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「1本からピンポーン!」常識覆すサービスの源とは
PR by カクヤスグループ
ピンクの看板が目印で、「なんでも酒やカクヤス」を展開しているカクヤスグループ(本社:東京都北区、以下「カクヤスグループ」)は、2021年11月に創業100年を迎えました。子会社の株式会社カクヤス(以下「カクヤス」)は東京、神奈川、埼玉、大阪の配達可能エリアなら、「ビール1本から、最短1時間で、送料無料」で配達するという驚きのサービスを実現しています。「お客様のご要望に“なんでも”応えたい」の精神で歴史を積み重ねてきました。これまでの変革の歩みや、次の100年への展望について、佐藤順一社長にお話を伺いました。
2019年12月に東証二部に上場を果たしたカクヤスグループの歴史は、佐藤順一社長の祖父・安蔵さんが1921(大正10)年に東京都北区に創業した「カクヤス酒店」からはじまりました。社名は値段が安い“格安”が由来なのかと思いきや、日本酒を飲む器である「角枡(かくます)」と創業者の「佐藤安蔵(やすぞう)」の名前から取ったのだそうです。
街の小さな酒屋を皮切りに、2代目の安文さんが飲食店にお酒を卸す業務用にシフト。現社長の3代目・順一社長はバブル絶頂期に新卒で入社し、以来、約40年にわたり会社とともに歩み続けてきました。そして迎えた今年の100周年は、コロナ禍という試練に見舞われました。
「業務用の酒類を販売している会社としてかつてないほどのダメージを受けました。ある意味で思い入れのある節目になりました」(佐藤社長)
しかし、この100年を振り返ると、試練はチャンスを生む機会でもありました。バブル崩壊後の1992年には、酒類のディスカウントストアを出店。郊外の大型店には太刀打ちできないと考え、大きな団地を入れた店舗から半径1.2km以内での配達サービスを始めました。ただ、当時の配達は有料。注文最低金額も決まっていました。不評だったため、段階的に条件を緩め、最終的にはビール1本からの無料配達を実現しました。
「2003年に酒類販売の規制が緩和されることになり、このままでは大型店やコンビニに太刀打ちできないと思いました。勝つためには、配達サービスを進化させるしかないと考え、そこで、東京23区内ならどこでも2時間で無料配達という目標を掲げ、それに必要な100店舗を3年以内に出店することを決めたのです」
銀行に融資を受けて出店を進め、東京23区内の無料配達を実現したものの、簡単に出店コストを回収することはできませんでした。
「それまでお店からは家庭向けの配達しかやっていなかったのですが、店の近くには小さな飲食店がたくさんあることに気づきました。それらの店にも注文から2時間以内に配達するようにしたところ、大当たり。店舗全体を約3年で黒字化することができました。会社の長い歴史を振り返ってみて、私にとっての一番の苦境はこの時でした」
その後も出店を重ねて業務用と家庭用の配達サービスを続け、2012年には最短1時間での配達を実現。こうして「ビール1本から」「最短1時間から」「無料で」という独自の配達網がカクヤスの強みとなっていきました。
ちなみに、企業カラーとして定着したピンクは、順一社長が、配達トラックの色を「明るい気持ちになれるようにピンクなんてどう?」と自動車販売店に伝えてみたところ本当に納車されたことがきっかけだったそうです。
「(派手な車両で)社員はみんな乗りたがらなかったけれど、お客様からの評判がよかったのです」
バブル崩壊や規制緩和などの荒波を乗り越えてきたカクヤスですが、2020年から世界中を襲った新型コロナウイルスによる打撃は未曾有のものでした。
「お店でお酒を提供してはダメ、集まってはダメ、飲んではダメ。お酒が完全に悪者になってしまいました。今までこんなことは一度もなく、想定もしていませんでした」
カクヤス店舗の売り上げは、従来「店舗での販売」「業務用の配達」「家庭用の配達」とそれぞれが約三分の一ずつでしたが、飲食店の休業で業務用の配達がほとんどゼロに。この打開策として、2021年よりペット用品や介護用品、生活用品もすべて1つから無料配達に乗り出しました。
「うちの強みは、他社にまねできない自社配送網を持っていて、配達したスタッフとお客様とのコミュニケーションがあること。なじみのスタッフが『生活用品もはじめましたよ』と言えば、お酒のついでに頼んでくださいます。そもそも、うちはお客様のご要望になんでも応えたいという姿勢でここまでやってきました。2000年に店名を『なんでも酒やカクヤス』に変更したのですが、“なんでも”はその意思表示です。コロナをきっかけに、空いた配達枠を活用できる新たな展開へとかじを切りました」
2019年の東京証券取引所市場第二部への上場も、コロナ禍の厳しい経営の一助になったといいます。
「人材不足の中、新卒採用は上場している企業が有利。いつかは上場、と漠然と考えていましたが、私も60歳を過ぎ、この先の経営を考えると上場したほうがいいと判断しました。コロナで大変だった時に、第三者割当増資で資金調達ができたのも上場していたからこそ。」
現在、カクヤスが出店しているのは東京、神奈川、埼玉、大阪などの都市部ですが、2020年に福岡の酒類販売企業2社を子会社化し、福岡でのサービス展開を進めています。
「配送網を自社で構築し、黒字化するには時間がかかります。すでにあるものをM&Aをして展開したほうが、効率的です。よく『全国展開は?』と聞かれるのですが、そう簡単にできるものではありません。現在展開している地域の体制を盤石なものにする方が、優先順位が高いと考えています」
企業規模が拡大するにつれ、CSR(企業の社会的責任)にも力を入れてきました。2019年からは、酒類販売企業としてアルコール関連問題に取り組み始めました。
「お酒の良いところは、コミュニケーションを円滑にし、ストレスが解消できること。ただ、アルコール依存に陥るケースもあります。お酒を販売している企業として、悪い部分に無頓着でいいのかという思いはずっとありました。支援団体や医療関係の方々に相談し、お酒に悩みがある方からの電話相談窓口を開設したり、援助者の育成プログラムを支援したりしています」
さらに、地域の安全・安心のための活動にも取り組んでいます。約1000台の車両が年中無休で配達をしている強みを生かし、2019年に東京都と「ながら見守り提携事業」に関する覚書を締結し取り組んでおります。以来、すべての配達車両に防犯ステッカーを貼付し、ドライバーは街の様子に目配りしながら配達業務を行っています。
「地域の子どもたちや高齢者が安全、安心で暮らせるよう、配達業務を通して地域の見守り活動を行っています」
他社にまねできない自社配送網の確立や東証二部上場などを実現してきたカクヤスグループ。これからの100年はどう描いているのでしょうか。
「私たちは、お客様の“プラスワン”のご要望に一つずつ応えるたびに大きくなってきました。100年先、200年先も、ひたすらそれを追求することが大切だと考えています」
「良いサービスはまねされる」のが世の常です。短時間での配達事業は各社が続々と参入していますが、そこに不安や脅威を感じていないといいます。
「まねされないものがひとつだけあります。それは、これからやるサービスです。失敗することもあるけど、常に新しいサービスを生み出す力が企業の源泉だから、うちはそこをこれからも大切にしていきたいと思っています」
カクヤスは2021年6月、創業100年で初となるテレビCMを展開しました。お笑いコンビ「バナナマン」を起用し、「1本からピンポーン!」というキャッチフレーズでカクヤスの配達サービスを紹介しています。
お客様のために――。その思いは今も昔も一貫して変わりません。
「お客様とのコミュニケーションやご要望がきっかけで、新しいサービスが生まれ、それを喜んでもらって販路が広がるなんて、事業として実に気持ちのいいもの。我々はこうして成長していくのだと思っています。将来的に『何かあったらカクヤスに頼めばなんとかなる』という企業になっていきたいですね」
佐藤順一 |
株式会社カクヤスグループ |