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コラム

サッカー長友「若いとき以上」の秘訣は「脂質」 MCTオイルに注目

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(写真右)長友佑都さん。プロサッカー選手、ガラタサライSK所属
(左)寺田新さん。東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系准教授
(写真右)長友佑都さん。プロサッカー選手、ガラタサライSK所属
(左)寺田新さん。東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系准教授

目次

「僕はいま、若いとき以上に良いコンディションで戦えています」――そう公言するのが、所属するトルコ・ガラタサライSKで活躍するサッカー選手、長友佑都さん。

現在33歳ですが、本人は現在、若いとき以上のコンディションを実感しているというのです。その理由は「食事法」。長友さんは脂質がエネルギーとして使いやすくなる体にする食事法「ファットアダプテーション」を実践しています。

三大栄養素の一つ、「脂質」をスポーツでどう活用するのかについては、研究者も注目するところ。東京大学大学院でスポーツ栄養学を研究する寺田新准教授も、その一人です。

二人が注目するのは、脂質の中でもMCT(中鎖脂肪酸油)。トップアスリートのパフォーマンス向上ばかりでなく、日常の暮らしでも健康に役立つ可能性が明らかになりつつあるそのメリットについて、語り合いました。

脂質がエネルギーとして使いやすくなる体にするために


長友さん: 僕のポジション、サイドバックは攻撃にも行くし、守備にも戻らないといけない。特に運動量が求められます。

僕は今年で33歳になります。疲労やケガからのリカバリーがどうしても難しくなってきますが、今後も世界で戦える選手として生き残りたい。そこで食事を考えるようになりました。

寺田さん: 運動中の主なエネルギー源には糖質と脂質がありますが、それぞれ特徴があります。糖質をエネルギーにすると、短距離走のように瞬発的な運動に適しているけれど、体内に蓄えられる量は少ないから枯渇しやすい。一方、脂質は持久走のように長時間の運動の際にエネルギーとして使われ、体内に大量に蓄えられています。ですから、その脂肪をいかに有効に活用するかが長時間の運動時に重要になってきます。

サッカー選⼿はダッシュもしなければいけないし、⻑時間⾛れなければいけないとなると、状況に応じて脂肪も使えて糖も使えないといけない。

長友さん: 90分の試合中、全部ダッシュすることはできないし、ダッシュしている回数はそこまで多くない。脂質をエネルギーとしたパワーを使えると、90分いい状態というか、バテない体ができるのではと思っています。感覚的に今のファットアダプトな食事法に出会ってからすごくいい状態なんです。

寺田さん:持久的なトレーニングによって脂肪の利用が高まり、長時間運動時のパフォーマンスが向上することは知られています。同じように、体が脂肪をエネルギー源として使いやすくするために、食事からの脂質の摂取を増やす方法、これをファットアダプテーションといいます。

MCT(中鎖脂肪酸油)を活用したファットアダプテーション


寺田さん:これまでのファットアダプテーションは、糖質を極端に減らして脂質を増やすことで、食事の脂質エネルギーの比率を70〜80%まで高めるものでした。しかし、ここまで極端に脂質を高めると、肝心な時に糖が使えない体になるデメリットが知られています。その点、長友選手の場合はマイルドなファットアダプテーションなのだろうなという印象です。長友選手の食事法は、重量比で糖質3 :脂質4 :たんぱく質3ですよね?(重量比であり、脂質のエネルギー比率は50〜60%)

長友さん:そうです。実は、糖質をゼロにする食事を試したこともあるんです。でも、体がどんどん痩せていって、練習の時からエネルギー不足を感じる状態。これは自分に合っていないなと。

寺田さん:サッカー選手では、長時間運動中に脂質をエネルギー源として使いながらも、状況に応じて糖質を上手に使う必要があります。他の競技でも有効かどうかはまだ分かりませんが、サッカー選手にとっては理にかなった食事であるかもしれません。

寺田さん:長友さんは具体的にはどのような食事をされていますか?

長友さん:血糖値のコントロールとともに、肉や魚のたんぱく質と、そこに含まれる脂質をしっかりとることを大事にしています。オリーブオイルやアマニ油、MCTオイル(※)といった良質な食用油も意識してとっています。

※Medium Chain Triglycerides=中鎖脂肪酸油。一般的な油より脂肪酸の長さが短いので、素早く消化吸収され、エネルギーとして消費されやすい。ココナッツやパームフルーツに多く含まれるほか、人の母乳や牛乳などにも含まれている。

MCTオイルはスムージーに混ぜたり、野菜にかけたりしています。ゼリータイプもよく食べていますね。MCT1本で6g、だいたい2本くらいですかね。多いと3本食べます。おいしいですよ。

寺田さん:MCTは消化吸収が速く、エネルギーとして消費されやすいので、体に脂肪がつきにくいというデータがあります。

また、先ほどお話したような極端なファットアダプテーションをすると、脂質をエネルギーとして使いやすい体になる半面、糖が使いにくくなってしまうデメリットがありますが、MCTオイルにはそうしたデメリットを減らせるかもしれないという研究結果が得られつつあります。

研究広がるMCTのメリット。日常生活や高齢者にも


寺田さん:長友選手のようなトップアスリートだけでなく、体に脂肪がつきにくい点は日常生活においてもメリットです。また、MCTの摂取により高齢者の筋力や筋量の低下を予防できそうな可能性が最近の研究で示されています。アルツハイマー型認知症の予防や改善につながる可能性も報告されています。

長友さん:僕、昔からトレーニングはストイックにやっていたのですが、以前は食事にはアプローチしていなくて。それが食事を見直して、ケガが減ったということを含めて本当に自分の体がよくなっていったんです。これをきっかけに、食事の大切さをスポーツ選手だけでなく、広くたくさんのみなさんに知ってほしいと、SNSや著書で発信し始めました。

寺田さん:スポーツにおける食事の重要性って、私たち研究者が訴えてもなかなか気づいてくれないことが多いです。長友選手のようなトップアスリートの方から、「食事によっても体を大きく変えられる」という発信があると、日本のスポーツ界全体にいい効果が波及していくと思います。

長友さん:僕はピッチの中の結果がすべてです。このような食事の工夫をしっかりと結果につなげられるように、MCTオイルを使ったマイルドなファットアダプテーションの食事で自分をアップデートしていきたいと思いますね。自分のやっていることが本当に正しいか、エビデンス(証拠)の裏付けが出てきたら、もっと説得力が増すなって思います。

寺田さん:がんばります(笑)。それが、私たち研究者の仕事なので。

積極的に良い脂質をとることで、体脂肪を燃えやすい状態にする食事法。「ファットアダプテーション」。MCTオイルのように、食事に取り入れやすい油も発売される中、これからはスポーツや健康的な生活のために「いいアブラを適切な量とる」ことが当たり前になるかもしれません。

(文・構成:長谷川賢人)
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