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銃乱射、ハイジャック、いまだ国際手配中…「日本赤軍」って何?
国際手配されていた城崎勉容疑者が2月に逮捕、帰国させられた過激派「日本赤軍」。一体どんな組織なのでしょう?
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国際手配されていた城崎勉容疑者が2月に逮捕、帰国させられた過激派「日本赤軍」。一体どんな組織なのでしょう?
国際手配されていた城崎勉容疑者が2月に逮捕され、約37年ぶりに日本に帰国しました。彼が所属していたのが過激派「日本赤軍」。重信房子受刑者をリーダーに海外でテロを繰り返し、いまだにメンバー7人が逃走中です。日本赤軍とはどんな組織なのでしょう?
大学の授業料の値上げに反対し、1960年代に広がった学生運動から派生した過激派の一つが日本赤軍です。主に70年代に海外でテロを繰り返したことで知られています。
60年代までは、日本共産党に不満を抱く共産主義思想を持った学生たちが、国内の大学を拠点にして活動。キャンパスの占拠や国会包囲などの学生運動が主でした。彼らは旧来の左翼勢力と区別して「新左翼」と呼ばれました。
しかし学生運動が下火になると、世界の社会主義国や発展途上国に拠点を設けて、同時多発的に共産主義革命を起こす「国際根拠地論」という考え方を掲げ、武装化する過激派が生まれます。
このグループは「赤軍派」と呼ばれますが、路線対立でさらに様々なグループに分かれます。仲間うちでの集団暴力の末、72年に長野県の企業保養所「あさま山荘」で人質を取り警官隊と衝突する事件を起こした「連合赤軍」もその一つでした。
この赤軍派から派生し、重信受刑者らが71年、レバノンで結成したグループが日本赤軍です。
72年には岡本公三容疑者らがイスラエルの空港で銃を乱射し、24人を殺しました。75年には、別のメンバーがマレーシアにあるアメリカ大使館などを占拠して人質をとり、拘束されていたメンバーらを釈放するよう日本政府に求めました。これがクアラルンプール事件です。
日本政府は「超法規的措置」という特別な扱いで5人を釈放しました。ところが、この時に釈放したメンバーたちが、77年に日航機をハイジャックして人質をとり、再びメンバーの釈放を求めました。
この「ダッカ事件」で、当時の福田赳夫首相は「人命は地球より重い」と述べ、強盗罪などで服役中の城崎容疑者ら6人を新たに釈放します。
城崎容疑者は、ジャカルタの米大使館が砲撃された事件にからみ、98年2月に米連邦地裁で禁錮30年を言い渡され、米国の刑務所に収監。今年1月に釈放され、収容施設に移っていました。
日本赤軍自体は90年代になると、城崎容疑者らメンバーが国内外で相次いで拘束され弱体化します。
2000年には、大阪府内に潜伏していた重信受刑者も逮捕され、翌年に「解散」を宣言しました。
しかし、国際手配中の7人のうち、レバノンに亡命した岡本容疑者以外の6人の行方は分かっていません。いまだテロリストとして国際手配されています。