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孤独なグルメドラマ、ディープに進化中 食の軍師・ワカコ酒
1人で食べるTVドラマが人気です。「孤独のグルメ」のヒットをきっかけに、マニアックな作品が次々登場。深夜の“飯テロ”被害者が続出してます。
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1人で食べるTVドラマが人気です。「孤独のグルメ」のヒットをきっかけに、マニアックな作品が次々登場。深夜の“飯テロ”被害者が続出してます。
群れなくても、いやひとりでこそ、食べることは楽しい――そんな気分にさせてくれるグルメドラマが人気です。マンガを原作にした「孤独のグルメ」のヒットをきっかけに、さらにマニアックな設定の作品が次々とドラマ化。深夜にテレビを眺めていると食欲を猛烈にかきたてられる、そんな“飯テロ”被害者が続出しています。
おでんの屋台で、はんぺん・タマゴ・ちくわぶを注文し、「『白三形の陣』で勝負」と真顔で言い放つ。そんな奇っ怪なシーンが毎回展開されるのは、TOKYO MXで放送中の「食の軍師」(毎週水曜午後11時半)です。
トレンチコートに帽子というハードボイルド風の主人公・本郷が、飲食店で鉢合わせする力石という男を勝手にライバル視。「食の陣立て」と称し、心の中で戦いを挑みます。しかも名軍師・諸葛孔明まで脳内に現れ、「ひとり三国志」を繰り広げます。だが、いつも粋な注文をする力石に(勝手に)惨敗を喫するというオチがつきます。
規格外のウザさを発揮する主人公を、名脇役で通ってきた津田寛治さんが連ドラ初主演で熱演しています。ネットでは「グルメウンチクではなく独り遊びの色が濃いとこが好き」「最高に腹立つわ、いい意味で」など、熱すぎるこだわりを愛くるしさと受け止める感想が見られます。
このドラマには原作マンガがあります。作者は「泉昌之」。ストーリーを作る久住昌之さんと、画を書く和泉晴紀さんのユニットです。久住さんは、ドラマ化された人気マンガ「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」の原作者でもあります。
「孤独のグルメ」ドラマ版は、冒頭にこうナレーションが流れます。「誰にも邪魔されず、気をつかわずものを食べるという孤高の行為.。この行為こそが現代人に平等に与えられた最高の癒しと言えるのである」と。
「花のズボラ飯」では単身赴任の夫と離れて暮らす若妻が、日々の手抜きメニューをひとり幸せそうにもぐもく食べます。
久住さんは、「孤食」の喜びを認知させた功労者と言えそうです。
女版「孤独のグルメ」との呼び声が高いのが、テレビ東京で毎週木曜深夜に放送している「ワカコ酒」です。原作は新久千映さんの人気マンガです。
ただし「孤独のグルメ」の主人公・井之頭五郎が下戸なのに対し、「ワカコ酒」の主人公・村崎ワカコは「酒呑みの舌を持って生まれた」という26歳のOLです。
武田梨奈さん演じるワカコは、いつもひとりで酒場にふらりと立ち寄ります。ときに仕事のイヤなことを思い返し、ときに店内の会話に耳を傾けながら、酒と肴を満喫します。そこに「女ひとり酒」の寂しげなイメージはありません。
「居酒屋を飲み歩くだけなんだけど、それを見ながらの晩酌が楽しい」「辛抱たまらなくなったので酒かってくる」などネットでの反応を見ると、その飲みっぷりが酒好きたちを楽しませているようです。