ネットの話題
祖母の遺品だった「パインアメ缶」、寄贈きっかけに約70年ぶり復刻
今年3月に当時の缶が「里帰り」したことがきっかけでした。
ネットの話題
今年3月に当時の缶が「里帰り」したことがきっかけでした。
パインアメで知られるパイン株式会社(大阪市)が、約70年前のパインアメ缶を復刻して限定販売します。復刻のきっかけとなったのは、今年3月に当時の缶が「里帰り」したことでした。
1951年に発売を開始した「パインアメ」。
当時はパイナップルの缶詰は高級品で、現在のようにいつでも食べることはできませんでした。
もっと気軽にパイナップル缶のおいしさを楽しめたら、という思いから生み出されたそうです。
甘酸っぱくてジューシーで、輪切りのパイナップルを模したリング形に、レトロなパッケージ。
70年を超えた今も、幅広い年齢層から愛されています。
ちなみに8月8日は「パインアメの日」となっており、なんばHatchで4年ぶりとなる集客イベントが予定されています。
そんなパインアメの会社に3月16日、一通のメールが届きました。
ホームページの問い合わせフォームから寄せられたもので、こんな内容が書かれていたそうです。
「昨年他界した祖母の遺品を整理していたら、パインアメの缶が出てきた」
どれくらい古いものなのか調べようと孫がネット検索したところ、パインアメ公式のツイートで類似の缶を発見。
ネットオークションで入手したものとあり、祖母の遺品とよく似たデザインでした。
「このまま捨てるよりもパイン株式会社に送った方がいいかな」
そんな思いでメールを送ってくれたそうです。
ぜひ送ってくださいと広報担当者が返信すると、1週間後に現物が届きました。
何重にもまかれた緩衝材をゆっくり外すと、中にはキラキラした缶が。
保存状態が良く、表面のドット模様もはっきりと確認できたそうです。
手芸のボタン入れとして使っていたものらしく、大事に扱われていたことが伝わってきたといいいます。
そして側面には「業平製菓」の文字がありました。
パイン株式会社のかつての社名で、時期は昭和26年から昭和30年までの4年間。
年代が確認できただけでなく、当時の社名が記された貴重な資料でもあったのです。
「今回のこのご縁をぜひ形として残したいと考え、社名など一部のデザインは現在のものにバージョンアップした上で復刻いたしました」
そう話すのは開発部広報室の井守真紀さんです。
復刻パインアメ缶は、阪神梅田本店で16日から開催される「パインなおやつ」にて3000個限定で販売予定。180g入りで税込み1650円です。
当時の缶のデザインを忠実に再現していますが、「業平製菓」の部分が「パイン株式会社」に、「PAIN AME」は「PINE AME」に直されています。
寄贈された缶がボタン入れとして使われていたことにちなんで、アメを個包装している袋に遊び心も。
通常はパインアメが描かれている部分が「ボタン柄」になったものがランダムで出現するといいます。
「ボタンを入れて大切に使ってくださったことへのリスペクトです」と井守さん。
寄贈してくれた人に、復刻することやボタン柄について伝えたところ、とても喜んでくれたそうです。
1/5枚