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「全力!脱力タイムズ」が変すぎる! 専門家と芸人の化学反応が笑いに
黄金期を支えてきた看板番組「めちゃ×2イケてるッ!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」の終了決定など寂しい話題が多いフジテレビのバラエティー。しかし、そんな没落を嘆く前に、金曜夜11時の「全力!脱力タイムズ」(フジ系、一部地域除く)をぜひ見てほしい。いま、こんなに真面目に下らない変な番組は他にありません。(朝日新聞文化くらし報道部記者・滝沢文那)
脱力タイムズは、メインキャスターのアリタ哲平さん(くりぃむしちゅー ・有田哲平さん)による「報道番組」。ニュースやゲストにまつわる話題を取り上げ、明治大学教授の斎藤孝さんや経産省出身の経済学者・岸博幸さんなどの専門家や、ゲストのお笑い芸人と俳優にコメントを求めていきます。
ですが、そこで起きることはことごとく何かがおかしい。専門家は強引なこじつけで自分の得意分野に話を持ち込み、俳優はVTRに登場する母親が明らかに別人なのに感動して涙を流します。お笑いと縁遠そうな人たちが真顔でそういうことをしていきます。
総合演出の名城ラリータさんいわく「1本のコント」。当然、専門家も俳優も台本があり自分役を演じています。ただし、ゲストの芸人だけは何が起こるか知らず、戸惑いつつも突っ込み続けることになります。
練り上げられた台本と芸人による瞬時の反応が組み合わさって笑いを生む仕掛けです。映画やドラマの宣伝で来ている俳優の存在も、笑いにつなげる工夫がこらされています。
有田さんは出演者で唯一全てを把握し、スタッフと共謀してオチに向かって場を導いていきます。
そんな有田さんについて「経験値が違う」と話す名城さん。「やりたいことをさらにおもしろく実現するアイデアがすぐ浮かぶ。スタッフは毎回有田さんに戦いを挑んでいる」。
1月12日の放送はゲストのみやぞんさんがボケという変化球でしたが、有田さんは臨機応変で変幻自在に流れを操り、記者は笑いすぎて疲れました。面白さをうまく書けない自分がもどかしいです。
2月9日のゲストは石橋杏奈さんととろサーモンの久保田かずのぶさん。専門家は斎藤さんと岸さんに加え、侵入生物専門家の五箇公一さんです。
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