連載
#102 夜廻り猫
「結婚相手はちゃんと選ばないと」母の言葉にイラッとして…夜廻り猫
友人が離婚したことを母に伝えたら、「結婚はちゃんと相手を選ばないと」と言われて――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、母のひとことにイライラとしてしまう女性のエピソードです。
きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。すれ違った女性の、悩みの匂いに気づきます。
女性は「母親にイラついてイラついて」と語り出します。
夫のDVが原因で友人が離婚したことを伝えると、「結婚はね~相手をちゃんと選ばないと」とひと言。思わずイラッとして「結婚してから本性を出す人もいるよ」と返します。
ほかにも、性加害問題が報じられているニュースを見ていた母が「すぐに警察に行かなきゃ」とひと言。「行けない事情があったんでしょ」と伝えますが、イライラが募ります。
さらに、インフルエンザで女性が寝込んでいたときには「ほら見なさい、無理するから」「だから早く寝なさいって言ったのに」と言われてしまいます。
女性は「当たり前のこと言わないでよ」「無理するしかない時もあるの!」と叫び出したいのをこらえたそうです。
しかし、「そう叫びたいけど、言えない。私も言っちゃうから」と女性。「弱ってる人の傷口に塩をなすりつけない人になりたい」と語ります。
遠藤は「えらい」とつぶやいて、ほほえむのでした。
作者の深谷さんは「いま、SNSには誹謗中傷の投稿が爆発的に増えています。それをきっかけにこのマンガを描きました」と話します。
身の上相談の投稿には、関係修復が不可能と思われるような内容もあり、深谷さんは「もはや人間関係をしくじらないためには誰とも関わらないことが必要なのか、と思ってしまいます」と語ります。
「とはいえ、好きな相手との関係など、諦めたくない人間関係もありますよね。好きだからといって関係性がうまくいくとは限りませんが……。自分がラクだと思って発言をしていたら、実は相手がいつもガマンをしていた、ということもありえますから」
「相手との関係性を、ちゃんと反省できる感性を持たないと危ないと思っています。それでも……直すのが難しいんですけどね」と話しています。
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