スマホの撮影モードを巧みに操り、独自の写真映像の文化を牽引する日本の女子高生たち。彼女たちがプロも使用する高性能デジタルカメラを使って「日本の自然」をテーマに写真を撮ったら、どんな作品になるのでしょうか――?
全国大会への出場など、活発な活動で知られる東京・トキワ松学園高等学校写真部。withnews編集部はそんな彼女たちの部活に潜入。この日は「日本の自然」をテーマにした作品の講評会が行われ、乃木坂46「ハルジオンが咲く頃」のジャケ写で知られる写真家の小野啓さんや全日本写真連盟の勝又ひろしさんもオブザーバーとして参加していました。
「カッコいい!」「ちょっと死神っぽくない?」 そんな声が聞こえてきたのは、公園のカラスをとらえた1年生の工藤さんの写真が発表された時。特殊な撮影モードで全体的に青っぽく仕上げ、この世ならざるものにも見えてしまうような、高校生ならではの印象的な作品です。
「動きがあるはずなのに、なんでか静かな作品に見えるところがすごいね。全体の青い色味と白っぽい幹の色が相まって本当にきれい」(小野さん)
「野生の生物をビシッと写すのはプロでも難しいけれど、羽根の細かいディテールまではっきり捉えられている。どこか不気味さを感じる作品からは物語性も感じられて完成度が高い」(勝又さん)などプロも感嘆しきりでした。
同じく1年生の石川さんは、緑道で出会ったカモの表情にフォーカスした写真を発表。
「構図がいいね。手前のピンク色にぼけた植物や奥の白く反射した水面がうまくハマっていてとてもきれい。だめだしするところが全くない!」(小野さん)
「鳥の目ってどこか不気味だと言われるけど、そのカモの不気味な目にピントが合っているところと、手前のぼけた草花の雰囲気にギャップがある。それが作品全体の深みにつながっている」(勝又さん)。
ほかにも、公園や街角の植物、富士山、神社仏閣などテーマに沿った風景を独自の構図で捉えた作品や、自分にとっての自然って何だっけ?と自然を再定義し、身近にいる友達や近所の猫を撮った作品もありました。ふだんはポートレートを撮ることが多いという彼女たち。「日本の自然」というテーマのもとでは、カメラのファインダー越しに見える風景や瞬間は、いつもとはちょっと違って写ったようです。
実は今回部員たちが使ったカメラは、ソニーマーケティングさんが用意したフルサイズデジタル一眼カメラ、α7シリーズ。暗闇でも見える高感度性能を誇る「α7S」、約3640万画素もの高解像度で息をのむ質感を再現する「α7R」、本体内に高い手ブレ補正機能を持ち撮影シーンに自由度をもたらす「α7 II」と、広角から超望遠までを一台でカバーする、デジタルスチルカメラサイバーショットRXシリーズの「RX10 Ⅲ」の4種類。さらにα7シリーズに組み合わせるレンズとして、高い機動力と描写力を兼ね備えたEマウントの35mmフルサイズフォーマットのFEレンズであるSEL2470ZやSEL24240などが準備されました。部員たちはプロカメラマンも使っているハイスペックな機材の中から自分が試してみたいボディやレンズを選び、7日間の撮影に挑みました。
デジタル・高画質化が進む中で、特長の際立ったカメラの開発によって今までにない写真表現を提供すること、高画質の4Kテレビでデジタル写真の解像感をそのままに鑑賞するという、新しい写真の楽しみ方を提案しカメラファンのサポートを目指すソニーさん。今回のトキワ松学園高等学校写真部で行われた試みもその一環です。
「新しい技術を搭載したカメラだからこそ切り取れる景色があると思う。生徒さんたちが感じる『日本の自然』を今までにない表現方法で撮影してもらえたらうれしいと思った」と、ソニーマーケティングの大島健介さんは語ります。
ソニーさんは「『日本の自然』写真コンテスト」(朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会主催)にも協賛。4Kテレビで光る作品を表彰する「ソニー4K賞」と、これまでの常識にとらわれない新しい表現に挑戦する若い写真家たちを応援しよう、と若いフォトグラファーを対象にした「ソニーネクストフォトグラファー賞」を設け、広く若者たちからの作品を募っています。
そんな「『日本の自然』写真コンテスト」は今年で34回目。写真家・中村征夫さんや福田健太郎さんなどの著名なカメラマンが審査を行う、日本でも有数のコンテストです。テーマは「守り続けたい日本の自然」。昨年は6000点を超える応募と、プロアマ問わず多くの方からの作品が集まりました。
コンテストは「一般部門」と30歳以下が対象の「スペシャル部門」の二部門。ソニーさんが設けているスペシャル部門の「ソニーネクストフォトグラファー賞」は、4Kテレビに映したときの美しさと、進化するカメラの技術を駆使して新しい写真表現に挑戦したと考えられる作品を評価するという、デジタル時代ならではの評価方法。4Kテレビは、その発色や、バックライトなどによって、プリントとは一味違った写真の魅力を引き出してくれます。スペシャル部門への応募は無料で、専用サイトからのアップロードでできるためエントリーしやすい設定です。
応募期間は3月31日(金)まで。SNSにアップするためなども含めて、日ごろからどうやって写真を撮るべきなのか、考えている人も増えている時代。ぜひ培った技術を生かして、ガチな写真コンテストに挑戦してみてはいかがでしょう?