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話題

ロボットから見える体・心・命の意味 「きみロボ」展が伝えたいこと

ロボットって何だろう?そもそも、人間とは。

PR by 朝日新聞 Arts & Culture

「きみとロボット」展の企画制作に携わった日本科学未来館の科学コミュニケーターの園山由希江さん(左)と、朝日新聞社文化事業部の船坂優太さん
「きみとロボット」展の企画制作に携わった日本科学未来館の科学コミュニケーターの園山由希江さん(左)と、朝日新聞社文化事業部の船坂優太さん

目次

インターネットやスマートフォンの普及で、あらゆるモノ・情報を瞬時に手に入れることができるようになりましたが、実際に“本物”を体験することはかえって難しくなっていないでしょうか。「朝日新聞 Arts & Culture」は、“本物”と出会う場として、美術や自然科学、ポップカルチャーなど分野の垣根を越えた数々の展覧会・イベントを紹介しています。

今回ご紹介するのは、東京・お台場の日本科学未来館で開催中の特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」です。集まったロボットは、なんと約90種130点! まさに国内展覧会史上最大規模となるロボット展なのです。「なぜ?いまロボットなのか」——その意義や見どころを、日本科学未来館の科学コミュニケーターの園山由希江さんと、朝日新聞社企画事業本部文化事業部の船坂優太さんにうかがいました。

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紀元前から現代にいたるまで人間とロボットのあゆみ

——「きみとロボット」展開催にあたり、それぞれの役割やこの展覧会をいま開催する意義を聞かせてください。
 
園山 私は2年ほど前からこのプロジェクトに携わってきました。フランスやイギリスなど各国で開催されているロボットに関する展覧会を参考にしながら、企画をあたためてきたんです。ロボットと人間との関係が複雑かつ多彩になっている今、ロボットを通して人間について、深く考えたくなるような展示にしたいと思ってきました。
 
「きみとロボット」展について語る園山さん
「きみとロボット」展について語る園山さん
船坂 私はこの企画の展示周辺の担当として2021年6月から参加しています。どんなロボットをどこからお借りしてくるかなどの調整や交渉などを担当してきました。産業ロボットの展示会は世界でも日本でも多く開催されていますが、それらとはまったく異なるロボット展をつくりたい、世界に誇るロボット技術とロボットSFを生み出してきた日本ならではのロボット展にしたい、そのためにどんな工夫が必要かなど試行錯誤を重ねてきました。
 
園山 ロボットと呼ばれるようになるずっと以前から、ロボット的なものは人間の想像の中に存在していました。古代ギリシャの叙事詩『イーリアス』の中にも、動く、人間に似た形のものが描かれています。人間は紀元前から自分の分身のようなものを思い描き、そこに命を吹き込み、その存在を通して自分自身を知ろうとするということを繰り返してきたのではないかという気がしています。
 
船坂
 「ロボット」という言葉の定義は実はとてもあいまいで、何をロボットというのか、あるものの存在のどこをロボットと捉えるのか、難しいです。しかし、だからこそ人間がつくり出したロボットを通して、こんなロボットを作り出す人間とは何なのか、人間とロボットとの関係性を自分なりに考え、何かを学んだり感じたりできる場になるのではないかと期待しています。
展示されているロボット「Wathlete」(ワスリート/早稲田大学理工学術院 高西淳夫研究室)について説明する船坂さん(左)と園山さん
展示されているロボット「Wathlete」(ワスリート/早稲田大学理工学術院 高西淳夫研究室)について説明する船坂さん(左)と園山さん

ロボットを通して人間の体・心・命について考える

——本展覧会の特徴や見どころを教えてください。
 
園山 展覧会のメインゾーンでは、「からだって、なんだ?」「こころって、なんだ?」「いのちって、なんだ?」というテーマで展示が展開されていきます。例えば体のゾーンでは「身体性の拡張」を考える上で、「もし私たちに腕があと2本追加されたら何ができるのか」と問いかけ、実際に体に取り付けられる腕の形をしたロボットを間近に見て、その可能性を探ります。
 
船坂 同じゾーンには、動物が体のバランスを保つためなどに役立っている「尻尾」が、もし人間にもついていたらどうなるのだろう……といったことを真剣に考えたくなる大きな尻尾型のロボットも展示します。心のゾーンでは、「かわいいロボット」や「弱いロボット」も登場し、かわいいと思う人間の気持ちや、助けてあげたくなる人間の心理にも迫ります。
 
「きみとロボット」展について語る船坂さん
「きみとロボット」展について語る船坂さん
園山 命のゾーンでは、患者型ロボットや手術支援ロボット、人工心肺装置など医療系のロボットを紹介し、人間の命と科学技術との関わり方について知ることができます。さらに、デジタルクローンとして、亡くなった後に“復活”したいか、あるいは亡くなった大切な人に“再会”したいか、それは果たして命と呼べるかなど、倫理や哲学のような深い問いを投げかけます。
 

「私は人間」その当たり前を揺るがす体験に

——展覧会づくりを通してロボットへの思いは変わりましたか。どんな人に楽しんでほしいですか。
 
船坂 この企画に携わる前、日本を代表する、誰もが知っているようなロボットアニメさえよく知りませんでした。展覧会をつくるにあたってロボットについて調べ尽くし、いろいろなロボットやその開発者とも触れ合って、ロボットへの知識は深まりましたが、「ロボットってなんだろう」「人間ってなんだろう」「自分ってなんだろう」という謎も深まるばかりです。最近では、「自分は人間です」と堂々と言いきれるか、自信がなくなってきました(笑)。
 
園山 展覧会のメインターゲットは、ロボットとともにこれからの世界を歩んでいくであろう子どもたちです。その子どもたちにとって、社会の中でロボットをどのように使っていくのか、どう付き合っていくのかを考える機会になればと思っています。もちろん大人にとっても、既成概念やこれまでの当たり前を揺るがす、貴重な体験となるはずです。
 
分身ロボット「OriHime-D」(オリヒメ-ディー/オリィ研究所)=左=とヒト型ロボット「NEXTAGE」(ネクステージ/カワダロボティクス)
分身ロボット「OriHime-D」(オリヒメ-ディー/オリィ研究所)=左=とヒト型ロボット「NEXTAGE」(ネクステージ/カワダロボティクス)
特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」
https://kimirobo.exhibit.jp/
会期:2022年3月18日(金)~8月31日(水)
会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
時間:10:00~17:00 (入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日 (ただし、3/22~4/5, 5/3, 7/26~8/30は開館)
主催:日本科学未来館、朝日新聞社、テレビ朝日
ファミリーロボット「BOCCO emo」(ボッコ エモ/ユカイ工学)
ファミリーロボット「BOCCO emo」(ボッコ エモ/ユカイ工学)
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※今回の企画は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で取材・撮影を行いました。
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