MENU CLOSE

コラム

春到来!飲みすぎて倒れる前に考える「お酒との上手な付き合い方」

PR by 集英社

目次

幸か不幸か、私の父は様々な面ですばらしい反面教師だった。色々困った人で、飲酒についてもしかり。お酒の飲みすぎで体を壊し、60歳手前でこの世を去った。子どもの頃から父のようにはなりたくないと思っているせいか、お酒にまつわる失敗談はほとんどない。元々、そんなにお酒に強い方でもなく、安い缶チューハイで頭痛を起こし、飲み会では酔っぱらう前に満腹になり、介抱係を担当することが多い。

その点からすると、父の様に思いっきり自由にアルコールライフを楽しんでいる人を羨ましく思うこともある。しかし、それがいきすぎてアルコール依存症に陥ってしまえば、ある日を境に一切のお酒を断って生き延びるか、好きに飲み続けて死を待つかの2択を迫られる。言うまでもなく、父は後者を選んだ。

しかし、父は決して珍しい存在だったわけではない。ひと昔前までは、父と同じような道を辿る人は、意外と多かったのだ。

もしかしてあなたも!?「アルコール依存症中予備軍」が増えている

幼い頃は、父をはじめとする「アル中」のおじさんを見かけることは度々あったが、現在、そうした典型的な「酔っぱらい」を見かけることは少なくなった。もちろん、繁華街などにはまだ生息しているのだろうが。

しかし、あなたの周りにも「飲まなければいい人なのに」と思う人はいないだろうか。彼らは仕事の打ち上げ、友人主宰の飲み会、出会いの場など、色々な場所に潜んでいる。楽しく飲んでいたのに、急に説教しだしたり、ケンカをふっかけてきたり、セクハラ行為をしてきたり、普段の人物像からは想像できないイヤな一面を出してくる。そんな「飲まなければいい人なのに」の正体は、もしかしたら「アルコール依存症予備軍(プレアルコホリック)」かもしれない。

ここで簡単なチェックテストをしてみよう。

『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』から
『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』から

あなたは、11個中何個が当てはまりましたか?
3つ? 5つ? 7つ?
実はこれ、1つでも当てはまれば、お酒の飲み方に注意が必要なのだ。

このチェックリストは、20年近くアルコール依存症治療の現場を見てきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏が独自に作成したもの。自分自身が当てはまらなかったとしても、家族や親しい友人に当てはまる質問があったのではないだろうか?

そう、あなたが気づいていないだけで、アルコール依存症予備軍は、意外と身近な存在なのだ。

実際に、若年層のアルコール依存症予備軍・アルコール依存症患者は、どちらも年々増えているそう。また、共働きに加えて育児や介護の負担が偏りがちな女性ほど、隠れアルコール依存症に陥りやすいという傾向も。中年おじさん・専業主婦の「キッチンドリンカー」といったイメージは過去のもので、アルコール依存症予備軍・アルコール依存症は、お酒を飲む人なら誰でも陥る可能性のある現代病なのだ。

予備軍増加の原因は人気爆発中の「〇〇〇〇〇缶」⁉

近年のアルコール依存症予備軍増加の後押しをしたと言われるのが、性別年齢問わず幅広い層から人気を集めているストロング系チューハイ。コンビニやスーパーなどで安く購入できて種類も豊富。お金をかけずに酔いたい人にはうってつけだ。おいしく、安く、たくさん飲めて、すぐに酔えるストロング系チューハイが人気なのはよくわかる。消費者のニーズを満たすべく誕生した、企業努力の賜物と言っても過言ではないだろう。

家で飲む機会も増えているため、ストロング系チューハイの登場率は高いだろう。卒業・入学・入社など、春は飲む機会が多い季節なので、すでにこれらの予定で、スケジュール帳が埋まっている人もいるはず。

だからこそ、知ってほしい。

一般的な成人男性が健康に問題を起こすリスクがあるとされる純アルコール量は、1日40gと言われている。女性は半分の1日20g。アルコール度数9%のストロング系チューハイ500㎖1本中には、純アルコール量が36gも含まれている。2本飲みほした時点で、男性の1日の規定量の倍近いアルコール量になる。これを連日続けていれば、アルコール依存症予備軍へ直行だ。

お酒好きに朗報! 新しい治療法「減酒」

もし、自身にアルコール依存症・アルコール依存症予備軍の気があると思ったら、すぐに専門医を受診しよう。訪ねるのは「減酒外来」。ここは、生きるか死ぬかを選択するような「お酒なしではいられない人」が通うものではなく、「お酒の飲みすぎで自分の体が心配な人」が通うものだ。また、ここではいきなり「お酒を断つ」治療法を行うのではなく、「お酒が原因で起こっている問題」に目を向けて、「それを解決するためにお酒を減らす」ことを目的としている。

そのアプローチ方法は様々で、日々の飲酒量のレコーディングや、減酒薬の処方、認知行動療法や自助グループの紹介など多岐にわたる。カウンセリングによる患者との対話を重視し、患者が解決したいと思っている問題に目を向けることで、徐々にお酒による悪影響を減らしていくことを目指すというものだ。

「減酒外来」でインターネット検索すると、東京をはじめとする複数県のクリニックがヒットする。禁煙ブームの到来で「禁煙外来」が一気に普及したように、「減酒外来」も、従来の「アル中」像のハードなイメージを払拭し、身近な健康問題として注目されつつあるのだ。

しかし、いきなり「減酒外来」に通うことには抵抗がある人もいるだろう。そんな場合は、前述した精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏の著書『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』を読んでみてほしい。子育て中の主婦、定年退職後の男性、若年層のアルコール問題など、身近な症例を紹介しつつ、日本の飲酒文化を取り巻く状況や、具体的な治療内容について、また、アルコール依存症から回復した当事者の体験談などもまとめられている。

花見に歓送迎会etc...
春は飲み会の多い季節。

アルコール依存症・アルコール依存症予備軍の心配がある人も、そうでない人も、本書を通じて、お酒との健康的な付き合い方を考えてみてはいかがだろうか?

文・安倍川モチ子

『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』斉藤章佳著 1300円+税
『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』
斉藤章佳著 1300円+税
CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます