連載
#89 夜廻り猫
クリスマスの駆け込み告白?「分かる分かる」と応じたけど…夜廻り猫
イルミネーションが輝く街並み。「後輩ふたりから、うっすらと告白されたかも」という友人の悩みに、男性は思わず……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、クリスマス直前のエピソードです。
友人とファストフードを食べていた男性。友人から「学生の時の後輩ふたりからDMがきた」「なんか…うっすら告ってるような…」と相談されます。
しかし友人は「でも時期がなー…クリスマス前の駆け込みっていうか」「本当は第一志望でも第二志望でもなかったろ?って思っちゃって」と苦笑します。
しかもDMをくれたふたりは、親友同士だというのです。
「惜しいけど無反応でいた方が、ふたりは友達のままでいられんじゃないかって」と笑う友人に、「つらいとこだなー わかるわかる」と答えた男性。
帰り道、がっくりと肩を落とす男性に、夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵が声をかけます。
「おまいさん心ですごく泣いておるな? どうした?」
「俺は告られたことなんか一度もないのに、『わかるわかる』とか言っちゃった…かっこ悪…」と声を落とす男性。
遠藤は「いいんだいいんだ、人間そういう経験があった方が…!」と慌てて励ますのでした。
年末年始、皆さんに冬休みはあるでしょうか。思うとおりに過ごせそうでしょうか――。
そんなことを考えながら、このエピソードを描いたという深谷かほるさん。
「誰でもそれぞれの制約はあるでしょうが、1日でも半日でも、自分の好きなように過ごせたらいいな、と願います」と話します。
深谷さんは「私は何事にも『人並』は諦め、自分自身が必要とするものだけを持つことにしています。ラクをしたいだけとも言いますが、お正月は寝正月で満足なのです」と笑います。
しかし、どうしても諦められないのが「だいたい清潔な部屋で」という条件だそう。
「例年、家をだいたい清潔にしたところで休みは終わり。今度こそゴロゴロしたいと思ってます」と話しています。
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