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2018年08月03日

狂おしく美しく、伝説の舞台を蘇らせる深津絵里の志

  • 提供:ぴあ

撮影:源賀津己

撮影:源賀津己

上演を重ねてきた野田秀樹作・演出『贋作 桜の森の満開の下』。
5度目となる今回は、日仏連携による「ジャポニスム2018」の公式プログラムとしてパリ公演も敢行されるなど、新たな試みも待っている。
2001年の公演に続き、2度目となる夜長姫を演じるのは、深津絵里。
1989年の初演から常に上演を熱望され続けている作品の魅力と意気込みを語った。

撮影:源賀津己

撮影:源賀津己

(プロフィール)
ふかつえり●1988年に映画デビュー。おもな出演作は、映画『ステキな金縛り』『岸辺の旅』、ドラマ『踊る大捜査線』『恋ノチカラ』、舞台『春琴』『Eternal Chikamatsu』など。野田作品は、本作のほか、『キル』『半神』『農業少女』『走れメルス』『エッグ』に出演。

上演を重ねてきた野田秀樹作・演出『贋作 桜の森の満開の下』。

 目撃できたことが至上の喜びとなる伝説の舞台がある。野田秀樹作・演出『贋作 桜の森の満開の下』は間違いなくその一作だろう。1989年、劇団夢の遊眠社での初演に始まり、’92年、2001年とこれまでに2度再演を重ねてきたそれは、歌舞伎として生まれ変わった昨年の納涼歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』が熱狂のうちに幕を閉じたことでも、伝説ぶりを証明した。

2001年の公演に続き、2度目となる夜長姫を演じるのは、深津絵里。

 いったい何が見る者の心を奪うのか。’01年版に続いて出演することになった深津絵里は、こんな興味深い話をする。
「17年前のことは、ほとんど記憶がないんです(笑)。ただ『本当に美しい舞台だった』という感想をたくさんいただいたことは覚えています。美しいという要素は野田さんの舞台には必ずあるものですが、この作品はとくに、美しさの純度が高い気がします。そして恐ろしい。毎年同じように桜が咲いて散っていくことに、毎年同じようにはっとするあの感覚。あの感覚って、言葉にもできないし表現しようもないんですけれど、それでも誰もがあの儚さを美しく恐ろしいと感じる。そして、また見たいと願ってしまう。その感覚がこの舞台と共通していることなのかなと思います」

1989年の初演から常に上演を熱望され続けている作品の魅力と意気込み。

 坂口安吾の『桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』を下敷きに、野田独自の言葉遊びをふんだんに織り交ぜて、人間と鬼が混在する幻想と狂気の世界を描く作品で、深津が演じるのは前回と同じ、主人公の純粋な耳男(妻夫木聡)を振り回す残酷な夜長姫だ。幼児性と悪女が混在する難役に再びチャレンジすることになる。
「17年経って、耳男は変わるのに夜長姫が同じでいいのかなあ、もっとフレッシュな方のほうがいいんじゃないかとずいぶん迷いました。でも、きっと野田さんなりの作戦があるのではないかと(笑)。あるとき、野田さんが新作のつもりで臨みたいとおっしゃっていて、それならば、その言葉を信じて、ついていこうと思ったんです」

 決意を促したものはほかにもある。昨年の歌舞伎版を観劇し、夜長姫を演じた中村七之助と話したことは、なかでも大きい。
「夜長姫のせりふを全て覚えているわけじゃないんですが、拝見しているときに、七之助さんと同じように呼吸している自分がいて、つながっているような感じがしたんです。それを七之助さんにお話ししたら、『先人たちから古典を教わっている僕たちは、いつもそういう体験をしているんですよ』とおっしゃって。あぁそうか、歌舞伎はそうやって何百年もつながって、それを力にしてきたんだ。これはすごい!その時、何度もやる意味や面白さがあるのかもしれないと思えたんです。そしてその想いが、次の夜長姫につながっていったらうれしいなあ」

 今は本稽古に向かうためのワークショップの最中だ。そこですでに新たな体験もしている。
「今回は“見立て”の演出をするということで、ひとつのものを使って、考えられる限りの表現を探すということをやっています。自由な発想で何をやってもいい。夜長じゃなく鬼の視点で考えることもできるので、本当に面白いですね。この貴重な時間で見えてきたことを力にして、野田さんから紡ぎ出された美しい言葉を、いくつもの意味を孕んでいるせりふを、大切にして、丁寧に夜長姫を演じたいと思っています」
 伝説がまた新たな伝説となるのはまもなく。ちなみに伝説を作るのは観客だ。作り手と観客がともに演劇をつないでいく。(大内弓子)

【タイトル】
NODA・MAP第22回公演 『贋作 桜の森の満開の下』

坂口安吾作品集より
【作・演出】野田秀樹
【出演】
妻夫木聡 深津絵里 天海祐希 古田新太
秋山菜津子 大倉孝二 藤井隆 村岡希美
門脇麦 池田成志 銀粉蝶 野田秀樹

【日程など】
■日程・会場:
<東京公演>
9月1日(土)~9月12日(水)
11月3日(土・祝)~11月25日(日)
東京芸術劇場プレイハウス
<大阪公演>
10月13日(土)~10月21日(日)
新歌舞伎座

■料金:
S席-10,000円 A席-8,000円 サイドシート-5,500円 
サイドシート25歳以下 -3,000円 ※来場時25歳以下対象、当日要身分証
※ 未就学児童は入場不可。サイドシートは客席の都合上、舞台が見えづらい可能性がございます。
<公演の問い合わせ先> NODA・MAP TEL:03-6802-6681

【チケット情報】
■チケット一般発売:7月28日(土)10:00~
■初日特電:<東京公演> 0570-02-9920 <大阪公演>0570-02-9930
■発売日2日目以降:0570-02-9999
     (Pコード:<東京公演>485-733 <大阪公演>485-736)

●URL受付:http://w.pia.jp/t/sakuranomori/

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