話題
皮膚の病気の患者さんが受ける誤解【PR】
WEB市民公開講座シリーズレポート PR・by・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
私たちの知らないところでも、皮膚の病気に悩んでいる患者さんは多くいます。例えば「アトピー性皮膚炎」。アトピー性皮膚炎は、一般にも名前が知られている皮膚疾患の一つですが、その症状や悩みまでは理解されているでしょうか ?
なかには、強い痒(かゆ)みから全身をかき、傷ついた皮膚から出血したり、眠れなかったりといった辛(つら)い身体的な症状に悩まされている人もいます。
しかし、皮膚疾患の患者さんが抱える悩みは身体的な症状だけではありません。周囲からの視線や誤解によって苦しむケースも少なくないのです。
なぜ、こうした誤解が存在しているのでしょうか? 今回は、その背景を知り、患者さんの明るい未来を作っていくために開催された市民公開講座の内容から、皮膚疾患にまつわる誤解の存在や、患者さんに向けられるさまざまな視線の存在について紹介します。
「スティグマには複数の種類があります。1つは周囲の人がある人の属性の一部分だけを見て、誤解や偏見に基づいて認識する『公的スティグマ』。
例えば最近では、医療関係者の子どもに対して『親が医者だからその子どもはコロナに罹(かか)っているかもしれない』『看護師の子どもは保育園に来ないでほしい』と言われたという事例がニュースになりました。
また、肥満や生活習慣病の方などは『努力が足りないから克服できないんだ』と判断され、スティグマの対象になりやすいと言われます。実際には生まれ持った身体的な制限などもありますから、努力不足でそうなってしまったとは限らないわけです。
スティグマという言葉にはあまりなじみがないかと思いますが、こういったことは皮膚の病気を含め、世の中で多々起きています。みなさんも身近で見聞きしたことがあるのではないでしょうか」
またスティグマには段階があり、根拠のないきっかけから誤解に基づいた行動に至ってしまうと説明する常深さん。
「例えば『きっかけ』として、ある人がAさんの皮膚に疾患があるのを見たとします。その次が『ステレオタイプ』で、乾癬(かんせん)という病気らしい、乾癬は感染する病気なのではないかという、誤った認識に基づいて判断します。そして『偏見』の段階では、『Aさんは感染する皮膚病だから近づかないようにしよう』という根拠のないレッテルが貼られます。最終的に、本人や周囲にそういった発言をするなどの差別的な行動に至ってしまいます。
きっかけはほんの些細なものですが、最後の差別的な行動は決して許容されるものではありません」
このような「公的スティグマ」の他に、「自己スティグマ」があります。これは、例えば皮膚の病気の患者さんが「周りの人に嫌がられるかもしれないから、できるだけ皮膚を出したくない」「みんなと一緒に出かけるのはやめよう」と自分自身に対して誤解に基づく認識を持ってしまうことです。
「自己スティグマで特に問題なのは、『今の状況を引き起こしたのは自分の責任だ』と思いこんで他者の手を借りることを避けるようになり、医療を受けることも控えてしまうことです。そのため病気が長引き、さらに自分を責めるという悪循環に陥ってしまいます」
差別を避けるために外出を控えてしまうことで運動する機会が減り、身体的な健康を害してしまったり、社会的な孤立によって、場合によってはアルコールやタバコ、薬物に走ってしまうことで、さらに健康を害してしまったりすることも。
「よく『治らない病気だと言われた』という患者さんがいますが、最近の医療の技術は非常に進歩していますから、数年前にそう言われたとしても、今や治る病気かもしれない。そういう病気はいくらでもあります。医療機関を受診して、新しい知識を得ていただきたいと思います」
常深先生は「スティグマはまったく根拠のないところからスタートしている」と指摘します。
「スティグマはみなさんの病気への認識さえ変われば解決できる問題です。これまでの慣習や噂に対する認識を一度捨てて、考え直してみましょう。まだ世の中に正確な情報が少ないため、我々もしっかり情報発信していかなければならないと思っています」
常深先生は、スティグマのない社会を実現するための重要なポイントを2つ挙げました。
「最も大切なのは正しい知識を持つことです。正しい情報は専門家に聞いていただくのが一番です。
もう1つ重要なのは患者さんの周囲の方が、病気はその人のごく一部の性質に過ぎないことを理解し普通に接することです。何か困っていることがあれば耳を傾け、患者さんが正しい情報を得て治療を受けられるようサポートしていただきたいと思います」