「定刻9時44分40秒のところ、発車時刻を十分に確認しないまま、9時44分20秒に発車してしまいました。お客様には大変ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」。つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道のホームページに14日、こんな謝罪文が載った。この日、秋葉原発守谷行きの普通列車が南流山駅(千葉県流山市)を定刻より20秒早く出発していた。乗務員に「基本動作を徹底するよう指導した」という。
ただ同社によると、駅の時刻表には「44分」としか記されておらず、4分後には後続の電車が来ることになっていた。乗客からの苦情もなかったという。同社広報課は「発車を知らせる駅の放送が発車15秒前に自動で流れる設定で、周知されないまま電車が動き、発車後に流れてしまった。謝罪は当社の基準に基づいており、今後も同様の対応をする」。昨年6月にも、北千住駅で30秒早く出発した際におわびを出したという。
当初、国内でほとんど注目されなかったが、これが英語のネットニュースで報じられると「(日常的に遅れる)ニューヨークの地下鉄なら、謝罪のためだけに職員が必要だ」とツイッターなどで話題に。英紙ガーディアンは、日本の鉄道の運行時間の正確さは素晴らしいとしたうえで、「時間厳守が悲劇を生んだこともある」として、107人が死亡した2005年のJR宝塚線の脱線事故で、運転士が約1分半の遅れを取り戻そうとしていたことが一因とされていることに触れた。