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コラム

高校生で妊娠、隠し通して出産… 〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが高校生の出産について描きました。

漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん

 彼に強要された1度きりのセックスで妊娠してしまって……。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

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漫画「遊んでたんでしょ?」=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」=作・吉谷光平さん
 彼に強要された1度きりのセックスで妊娠してしまった高校生の少女。気付いた時には中絶できる時期を過ぎ、病院には次々と受診を断られた。退学になるのが怖くて、学校には隠し通した。2年生だった今春、学校に隠し通したまま女の子を出産した。
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
 趣味を通じて知り合い、交際していた20代の会社員男性と別れ話をしようと昨年、一人暮らしの男性宅を訪ねた。セックスの経験はなく、このとき無理やり関係を持たされた。以来、男性とは会っていない。

 少女のおなかがふっくらしているのに気づいた母親。「もしものとき、中絶には期限があるから。一生のことだから病院に行こう」。学校帰りに女性医師の診療所を2人で訪ねた。

 検査結果は妊娠6カ月ごろ。法律上、中絶できる時期を10日ほど過ぎていた。少女はモニターに映る赤ちゃんをじっと見つめた。産みたいという気持ちがわいた。

 だが医師の言葉は冷たかった。「高校生なのに妊娠するなんて遊び回ってたんやろ。健診を受けていない人はここでは産めないよ」
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
 次々と受診を断られ、5カ所目の診療所の医師がようやく「NICU(新生児集中治療室)などの設備が整っている方がいい」と、病院を紹介してくれた。きちんと健診を受けることを条件に出産できることになった。

 少女には大学に進んで教師になる夢がある。高校での成績は良く、テストの順位はいつも学年で1桁。予定日が近づくと「体調が悪い」としばらく休んだ。それでも学年末の定期テストは受けに行き、順位は落とさなかった。
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
 春休みに入る直前、3300グラムの女の子が生まれた。出産後、すぐに抱っこするカンガルーケアもさせてもらった。今、娘は生後半年。日中は自営業で働く母親と近くに住む祖母が世話をし、学校から帰ったら少女がみる。ベビーベッドは勉強部屋に置いた。

 「まだ学生なので育てられない。母に迷惑をかけてしまう」と思い、少女は娘を養子に出さざるを得ないと考えてきた。でも、人見知りするようになり、自分が抱っこすると安心した顔をする姿を見ていると、気持ちが揺れてくる。
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「遊んでたんでしょ?」の一場面=作・吉谷光平さん


 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。漫画アクションで「あきたこまちにひとめぼれ」を連載中、月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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