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自分の“好き”も、誰かの“好き”も全肯定した方が絶対いい

PR by 東京都生活文化局

目次

「やばい」「すごい!」「かわいい」。歌手・タレントとして活躍する中川翔子さんのTwitterは、毎日大好きなものへの賛辞で埋め尽くされています。思えばしょこたんがブレイクしたのは、10年以上前にブログで一日に何度も叫び続けた好きなものへの深すぎる愛の言葉の数々がきっかけでした。
昔も今も変わらず全力の“好き”を発信し続ける中川さんに、好きを貫いたことでたどり着いた境地について伺いました。
 

好きなものは年々増えていく

——中川さんには好きなものがたくさんありますが、一番好きなものはなんですか?
 
歌うことと絵を描くこと、ゲーム、猫。この四つは子どもの頃からの柱で、絶対にぶれないですね。特に猫は、好きが高じて捨て猫の保護活動をしたり、愛猫をモチーフにしたアパレルブランドを展開したりと、自分の世界を広げるきっかけにもなっています。
 
20代までは興味のあるなしがハッキリしていたんですが、最近は「やってみたらおもしろいかも?」と挑戦してみることが増えてきました。自分の四本の柱の周りに、新たな好きなものがビルドアップされていくような感覚です。
 
——たとえばどんなことに興味を持つようになったのでしょうか。
 
去年はお友達に薦められて車の免許もとったし、麻雀も始めたし、30代にして初めてプライベートで友達と海に行って水着を着ました。中学時代にいじめられた経験が長く尾を引いて、18歳まですごく暗かったんですけど、当時できなかったことを大人になってからやるのが、すごく楽しい。何をするにも遅すぎることはないんだなと実感しています。今度、まさかのスノーボードにも行くんです。スノボなんて “陽キャ”の人たちのもので、自分の今生ではありえないと思っていたのに。
 
好きなことがたくさんあるって、いいですよ。大人になっても落ち込むことはありますが、「わー、楽しかった!」という記憶が全部上書きしてくれますから。

好きなことを続けるのは大変?

——ますます好きなものに貪欲になってきた今、やりたいことが多すぎて時間が足りないと感じることはないですか?
 
忙しいのにめちゃくちゃゲームをやっている先輩とか、足が折れているのに2日間コミケに行っちゃう知人とか、私の周りは強者ばかりだから、自分なんてまだまだ時間に余裕があるなって思います。好きなことをするには時間よりもむしろ、誰かに自分の“好き”を否定されないことの方が大切です。
 
学生時代、友達との会話に上手くのれなかった私は、周りから浮いていました。ただ教室で好きな絵を描いているだけなのに、「キモいんだけど」って陰口が聞こえるたび、上手く息が吸えなくなってとても苦しかったです。
 
だから部活にも入らず、ただちに家に帰ってネットをしていたんですが、ネットの世界には大人なのに特撮が大好きな人が普通にいて、「私だけじゃないじゃん!」って救われました。
 
——誰かの“好き”が、中川さんの気持ちを少し軽くしてくれたんですね。
 
でもやっぱり同級生には言えなくて、初めて好きなものを公言したのは18歳で始めたブログの中でのことでした。当時は仕事もなくて、まさにどん底。せめて生きている証を残したいと『本当はアニメが好きだし! コスプレしたいし! マンガも! メイクも! 猫も大好き!! うわぁぁぁ〜!!』と、今のTwitterみたいな感覚で1日に何十回も更新しました。
 
感情がのると言葉にも熱が宿るのか、びっくりするほど共感の声をいただきました。いまだに「あのころ夜中に更新してくれていたから、自分は一人ぼっちじゃないと思えた」と10年以上も前のブログの感想を言ってくださる人もいて、すごくうれしいです。以来、また息が吸えるようになりました。

自分の好きなことが誰かの役に立つのがうれしい

——自分の言葉が誰かの心に響いたという経験は、お仕事を続けていく上でも何かしらの心境の変化をもたらしましたか?
 
10代、20代の頃はひたすら自分がしたいことを実現させていくだけでしたけど、今は私の歌で子どもたちが笑顔になったり、誰かの夢のきっかけになれたりすることが最高にうれしい。人の役に立つことが、仕事の一番のモチベーションになっています。
 
先日、とある番組で3日間だけ高校生に戻って学校生活を送るという経験をしたんですが、そこで出会った男の子がたまたま私の本(『「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない』)を読んでくれていて。
 
中学生の私がキモいって言われても好きなことを貫いて、大人になってこの本を書き上げて、それが自分と同じように好きなものを否定されて傷ついている子の元にたどりついた。もうそれだけでこれまでの自分の人生が報われたし、今日まで生きてきてよかったと思えました。
 
——私たちが誰かの役に立ちたいと考えたときに、すぐに実行できそうなことがあれば教えてください。
 
今年アカデミー賞をとった『パラサイト 半地下の家族』という映画に、自分がすごいと思った人に「リスペクト!」って言いまくるおじさんが出てくるんですけど、私それ最高だなって思ってて!
 
今はみんなSNSのアカウントを持っていると思うので、ゲーム感覚で友達のすごいところや自分がいいと思ったものをあらゆる角度から褒めまくってみてほしいです。裏アカウントで悪口を書くよりも、みんな絶対楽しい気持ちになれますよ。
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「とにかく誉めまくる」「ポジティブなメッセージを発信し続ける」など、誰かの役に立つ方法はいろいろありますが、あなたの「好き」もボランティアにつながるかもしれません。
 
東京ボランティアポータルでは、中川さんはじめ色々な人の「好き」「気になる」がボランティアにつながるエピソードを紹介しています。→東京ボランティアポータル
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中川 翔子(なかがわ しょうこ)
1985年生まれ、東京都出身。
歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「東京2020組織委員会マスコット審査会」メンバーとしてマスコット選定に携わり、東京都で聖火ランナーも務めることが決定。
また、2025年日本国際博覧会に向けた「万博誘致スペシャルサポーター」としても活動している。
2019年夏には、自身の経験を元に書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)を出版。以降は多数の講演会等に登壇し、多様化するいじめ問題に取り組んでいる。
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