ユニークな家族写真で注目を集め、2009年に写真界の芥川賞ともいわれる木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家の浅田政志さん。
写真の力を信じ、葛藤と挑戦を続ける浅田さんの半生をユーモラスに描き、家族とは何かを問いかける映画『浅田家!』が公開される。
主演の二宮和也さんと浅田政志さんが顔を合わせ、飛び出したエピソードとは。
写真の力を信じ、葛藤と挑戦を続ける浅田さんの半生をユーモラスに描き、家族とは何かを問いかける映画『浅田家!』が公開される。
主演の二宮和也さんと浅田政志さんが顔を合わせ、飛び出したエピソードとは。
愛情に裏打ちされた〝ヘンテコさ〞が温かいよね
―浅田さん役を二宮さんが演じると聞いてどう思いましたか。

浅田 一生分どころか、来世分の運まで使い切ったと思いました。申し訳なさと光栄さとで、本当にいいのかなって感じです。
二宮 自分の生きざまが映し出されるわけじゃないですか。映画として観られるものなんですか。
浅田 埋もれていた家族の思い出がよみがえってきた感じです。それに、兄役の妻夫木聡さんが怒鳴るシーンではビクッとしましたね。あまりにも似ていたので、本当に自分が怒られている気がして。
二宮 家族のかたちに正解はないし、逆にいうとどれも正解なので演じる難しさはあるのですが、総じてこの家族はヘンテコだろうなと思いました(笑)。でもそれは、根底に愛情があるがゆえの独創性だと思うんです。だから温かく感じられるんじゃないかな。
二宮 自分の生きざまが映し出されるわけじゃないですか。映画として観られるものなんですか。
浅田 埋もれていた家族の思い出がよみがえってきた感じです。それに、兄役の妻夫木聡さんが怒鳴るシーンではビクッとしましたね。あまりにも似ていたので、本当に自分が怒られている気がして。
二宮 家族のかたちに正解はないし、逆にいうとどれも正解なので演じる難しさはあるのですが、総じてこの家族はヘンテコだろうなと思いました(笑)。でもそれは、根底に愛情があるがゆえの独創性だと思うんです。だから温かく感じられるんじゃないかな。
―撮影前、二宮さんは浅田さん一家と会われたそうですね。

二宮 そうなんです。普通、息子や娘って、父親か母親のどちらかに愛情が深くなっていくと思うんです。でも、浅田さんはご両親への愛情が等しかった。それがすごく不思議で。同時に、浅田さんの人を引きつける力はここから生まれているのだと納得しました。人に優劣をつけないから、相手も心を開いて話せるのだと。
浅田 そんな風に見てくださっていたとは。
二宮 演じるうえで気を付けたのは、浅田政志という写真家をきちんと伝えることでした。この人は、この先もっとすごくなっていく人。だから、すでに成功したように見えてしまうのは違うなと。僕らも浅田さんの続きを見たいですから。
浅田 そんな風に見てくださっていたとは。
二宮 演じるうえで気を付けたのは、浅田政志という写真家をきちんと伝えることでした。この人は、この先もっとすごくなっていく人。だから、すでに成功したように見えてしまうのは違うなと。僕らも浅田さんの続きを見たいですから。
写真は、明日を生きる力を与えてくれる
―映画では、写真集『浅田家』の家族写真が再現されています。浅田さんが撮影されたそうですね。

浅田 かなり似た写真が撮れました。当初、似せるつもりはなかったんです。でも、最初の消防士のシーンがオリジナルとほぼ同じ条件で撮影できたので、だったら少し寄せてみようと。そうしたら自分でも驚くほど似てきちゃって。それで2枚目以降はいかに似せるかだけを考えました。
二宮 ここまでくると、似ていないことが逆に気持ち悪く思えてくるんですよね。
浅田 そうそう。映画には東日本大震災の被災地も出てきます。当時、力になりたくて現地に行ったけど、僕なんか邪魔でしかない。でも、泥で汚れた写真をきれいにして持ち主に返している人に出会い、何げないスナップショットが被災者の励みになっていることを知りました。思い出を確かなものにしてくれる写真が、生きる力になっていたんです。ハッとしました。
二宮 わかる気がします。これまでに出演した戦争映画でも家族写真は希望の象徴でした。戦地で家族の写真を見て、またみんなに会うためにがんばろうと思う。それも写真の力なのかなと。
浅田 そういえば二宮さんは撮影の合間に、キャストやスタッフの皆さんを撮影していましたね。
二宮 楽しかったです。ほとんどお蔵入りになったけど、こういう現場があってもいいかなと。映画をより深く楽しむきっかけにしてもらえますしね
二宮 ここまでくると、似ていないことが逆に気持ち悪く思えてくるんですよね。
浅田 そうそう。映画には東日本大震災の被災地も出てきます。当時、力になりたくて現地に行ったけど、僕なんか邪魔でしかない。でも、泥で汚れた写真をきれいにして持ち主に返している人に出会い、何げないスナップショットが被災者の励みになっていることを知りました。思い出を確かなものにしてくれる写真が、生きる力になっていたんです。ハッとしました。
二宮 わかる気がします。これまでに出演した戦争映画でも家族写真は希望の象徴でした。戦地で家族の写真を見て、またみんなに会うためにがんばろうと思う。それも写真の力なのかなと。
浅田 そういえば二宮さんは撮影の合間に、キャストやスタッフの皆さんを撮影していましたね。
二宮 楽しかったです。ほとんどお蔵入りになったけど、こういう現場があってもいいかなと。映画をより深く楽しむきっかけにしてもらえますしね
映画「浅田家!」 大ヒット上映中

家族とは? 写真とは? 涙あり笑いありの感動ドラマ
全国東宝系にて公開中
原案:浅田政志『浅田家』『アルバムのチカラ』(赤々舎刊)
監督・脚本:中野量太『湯を沸かすほどの熱い愛』
https://asadake.jp
写真学校を卒業した後も、うだつが上がらない日々を過ごしていた浅田政志。ところが、家族を巻き込んで撮影したユニークなコスプレ写真がヒットし、全国から家族写真の依頼が舞い込むようになる。その矢先に東日本大震災が発生。家族とは何か、写真とは何か──。家族を撮り続ける写真家の浅田政志と、彼を支え続けた家族の感動実話。主役を演じるのは、二宮和也。他にも、妻夫木聡(兄)、平田満(父)、風吹ジュン(母)、黒木華(恋人)と、豪華キャストがそろう。
オンライン配信中!
浅田政志×二宮和也 写真展「浅田家!」
浅田政志×二宮和也 写真展「浅田家!」

映画の原案となった写真集『浅田家』のコスプレ家族写真と、キャストによる再現写真を展示。二宮和也さんによる音声ガイドやオフショット写真30点も視聴できる。期間 10月31日(土)まで
https://asadake-gallery.jp/
あさだ・まさし/1979年生まれ。日本写真映像専門学校研究科を卒業。2008年に発表した写真集『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。国内外で個展やアートプロジェクトを開催するかたわら、全国の家族写真を撮り続けている。
にのみや・かずなり/1983年生まれ。アイドルグループ「嵐」として活動をしながら映画やドラマに出演。俳優としても高く評価されている。2006年にはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』でハリウッド進出を果たした。
©2020「浅田家!」製作委員会
https://asadake-gallery.jp/
あさだ・まさし/1979年生まれ。日本写真映像専門学校研究科を卒業。2008年に発表した写真集『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。国内外で個展やアートプロジェクトを開催するかたわら、全国の家族写真を撮り続けている。
にのみや・かずなり/1983年生まれ。アイドルグループ「嵐」として活動をしながら映画やドラマに出演。俳優としても高く評価されている。2006年にはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』でハリウッド進出を果たした。
©2020「浅田家!」製作委員会