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「完成度が神」ポッキーやチョコパイの箱、手芸品で裏側まで再現
祖母が孫のために作った「愛の塊」
ちまたに出回る、身近な食品のパッケージがモデルの手芸品が、ツイッター上で人気を呼んでいます。驚くべきは、その完成度。箱裏の外観まで忠実に再現した点が、好意的に受け止められているのです。孫の遊び道具として作ったという祖母に、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
「お義母さんが孫の為に作ったフェルトままごとのクオリティがマジでやばいwwwwww」。そんな文言と共に、1分超の動画が、9日にツイートされました。
映っているのは、箱一杯に詰め込まれた、フェルト製の手芸品です。「ポッキー」や「チョコパイ」といった、著名なお菓子などのパッケージデザインが、表面にあしらわれています。
商品のイメージイラストや、各種ロゴはもちろん、成分などを記載する裏面の枠線まで、刺繡(ししゅう)で表現するほどのこだわりぶりです。
「完成度が神」「お孫さんのために作ったなんて、愛情の塊だ」。ツイートには称賛のコメントが連なり、15日時点で11万超の「いいね」もつきました。
お義母さんが孫の為に作ったフェルトままごとのクオリティがマジでやばいwwwwww pic.twitter.com/WTIf0NAcxn
— 🐹시노 ~nono~💜 (@jin_s0819) October 9, 2021
動画を投稿したnonoさん(30・ツイッター @jin_s0819)によると、一連の作品は、全て義母(54)が手掛けたといいます。背景事情について、nonoさんを介して取材しました。
きっかけは、nonoさんの長女(6)が生まれたことです。
小学生時代から手芸に親しんできた義母は、孫におままごと用のおもちゃを作ろうと思い立ちます。市販の解説本を参考に、調理器具などを模した手芸品を制作。完成したら写真に撮り、インスタグラムのアカウントで公開するようになりました。
「他の人たちの作品も見てみたのですが、パンや寿司を可愛くデフォルメしたものが多かったんです。同じようにはできないと感じ、『とことんリアルに作ったれ!』と考えました」
「誰もが一目見て、それと分かるものを再現しよう」と、身近なお菓子や調味料のパッケージをモチーフに選びます。また費用を抑えるため、100円ショップで素材を購入することにしました。
作業時は、商品の箱や容器を縮小コピーし、トレーシングペーパーにデザインを描き写すことで、刺繡用の型紙を作ります。そのため、小さくしても支障なく縫い付けられる図柄かどうかが、採用基準になるそうです。
「できあがるまでにかかる期間は一週間ほどです。手に載るくらいのサイズで、これまでに61個仕上げてきました。色数が少ない100円ショップの布で、どこまで本物に似せられるか、考えながら取り組んでいます」
SNS上で、大いに話題をさらったフェルト作品。長女は、おもちゃの鍋に入れて遊んだり、ままごと用のお皿に載せ、家族に見せたりして楽しんでいるそうです。
nonoさんは、義母の手芸品について「本当に細かいところまで再現してある」ともツイートしています。改めて感想を聞くと、次のように語りました。
「実は、私もハンドメイドが趣味なんです。ただ、恥ずかしながら裁縫ができません。その意味でも、お義母さんの技術は素晴らしいと思っています。ぜひ、これからも続けて欲しいですね」
今回の作品は、あくまで家族向けの遊具として作ったもので、販売はしていません。そして義母は、好評を得たことに関し、こう話しています。
「義理の娘がTwitterに投稿してくれたおかげで、色んな人がびっくりしてくれて、たくさんの感想もいただきました。とてもうれしく思っています」
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