときでも、外出先からスマホで操作すれば、ボタンを押して帰宅までにお湯を張っておくことができるそうです。
ただし、あらかじめ栓を閉めておかないとお湯はすべて流れてしまうそうですが。
スマートスピーカーを売り出しているGoogleやAmazonの技術は、今後、様々な家電に入り込んでいくと予想されています。
音声で操作できるテレビなどはすでに開発されており、今後は音声対応の家電が普及するかもしれません。
清野さんのような使い方は、未対応の家電が多い今だからこその知恵ですが、一方で家をどんどん便利にしていく楽しみもあるそうです。
ちなみに、スマートスピーカーと機器を組み合わせれば自作で様々なものが作れます。
ウェブメディア「デイリーポータルZ」編集者・石川大樹さんは、Google Homeに対し、間違えて「Alexa」と呼びかけると、平手打ちを食らうというシステムを組み上げました。
スマートスピーカーにはまだまだいろんな使い方があるようです。