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エンタメ

ベストセラーから垣間見える社会と心

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目次

吾輩は猫である。名前はマダニャイ。本と映画のヒットを紹介するニャ!

マダニャイ(朝日新聞オリジナルキャラクター)
マダニャイ(朝日新聞オリジナルキャラクター)
紀伊国屋書店新宿本店東二町順也さん
紀伊国屋書店新宿本店
東二町順也さん

人生100年時代に必要とされる本とは

「2017年年間ベストセラー」で総合1位となった佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』(小学館)は、2016年の夏に発売された本ですが、今年も順調に売れ続けました。日常のあれこれをストレートにぶつけたり毒づいたりしている佐藤節が多くの人の心を捉えたのでしょう。中高年の方々の共感を呼ぶとともに、子どもが手にしたり、読んで元気をもらったから友人にプレゼントしたりするなど、幅広い世代に届いた一冊です。
 総合15位『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)やビジネス書部門10位の『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)など、売れた本のランキングには、社会の高齢化が顕著に見て取れます。相続関連の本や定年後の生き方の指南本などの本が売れることからも、本は時代を映すものだと実感しています。

気軽に楽しく読んで学びたい欲求を満たす

『日本一楽しい漢字ドリル うんこかん字ドリル(小学1年生・小学2年生)』『日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル(小学3年生~6年生)』(文響社)も大きな話題でした。すべての例文に「うんこ」を入れる奇抜な手法で子どもの心をわしづかみにしたのでしょう。笑いと学びがどう結びつくのか、興味深く見守りたいと思います。『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(高橋書店)の売れ行きも好調でした。進化の過程で「生きづらそう」「なんか残念」と思われる姿になったり能力を身につけたりした動物たちを取り上げた本書は、クスリと笑えて人に話したくなるネタが満載です。続編とともに『せつない動物図鑑』(ダイヤモンド社)や『泣けるいきもの図鑑』(学研プラス)なども出ており、動物ブームなのかもしれません。
 ランキングには入っていませんが、1937年に新潮社から出版された吉野源三郎『君たちはどう生きるか』が80年後となる今年『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)となって出版されました。このヒットも今年から来年へと続くトピックスになるでしょう。未来に希望が持てるような本が出版され、2018年のヒットとなることを期待したいです。(談)
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