感動
亡き父から娘へ 鏡に仕込んだ「時を超えた贈り物」 漫画作者に聞く
鏡を通して「時を超えた父と娘の交流」を描いた漫画が、ネット上で話題になっています。
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鏡を通して「時を超えた父と娘の交流」を描いた漫画が、ネット上で話題になっています。
鏡を通して「時を超えた父と娘の交流」を描いた漫画が、ネット上で話題になっています。記憶でしか知らない父親が鏡に残したメッセージを、思春期になって長身に悩んでいる娘が見つけ、思い出話が始まるというストーリー。ツイッターでつぶやくとリツイートは4万を、「いいね」も6万を超えています。全4ページに込めた思いについて、作者に聞きました。
昔から家にあった背の高い鏡。思春期になった娘が「母さんくらいの身長ならよかったのに……」と話すと、母親が高校の入学祝いとして新しい鏡を買ってくれることに。
古くなった鏡は母が自分の部屋で使うことになり、キレイに拭くように娘に言います。普段はきれい好きな母なのに、なぜかホコリをかぶっていた鏡。掃除を始めると、鏡の上のフレームの部分に「大きくなったね 父より」の文字を見つけました。
そこから「父さんってどんな人だった?」と娘が尋ねると、「背が高くて優しくて でもちょっといたずら好きな人だったわ」と会話が始まり、物語が終わります。
ツイッターに投稿された全4ページのこの漫画。ネット上ではこんな反響が寄せられています。
「4ページの中に、娘が誕生してからこれまでのことを想像させるストーリーが込められ、感動しました」
「鏡を見下ろせるくらい大きく育つのを願ってこっそり置き土産を残す、素敵なお父さんですね」
「その言葉が書かれていることをずっと覚えていた母親も素敵」
作者は漫画家の太田今さん。現在、無料マンガアプリGANMA!で「レガシー」という作品を連載中です。
話題の4ページ漫画に込めた思いについて、太田さんに聞きました。
――いつ描いた漫画ですか
「昔描いたものを、二年ほど前にリメイクしました。手元になかったので、思い出しながらの執筆でした」
――なぜ再び投稿したのでしょうか
「pixiv(イラストの投稿・閲覧ができるウェブサイト)で公開して、二年かけてじわじわ読まれている通知が来たので、せっかくだしと思って、ツイッターに投稿しました」
――鏡をモチーフにした発想のきっかけは
「友達同士、交代でお題を出し合ってそれぞれ短い作品を描く、という練習を兼ねた遊びみたいなことをしていて、そのとき、自分で思いついたお題が鏡でした。確か周りを見渡してあったからとか、それくらいの軽い感じだったと思います」
――描く上で工夫した点は
「4ページという短い中に収めるので、説明しないでも雰囲気で伝わるようになればいいなと考えながら描きました」
――ここに注目してほしいという点は
「あまりはっきりと両親の心境を描かず、解釈に任せるような形になったので、そのあたりを想像すると面白いのかなと思います」
――自身の経験が反映されているのでしょうか
「僕は普段あまり鏡とか見ないので、単に思いつきです」
――ネットでの反響については
「まったくの想定外で、うれしいよりもびっくりしています」
――これからの活動予定は
「とりあえず、現在連載中の『レガシー』を描き切りたいなと思います。その後のことはあまり考えてませんが、レガシーが暗めの作品なので、明るいものにチャレンジしてみたい気持ちが少しあります」
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