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話題

「人は、大きな悲しみにどう寄り添えばいいのか」正面から伝えたい

映画『天間荘の三姉妹』特別対談 主演のん×プロデューサー真木太郎 10月28日公開

PR by 東映

目次

漫画家・髙橋ツトムさんの代表作『スカイハイ』のスピンオフ作品『天間荘の三姉妹』が実写映画化され、10月28日(金)から全国公開されます。主人公・たまえを演じたのんさんと、プロデューサーの真木太郎さんは、大ヒットアニメーション映画『この世界の片隅に』でもタッグを組んでいます。そんな二人が映画『天間荘の三姉妹』に込めた思いを語り合いました。

『この世界の片隅に』の製作スタッフが再結集した感動巨編

真木 私がプロデュースを担当したアニメ映画『この世界の片隅に』で、のんさんには主人公・すずの声を演じていただきました。いつか実写でもご一緒できたらと思っていました。
 
のん ありがとうございます。
 
真木 そんな折、北村龍平監督から髙橋先生のコミック『天間荘の三姉妹―スカイハイ― 』を映画化したいと。東日本大震災がきっかけで誕生した物語です。「人が生きること」が優しく温かく力強く描かれていて、多くの人にとって次の一歩を踏み出す勇気がもらえる映画になると感じました。そして主人公のたまえ役にはのんさんしかいないと確信し、お願いした次第です。かなり後になって、髙橋先生はのんさんをイメージしてたまえを描いていたと知り、その偶然に驚きました。
 
のん お話をいただき、光栄でした。私はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演して以降、被災して「遺された人たちの気持ち」に触れる機会は多かったのですが、「亡くなられた側の人たちの感情」を考えたことはありませんでした。その発想に感動しました。
 
真木 現世で天涯孤独の身だったたまえは、交通事故に遭って臨死状態に陥り、天界と現世の間にある街・三ツ瀬へ。そこで異母姉妹がいる旅館・天間荘で働くたまえを中心に物語はどんどん展開していきます。
 
のん 三ツ瀬という「突然命を奪われた人たちの魂が癒やされる場所」があって、現世に帰るかどうか考える時間がある。そこでは亡くなった人の魂が私たちのことを思いながら過ごしているかもしれない、と想像することは大きな救いになりました。
 
真木 きっと亡くなっているとか生きているとか関係なく、人はコミュニケーションを求めたいし、大切な人を愛しく思うものなんですよね。
 
のん そうですね。そう考えると元気が出ます。
 

CGを一切使わなかったイルカのシーンは必見

真木 脚本にたまえが暗い印象で描かれた箇所があって、のんさんが「彼女のイメージと違う」とはっきり言ってくれた。それ以降、たまえのキャラクターがより鮮明になりました。
 
のん たまえは底抜けに明るいのですが、現世では両親を亡くし、誰かに必要とされたことがなかった。常に明るく振る舞うことで自分を支え、居場所を作ろうとしていた。そんなピュアさと内面の複雑さを表現したくて、私自身探っていたんです。
 
真木 編集作業中は全然気づかなかったのですが、完成版を大きなスクリーンで観た時、のんさんが実に繊細な演技をされていて感動しました。それとイルカのシーンは見事でした。一切CGを使わずに済みました。
 
のん イルカとのトレーニングを合わせて2週間ほど受け、コツはつかめたもののイルカの集中力が約15分でやり直しは難しい。そんな中でイルカとジャンプする時の本番は、技を決めるだけでなく、絶対にベストショットにしなければという使命感もあった。本当に緊張し、ドキドキでした。
 
真木 ミラクルかと思いましたね。のんさんも最高の笑顔で素晴らしいシーンになりました。
 

死んでも終わりではなく、思いは繫がっている

のん 私は完成版を観て、三ツ瀬の人たちの思いが現世と繫がっているのを実感して、温かな気持ちになりました。
 
真木 3.11の非日常を題材にしている以上、逃げたりごまかしたりしたくなくて、必然として津波のシーンもあります。
 
のん まだ何も終わっていないし、今更ということもないと思います。ただ、そこも含めて本作を観て、時が止まってしまった人たちの時計が動き出すようなことがあれば、もしそんな力になれたらうれしいです。観終えた後に切なさが心地よく残るシーンもたくさんあります。そこから少しでも希望を感じていただけたらうれしいです。
真木 日々の悩みや不幸なことといった負の部分から人間はどうしても目を背けがちです。本作はそこを容赦なく突いてくる面があるかもしれません。でも同時に、この世界にはそんな負の部分と同じくらいプラスの部分もあることに気づかせてくれます。もし、前を向いて生きていこうと思ってもらえたら、これ以上うれしいことはありません。人間は本作の登場人物たちのように素朴さを持ち合わせているものだと信じています。だからこそ、どんな人にも共感してもらえるはずです。
 
のん 本編も感動的ですが、エンディングの玉置浩二さんと絢香さんの歌声が素晴らしくて心に染みます。グッと我慢していた涙がどっとあふれます。抱えている思いを涙と共にぜひ出し切ってください。
 
今でも大切な人と繫がっていると
信じることで救われると思います
俳優・創作あーちすと のんさん

1993年兵庫県生まれ。アニメーション映画『この世界の片隅に』で主人公・すずの声を演じ、数々の映画賞を受賞。また「創作あーちすと」としてアートや音楽活動にも取り組む。近年の映画出演作に『星屑の町』『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』『私をくいとめて』、脚本・監督・主演を務めた『Ribbon』、そして『さかなのこ』がある。
 
一人ひとりが次の一歩を踏み出す
勇気をもらえる映画だと思います

 
プロデューサー 真木 太郎さん

 『この世界の片隅に』のほか、『千年女優』、『機動警察パトレイバ ー』シリーズなど数々のヒット作を生み出している。
 

もう会えないあなたに 会いたい——

【イントロダクション】
世界はこんなに大変だけど、世界はそんなに悪くない。

『スカイハイ』『SIDOOH-士道-』『JUMBO MAX』で知られる漫画家・髙橋ツトムと、『あずみ』『ゴジラ FINAL WARS』『ルパン三世』などの話題作を手がけ、現在はハリウッドを拠点に活躍する映画監督・北村龍平。ふたりの盟友によってこの映画が生み出された。原作コミックは髙橋の筆による単行本4巻分の『天間荘の三姉妹ースカイハイー』。「人が生きること」についてのヒューマンファンタジーである本作を、アニメーション映画『この世界の片隅に』を大ヒットに導いた真木太郎が実写映画としてプロデュースした。
 三姉妹の三女・たまえを演じるのは、のん。天真爛漫と孤独感が同居する難しいヒロインを完璧に演じきる。次女・かなえ役は、実力派として高い評価を受ける門脇麦。長女・のぞみ役は本作で一段と女優としての貫禄がついた大島優子。そして、彼女たちの母親・恵子を、国内外で数々の賞に輝く寺島しのぶが演じ、画面全体の緊張感を引き上げる。
 
人は、大きな悲しみにどう寄り添うべきなのか。
家族とは、生命とは、生きるとは、いかなるものなのか?
老若男女問わず、いま生きていることに心から「ありがとう」と言える、新しい市民映画がここに誕生した。
この秋、最高の涙と感動を届ける超大作、堂々完成。

【ストーリー】

 天界と地上の間にある街、三ツ瀬。美しい海を見下ろす山の上に、老舗旅館「天間荘」がある。切り盛りするのは若女将の天間のぞみ(大島優子)だ。のぞみの妹・かなえ(門脇麦)はイルカのトレーナー。ふたりの母親にして大女将の恵子(寺島しのぶ)は逃げた父親をいまだに恨んでいる。

 ある日、小川たまえ(のん)という少女が謎の女性・イズコ(柴咲コウ)に連れられて天間荘にやってきた。たまえはのぞみとかなえの腹違いの妹で、現世では天涯孤独の身。交通事故にあい、臨死状態に陥ったのだった。

 イズコはたまえに言う。「天間荘で魂の疲れを癒して、肉体に戻るか、そのまま天界へ旅立つのか決めたらいいわ」。しかし、たまえは天間荘に客として泊まるのではなく、働かせてほしいと申し出る。
  
  そもそも三ツ瀬とは何なのか? 天間荘の真の役割とは?
  たまえにも「決断の時」が刻々と近づいていた。

映画『天間荘の三姉妹』10月28日(金)全国ロードショー
 
のん 門脇麦 / 大島優子
高良健吾 山谷花純 萩原利久
平山浩行 柳葉敏郎 中村雅俊(友情出演) / 三田佳子(特別出演)
永瀬正敏(友情出演) 寺島しのぶ 柴咲コウ

 
プロデューサー:真木太郎(『この世界の片隅に』)
監督:北村龍平
脚本:嶋田うれ葉
音楽:松本晃彦
主題歌:Beautiful World 玉置浩二 feat.絢香(日本コロムビア)
原作:髙橋ツトム「天間荘の三姉妹-スカイハイ-」集英社 ヤングジャンプ コミックス DIGITAL

配給:東映 制作プロダクション:ジェンコ
製作:『天間荘の三姉妹』製作委員会
2021年/カラー/シネマスコープ/5.1ch/150分
©2022髙橋ツトム/集英社/天間荘製作委員会
(映倫区分G)(映倫番号123403)
公式HPはこちら
https://www.tenmasou.com/
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