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「迷宮」新宿駅が進化中 新たに自由通路 渋谷も巨大ビル計画で対抗
新宿駅で、東口と西口をつなぐ地下通路を広げる計画が進んでいます。渋谷でも新たな駅ビルの誕生予定です。
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新宿駅で、東口と西口をつなぐ地下通路を広げる計画が進んでいます。渋谷でも新たな駅ビルの誕生予定です。
1日平均300万人が利用する国内有数のターミナル・新宿駅で、大規模なリニューアルが進んでいます。歌舞伎町や新宿アルタなどの商業施設が並ぶ東口と、高層ビルが林立する西口をつなぐ地下通路を広げ、行き来をしやすくすることが柱で、2020年の完成を目指しています。一方、渋谷でも新たなランドマークとなるビルの建設計画が進んでいます。新宿と渋谷、ライバル同士ともいえる二つのエリアで、東京五輪に向けた再開発競争が熱を帯びています。
東口と西口を結ぶJR新宿駅の通称「青梅通路」は、幅約17メートルの改札内通路です。この幅を25メートルに広げ、改札を通路に面する形に移動することで、駅を利用しない人が切符を買わなくても行き来できるようになります。これにより、「迷宮」とも呼ばれる新宿駅の利便性が向上し、街の回遊性が高まることが期待できます。
日本最大規模の歓楽街・歌舞伎町には今春、新宿東宝ビルが完成しました。ビルの8階テラス部分にはゴジラの頭部が出現し、人気を呼んでいます。頭部は地上から高さ約52メートルの位置にあり、初代ゴジラの身長とほぼ同じ高さということです。ライトアップや音響システムによる「うなり声」の演出もあり、臨場感は抜群です。
ゴジラの「出現」以降、風俗店や客引きが目立つ「近寄りがたい街」というイメージがあった街に、女性や家族連れの姿が目立つようになりました。地元商店街ではパトロールなどの客引き対策を続けており、さらに多様な人に訪れてもらう狙いです。
新宿駅南口では、国道20号(甲州街道)の新宿跨線橋の架け替えとともに、線路上に駅前広場やタクシー乗り場などを整備する工事が進んでいます。
これにあわせてJR東日本は地上33階(高さ170メートル)のビルを建設中で、2016年春の開業を目指しています。商業施設「ルミネ」やオフィスが入居予定で、完成後は新たなランドマークになりそうです。
新宿駅周辺での大規模事業の背景には、ライバル渋谷駅の動向があります。渋谷では2013年に東急東横線が東京メトロ副都心線との直通運転を始め、東横線の旧渋谷駅跡を活用した再開発が進んでいます。
東横線の駅跡地周辺には、2020年の東京五輪に向けてJR渋谷駅をまたぐように地上46階建ての新たな駅ビルなど3棟が建設されます。また、駅西側の「東急プラザ」も地上17階のビルに建て替え中です。
JR東日本や東急電鉄などは、複雑化した渋谷駅周辺の回遊性と集客力を高める計画です。
新宿と渋谷、再開発でしのぎを削る二つのエリア。新たな計画の行く末に注目が集まります。
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