『ベルセルク』は平成元(1989)年に連載を開始したダーク・ファンタジーです。巨大な剣を携えた主人公・剣士ガッツが、異形の怪物と戦いながら成長する壮大なストーリーはマンガから火がつき、アニメやゲームと多層的に展開。そのすべてが大ヒットとなっています。
最近では、スペイン最大のマンガフェスティバル「マンガバルセロナ」にて、最優秀青年マンガ賞を受賞するなど、その熱狂は海を渡るほど。海外版はアメリカ、フランスなど延べ20の国と地域で刊行され、累計発行部数は全世界で5千万部(※1)を超えています。
アメリカン・コミックスの出版社、ダークホースコミックスから豪華版『ベルセルク』が出版された際は、1冊$49.99(日本円で約5,600円)という価格ながら、飛ぶように売れたとのことです。人気ぶりがうかがえます。
『ベルセルク』が日本のみならず、世界中で愛される理由はどこにあるのでしょうか。その魅力について、出版元の白泉社宣伝部は次のように話します。
「まずは何よりも三浦建太郎先生の“画力”。1コマ1コマが“絵画のレベル”とも言われるほど精緻なのですが、この画力こそが言葉を超えて世界中にファンを作り、愛される作品になったのだと思います」
続けて、三浦建太郎氏の画力の魅力を語るのに印象的なエピソードがあると言います。2021年9月10日(金)~23日(木)まで池袋サンシャインシティ(東京)で開催された「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」(※2)での光景です。
「一人ひとりの方が絵の前で立ち止まる時間がとにかく長かったんです。ご来場いただいた皆様からは、細かい描写など線の1本1本も見逃さないぞという気迫を感じました。確かに三浦先生の原画は、これまで多くの原画を手にしてきた私どもから見ても凄まじいものがありました。ファンの皆様もきっと三浦先生の画力に改めて驚いたのだと思います」
※1 紙の書籍と電子版の合計発行部数
※2 「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」は現在、ひらかたパークイベントホール(大阪)で2022年1月30日(日)まで開催中。
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