お金と仕事
奥が深すぎ!カラー新聞の世界 印刷工場の社員が明かす究極の美学とは
PR by 朝日プリンテック
図書館に行ったら、昔の新聞と今の新聞を見比べてみてください。くっきりとした美しいカラー写真。にじみのない、はっきりとした文字……。日頃、当たり前のように目にする新聞ですが、昔のものと見比べると、その美しさには目を見張るものがあります。新聞の奥深さは記事だけではありません。より高品質の紙面を届けようと、技術を磨き続けてきた印刷会社の「美学」が隠されているのです。朝日プリンテックの社員6人の働く姿から、その裏舞台をのぞいてみました。
まず驚くのはカラー印刷の奥深さです。新聞の紙は季節や天気によって張り具合が変わるため、インクと混ぜる水の量を微妙に調整するのだそうです。
川崎工場(神奈川県)の製作部統括リーダー・富田鉄五郎さんによると、紙に色を載せるのが最も難しいのはグレーだといいます。赤でも青でもなく、地味なグレー? だが、あなどるなかれ。4色のかけあわせで、「黒っぽいグレー」や「白に近いグレー」を表現するのが難しいのです。「でも、試行錯誤すればするほど結果が変わるので面白いですね」と富田さん。微妙な色使いにこそ、細部へのこだわりが大切なのですね。
川崎工場には、新聞など大量印刷をする「輪転機」が五セットあり、それぞれの機械の「性格」を把握するのも富田さんたちの仕事です。「最初は、先輩にいろいろ言われてもちんぷんかんぷんでした。でも経験を積んで技術が上がってくると、ああ、これを教えてくれていたのかとわかるんです。今では感謝、感謝ですよ」 。これぞ職人技です!
新聞印刷は、時間との闘いでもあります。読者への配達が遅れないように、悪天候や、輸送の交通状況などを把握し、印刷開始からトラックに新聞の束が荷積みを終えるタイミングまで綿密に「戦略」を立てています。
阪神工場(兵庫県)の製作部・山本翠さんは、日々そんな闘いの最前線で働いています。「工場からトラックが出る時間や販売所さまに新聞を届ける時間は厳密に決まっているので、時間の管理にはいつも細心の注意を払っています」。輪転機のトラブルに備えて、他の機械で印刷のカバーができる体制を整えておくことも大切な仕事。すぐに二の矢、三の矢を放てるよう、現場は常に臨戦態勢です。
緊張感の連続でも、「やりがいは大きい」と山本さん。この仕事に就いてから以前よりもロジカルに考えるクセがついたといいます。「結果がよくても悪くても、そこには必ず原因があり、過程が影響しているはずなんです」。仕事の中で気付いたことや、失敗したことは、胸ポケットに入れている小さなノートに書き留めることを欠かしません。入社10年以上の経験があっても初心を忘れない姿勢が現れていました。
朝日プリンテックでは、新聞以外の印刷物もたくさん印刷しています。話を聞けば、その技術はまさに日進月歩なのです。
海老江センター(大阪府)で働く鹿田英美さんは、この道30年のベテラン。新聞印刷の技術は、活版からデジタルへと変遷する過程を当事者として体験してきました。今年5月にはさらにシステムが新しくなり、さらに品質が上がるそうです。「今まで以上に速く正確に、高品質の印刷物をお届けできるようになるはずです。お客様やクリエーターが本当に表現したいものをより実現しやすくなっています」。
子どもの頃はプラモデルに夢中だったという鹿田さん。「自分の手でモノを作るのが好きなんですね。凝り性というのか、納得がいくまで完成度を上げたくなってしまうんです」と少年のような笑顔を見せてくれました。でも、完璧主義のベテランは後輩への指導が厳しそう……。と思いきや「厳しい言葉で追い込むようなことはしません。私が慕われる先輩であれば自然にまねをするだろうし、ついてきてくれると思うんですね」。仕事の奥が深ければ、ベテランの懐も深いのですね。
デジタル化が進む時代にありますが、印刷技術も負けてはいません。最新の印刷技術を使えば、160センチ以上のパノラマ印刷で、一枚一枚の図柄を変えて刷ることだってできるのです。これはデジタルではなかなか表現できない世界! そんな魅力に惹かれて、朝日プリンテックには、ポスターや冊子、リーフレットなど、さまざまな印刷の依頼が入ってきます。
「新聞印刷という得意分野を持った上で、多種多様な印刷物にもチャレンジできる。そこが我が社の強みであり、将来性を感じるところですね」。東京本社営業部の主任・飯田智さんはそう言って胸を張ります。デジタル印刷機を使えば、ニーズに応じて少ない枚数でも効率良く印刷ができるのだそうです。
飯田さんは今、劣化した印刷機のゴムローラーを新品のようによみがえらせる「ローラ再生装置」の販売にも力を入れています。朝日プリンテックと朝日新聞社が共同で開発した装置で、コスト削減と環境負荷の改善が期待されています。「紙媒体は縮小傾向にあると思われがちですが、高精細で美しい印刷物の価値は変わりません。やりがいのある分野です」。その心意気、かっこよすぎです。
「木を見て森を見ず」という言葉があるように、朝日プリンテックの高品質は「現場を支える現場」があってこそ。朝日プリンテックの総務部・髙村晶子さんの話を聞いているとそんな思いがしました。
印刷の現場担当として女性で初めて入社した髙村さんは、出産を機に現場を離れ、現在は2人の育児をしながら給与計算や社会保険の手続き、社員のストレスチェックなどを担当しています。「就業の制度を整え、社員みんなが健康的に働ける環境を作る。ひいてはそれが印刷物の品質を保ち、お客様のためになると思うんです」と語ります。
大切なのはメリハリ。髙村さん自身も、時短勤務制度などを活用しながら、学ぶことが多いという総務の業務をこなしています。「新聞を発行することは社会的にすごく大事なこと。待っている読者の方もいます。だからこそ現場は団結力が強く、印刷品質へのこだわりがすごい。私はそんな雰囲気が好きなんです」。柔らかな物腰の中に芯の強さを感じました。
朝日プリンテックで活躍する女性は髙村さんだけではありません。経理部の亀田望未さんは、資金運用の選択など、責任のある仕事を担当しています。「大きな金額を動かしている実感があります。その分、決算が終わった時は全身が軽くなるほどの解放感です」
亀田さんも2歳8カ月の長男を育てながらの時短勤務中。「毎日効率を考えて動き、時短でも活躍できることを後輩に示したい」と働く女性の道を切り開いています。
亀田さんと新聞印刷の絆は、家族との思い出の中にもあります。父親が生まれた日の新聞各紙を買い集めてアルバムに貼ってくれていたのだそうです。「当時の新聞は活字が今より小さくて、写真も粗いのですが、見るたびに父の喜びを感じます。紙の印刷には、インターネット上のデジタル記事にはない、重ねた時間の味わいがあります」
奥が深いカラー技術、懐の深いベテラン社員、デジタルに負けない情熱、心がほっこり温かくなるような優しさ……。目には見えないけれど、新聞印刷の美しさを支えているのは、読者を思いながら汗を流す人たちの姿でした。