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センスいい!習字ポスターで踏切事故防げ 朱色の添削で注意点を解説
踏切事故防止を呼びかけるポスターが「センスがいい」とネット上で話題になっています。
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踏切事故防止を呼びかけるポスターが「センスがいい」とネット上で話題になっています。
鉄道会社が作成したポスターが「センスがいい」とネット上で話題になっています。踏切事故防止の呼びかけを、毛筆の添削を使って表現した内容です。どんな狙いでつくられたポスターなのか? 担当した近畿日本鉄道に話を聞きました。
ポスターには大きく書道用紙が写っていて、「ふみきり」という文字が書かれています。筆者の名前と思われる「五年 踏切守」は、通常の左側に縦書きではなく、下に横書きで書かれています。
「ふ」と「み」の文字は一部くっついており、朱色で「近づきすぎない」と添削されています。「き」は本来あるべき位置よりも上にあるため、「ムリはいけません」。横書きされている名前については「ルールはきちんと守りましょう」。
1枚の書道用紙の中に、踏切を渡る際の注意点がいくつも盛り込まれているという仕掛けです。
このポスターを撮影した画像がツイッターに投稿されると「こういうセンスは羨ましい」「『はねない』って注意いれたくなる」などと話題になり、リツイートは2万2千を超えています。
このポスターは、中部運輸局・中部管区警察局・名古屋鉄道・JR東海・近畿日本鉄道が実施している「春の踏切事故防止キャンペーン」のために作られたものです。
毎年、鉄道3社が持ち回りで制作しているそうで、今回担当したのは近畿日本鉄道です。どういう経緯でこのポスターになったのか? 担当者に話を聞きました。
――踏切事故防止キャンペーンについて教えて下さい
「全国交通安全運動に基づいて実施しており、主な踏切での呼び掛け、ノベルティー配布、駅や車内放送でのPRなどを行っています。その一環として、JR東海・名古屋鉄道・近畿日本鉄道の3社が協力してポスターを制作しました」
――今回のポスターは近畿日本鉄道が担当したそうですね
「企画立案については3社が幹事を持ち回りで担当しており、今回は近畿日本鉄道が幹事です。幹事社の提案をベースとして3社で意見を出し合ってデザインを決定し、共同制作しました」
――ポスターの狙いは
「書写の添削を『踏切のルール』になぞらえて表現しています。『近づきすぎない』『ムリはいけません』『ルールはきちんと守りましょう』など、守るべきルールを表しています」
――制作する上で、こだわった点は
「呼びかけしたい事柄が複数ある中で、今回は何をどのようにアピールするのか、写真やイラストに頼ることなく斬新な見せ方はないかなど検討を進める中で、社内調整や各社の意向を取りまとめるのに苦労しました。こだわった点は『ちらっと見たときに目に留まるようなポスターにすること』です。ポスターを見た方が実際に踏切を通過する際に記憶の一部として思い出して頂けるよう、思いを込めました」
――反響が寄せられていることについては
「多くの方に関心を持っていただき、大変うれしく感じております。今後も3社で連携して踏切事故防止に取り組んでいきますので、『踏切が鳴ったら入らない』『踏切の手前で一時停止、踏切の向こう側を確認する』『異常時には非常ボタン使用する』など、安全に通行していただきたいと思います」
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