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「ママ友の輪に入れず孤立」中高時代の〝女子グループ〟と重なる関係
ある調査では、「ママ友・パパ友がいない」と答えた人は20年で9倍になりました
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ある調査では、「ママ友・パパ友がいない」と答えた人は20年で9倍になりました
「ママ友」との付き合いに悩んだことはありませんか。記者は数年前、夫から言われた一言を発端に、モヤモヤした気持ちを抱くようになりました。ドラマなどの影響で、ドロドロとした人間関係をイメージする人も多いのではないでしょうか。取材を通して、ママ友という関係性について考えました。(朝日新聞記者・益田暢子)
「ママ友と、うまくやってるんだね」
2年ほど前、夫に何げなく言われた一言が、ひっかかりました。
当時、私は子どもの保育園でクラス代表を務めていて、懇親会の準備などをしていました。保育園の送り迎えのときに会えば話す「ママ友」はいましたが、友達と呼べるような関係ではありませんでした。
そのころ、夫は仕事が忙しく、育児や家事の大半を私が担っていました。そんな状況で、ママ友という人間関係の構築まで私に課せられているように思えて、なんだかモヤモヤしたのです。
2022年に第一生命経済研究所が行った調査によると、「ママ友、パパ友がいない」と答えた人は56%で、約20年前の6.2%に比べて急増しました。
働く女性が増えたり、LINEなどで学生時代の友人たちと簡単につながれるようになったりしたことで、ママ友を作らなくても、職場の同僚や昔からの友人に育児の相談ができるようになった、ということが大きいようです。
それでも、学校行事や習い事の送迎などで日常的に顔を合わせる機会が多いと、なんとなく話しかけたり、話しかけられたり……。子どもを介した関係だからこそ、切っても切り離せないのがママ友です。
関係性を見つめ直すきっかけになればという気持ちで、連載『「ママ友」という呪縛』の取材は始まりました。
連載の初回では、ママ友グループに入れず、疎外感にさいなまれているという女性を取り上げました。小学校で初めての授業参観に行くと、すでにママ友グループができていたそうです。その輪に入れないまま、子どもはもうすぐ小学校の卒業を迎えます。
学校行事では話す人が誰もおらず、居心地が悪い。「どうしてママ友をつくれないんだろう」と自分を卑下してしまう感情に耐えられず、その場から逃げ出したくなるという胸の内を打ち明けてくれました。
女性の話を聞いて思い出したのが、私自身の高校時代です。地元から離れた高校に入学したばかりのころ、「どこかの女子グループに属さなくては」という思いが空回り、どの輪にも入れないまま、一人でお弁当を食べたことがありました。そんな苦い思い出が、取材中によみがえりました。
連載でインタビューした東京未来大学の藤後悦子教授も「ママ友は狭いコミュニティーのなかでの関係性で、中高時代の女子同士の関係と似ています」と指摘されていました。
男性の視点からママ友を語ってくれたのは、シングルファーザーとして娘を育てている男性です。
男性が暮らす地域では、子育てに参加する男性はまだ少ないといいます。幼稚園の送迎バスを待つ間、父親は一人だけ。周りの母親たちに思い切って話しかけるも、そこに男性である自分の居場所はなかったそうです。
男性はパパ友も探したそうですが、学校行事などで会う父親とは、子どもの話をしても盛り上がらなかったといいます。そうした経験から、男性は「ママ友が集まって結束する理由は、子育ての悩みを夫に話しても共感されないからではないか」と話していました。
たしかに、これは一理あるかもしれないと思いました。時として、夫より頼りになるのがママ友です。私もワンオペ育児でつらかったとき、声をかけてくれたママ友の優しさに救われたことがありました。
連載には、「○○ちゃんママ」と呼ばれ、夫の職業や子どもの聡明さで全てを評価されるママ友グループから抜け出した女性や、高齢出産のために若い母親と仲良くなれず、ママ友ができなかったという女性も登場します。
連載を通して伝えたかったこと。それは、ママ友は無理につくらなくてもいい、というメッセージです。
年齢も価値観も経済的事情も違う人たちが「子ども」という共通点を通して出会い、「ママ友」になる――。これは、とても難しいことです。ママ友ができなくても、自分を責める必要は全くないと思います。
インタビューした藤後教授の言葉を借りると、「親友ができたらラッキー」ぐらいに思えばよいのではないでしょうか。
あいさつする人、情報交換ができる人、互いの子どもを遊ばせられる人。いろんな種類のママ友がいていいんだ、という藤後教授の言葉に、私が救われるような気持ちでした。
さて、私自身のことを考えてみると、子どもが同じクラスのママたちには必ずあいさつするし、情報交換ができる人は3人ほど、子ども同士がよく遊ぶママは2人います。これを全部ママ友と呼んでもいいのなら、結構いるのかもしれません。
子どもが成長するにつれて、子どもをめぐる人間関係も広がっていくだろうと推測します。自分が無理しない程度に付き合っていければいいな、と思います。
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