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IT・科学

ドローンの弱点「凧揚げ」で解決 ひもで安全制御『フォトカイト』

凧揚げ感覚で「ドローン」を扱えるのが魅力の「フォトカイト」=Perspective Robotics AG社提供
凧揚げ感覚で「ドローン」を扱えるのが魅力の「フォトカイト」=Perspective Robotics AG社提供

目次

 首相官邸の屋上に落下し、一躍有名になった無人飛行機のドローン。各地で規制の動きが広がるなど何かと話題だが、もし凧のようにもっと手軽に飛ばすことが出来れば…という発想で生まれた製品がある。その名も「フォトカイト」。
 これは文字通り飛んでいる「ドローン」をひもで引っ張りながら撮影する、いわば「有線ドローン」だ。

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「フォトカイト」を使えば室内でも手軽に撮影も可能に=Perspective Robotics AG社提供
「フォトカイト」を使えば室内でも手軽に撮影も可能に=Perspective Robotics AG社提供

ドローンより安全で価格もリーズナブル?

 フォトカイトの魅力はひもひとつで操縦できるところだ。何らかのトラブルがあってもひもを引っ張ることで、思わぬ所に飛んで行ってしまうリスクは減り、ドローンよりも安全だと言える。人が集まっている中で操縦していてもひもがつながっていることで、周りに安心感も与えることも出来る。
 8月に発表された一般ユーザー向け「フォトカイト・フィ」は349〜500ドルで提供予定。リーズナブルな価格だと言えよう。(同月からクラウドファンディングで資金を募っている)。

「フォトカイト」を使って手軽に地上を撮影。ひもでつながっているので、人が集まっている場所でも安心だ=Perspective Robotics AG社提供
「フォトカイト」を使って手軽に地上を撮影。ひもでつながっているので、人が集まっている場所でも安心だ=Perspective Robotics AG社提供 出典:Fotokite

ひもを引っ張るだけで自由に撮影

 このユニークなフォトカイトの使い方はシンプルそのもの。筒状の入れ物から取り出し、スイッチを入れれば準備OK。一度空に上がれば機体につなげたひもを引っ張り、撮影したい場所に移動させるだけ。1分もあれば飛び立つ。一般的なドローンに広く使われているコントローラーも不要だ。
 ひもで自由に高さを調整できるので、狭い場所でもラクラク飛ばせる。GPSも不要なのでGPSが入りにくい室内でも安心して使える。

構造はシンプル。「ドローン」部分にひもが付いているだけ=Perspective Robotics AG社提供
構造はシンプル。「ドローン」部分にひもが付いているだけ=Perspective Robotics AG社提供
筒の中から取り出し、スイッチを入れれば準備OK。1分もあれば飛び立つ=Perspective Robotics AG社提供
筒の中から取り出し、スイッチを入れれば準備OK。1分もあれば飛び立つ=Perspective Robotics AG社提供

GPSは不要 自転車で引っ張りながら撮影も

 肝心の撮影だが、アウトドア系小型カメラ「GoPro(ゴープロ)」さえ搭載すれば、空からの撮影が安全かつ簡単に操縦できるという。
 本体の重量は約300グラムと軽く、自転車に引っ張りながら撮影したり、スノーボードに乗っている姿が撮影出来るなど、使い勝手は自由だ(ただし事故のリスクもありますが...)。

スイスのスタートアップ企業が開発

 開発したのはスイスのスタートアップ企業。8月発表した一般タイプの飛行時間は10〜15分程度で、8メートルまであがる。
 一般ユーザー向けの「フィ」に先立ち発売されたプロ用の「フォトカイト・プロ」は、倍以上の高さ20メートルまで飛ぶ。プロ用はひもを通じた電源供給も可能で、地上で電源さえ確保できれば何時間でも飛行可能。万が一ひもが切れれば自動的に着地する機能があったり、無線で操縦できたりと、より「ドローン」のように扱える。

プロ用の「フォトカイト・プロ」はバッテリー入りボックスを抱えることで、長時間の飛行が可能に。揚がる高さも機械的に調整出来る=松田光撮影
プロ用の「フォトカイト・プロ」はバッテリー入りボックスを抱えることで、長時間の飛行が可能に。揚がる高さも機械的に調整出来る=松田光撮影

ドローンに取って代わる存在ではないが...

 ただ、これが法律的に「ドローン」ではないと言い切れるのかは不明。開発元は「ドローンに取って代わる存在ではないが、簡単に扱えるのが魅力だ」と話す。 
 一般向けの「フィ」は来春からの提供を見込んでいる。より高性能なプロ用は、すでにBBCなどの撮影に使われているという。

「フォトカイト」の飛ばし方や仕組みを英語で解説 出典: Fotokite

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