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「未来の可能性を信じたい」壮大なアニメ主題歌「愛詩」に込めた思い

アニメ『未ル わたしのみらい』の音楽プロデューサーが語る「アニソンの復権」

PR by ヤンマーホールディングス株式会社

目次

2025年4月からTOKYO MXテレビとMBSで放送されるオリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』(全5話、以下『未ル』)。トラクターから建設機械まで製造するヤンマーホールディングス株式会社が製作・プロデュースを手がけた本作は、各話で異なる主人公と姿を持つロボット「MIRU(ミル)」が登場し、五つの物語が展開されるオムニバス形式の作品です。オープニングテーマ「愛詩(あいうた)」を歌うのは、Z世代を中心に圧倒的な人気を誇るバーチャルアーティストグループ「V.W.P」。「愛詩」のプロデュースを担当し、これまで多くのアニメソングを生み出してきた冨田明宏さんに、作品や音楽制作の背景、楽曲に込めたメッセージについて語ってもらいました。

「神話のようなアニメ」に響く主題歌制作 責任の重さを痛感

作品のテーマについて語る、音楽プロデューサーを務めた冨田明宏さん
作品のテーマについて語る、音楽プロデューサーを務めた冨田明宏さん
ヤンマーがアニメを製作すると知った時、冨田さんが感じたのは純粋に「驚き」だったと振り返ります。グローバル展開する企業が、アニメを通して自社のブランディングを図ること、それも単なる企業PRに留まらず地上波で放送する作品として世に送り出すこと、複数社が出資する“製作委員会方式”を取らず単体で製作に踏み切ったこと……「どれも非常に革新的な試みで今のアニメ業界では、まさに挑戦ですよね」

さらにエグゼクティブプロデューサーでもあるヤンマーホールディングス取締役(CBO) ブランド部長の長屋明浩さんが作品に込めた、未来への「警鐘」というキーワードにも大きな感銘を受けたといいます。人々の生活を豊かにするための企業活動は、地球環境に負荷を与えるといった矛盾と隣り合わせの一面があります。「日本を代表する企業が、これからの日本を生きる若い世代へ向けて、自分たちが与える良い影響・悪い影響含めて課題を発信する。そこに企業として未来への大きな覚悟を感じました」

それだけに主題歌の楽曲プロデューサーとして依頼を受けた時、「責任の大きさを痛感しました」。作品のプロットを読み解くうちに、現代社会が抱える問題と深く結びつき、未来に向けて何を残していくのかを視聴者へ提起する“重いテーマ”も感じたといいます。

「『未ル』は、1話ごとに異なる主人公、異なる姿のMIRUが登場します。ただ、一貫しているのは、どの物語もMIRUによって登場人物の人生が大きく変わっていくこと。そこで扱うテーマや問題は現実と直結しています。超越した存在が人間と関わり、大きな影響を与え、世界が変化していく。いわば新時代の神話のような作品だと感じました」

ヤンマーの長屋さんや、『未ル』の総合プロデューサーを務めたガンダムシリーズの生みの親である植田益朗さんらとも密にコミュニケーションを重ねました。ディストピア的な世界観や人間の意志によって変わる運命、ロボットやAIがもたらす生活の変化など、作品の背景について語り合った結果、深遠なテーマを内包している作品だけに「熱くかっこいいストレートなロボットアニメソングを作るのは違うと思いました」と語ります。
壮大なテーマを持った『未ル』は、「新時代の神話のような作品」だと語る冨田さん
壮大なテーマを持った『未ル』は、「新時代の神話のような作品」だと語る冨田さん
加えて、オープニングテーマは視聴者が最初に作品へ触れるパーツ。特に本作はオリジナルアニメなので、主題歌が物語の第一印象を決定づけるといっても過言ではありません。

「最近は、プロモーションの観点からオープニングテーマを放送前に公開することが主流になってきています。歌詞はもちろん、メロディやアレンジも視覚的なイメージを持たせてしまう要素になります。例えば、暗い歌詞やメロディならシリアスな物語だと思わせてしまう。『未ル』という作品が訴えていきたいメッセージ、作品の質感の伝え方を、主題歌で間違えてはいけないという思いはすごくありました」
 

未来を生きる次世代に、王道のアニソンを届けたい

主題歌を歌うバーチャルアーティストグループ「V.W.P」
主題歌を歌うバーチャルアーティストグループ「V.W.P」
主題歌を歌うのは、KAMITSUBAKI STUDIOに所属する「花譜(KAF)」「理芽(RIM)」「春猿火(Harusaruhi)」「ヰ世界情緒(Isekaijoucho)」「幸祜(KOKO)」ら5人の電脳の魔女たちが結集したバーチャルアーティストグループ「V.W.P」です。

「彼女たちはシリアスなメッセージをリスナー一人ひとりへ真正面から届け、若者たちから絶大な共感を得ています。Z世代に向けられた作品だからこそ、触れてもらうためのひとつのフックになり得ると考えました」と冨田さんは起用の理由を挙げます。

また、V.W.PもMIRUも肉体を伴わないバーチャルな存在であり、『未ル』は全5話のオムニバスで、V.W.Pは5人グループという共通点もありました。話数と人数が同じなのは偶然ですが、「結果的にV.W.Pメンバーそれぞれのバックグラウンドが、作品に深みを与える要素の一つになった」とも語ります。

レコーディングでは、V.W.Pの音楽チームがメンバーそれぞれの個性を際立たせるためにバランスを調整。各メンバーが歌うパートを完全に割り振り、それぞれの解釈で歌ってもらいました。いい意味で個性が激しくぶつかり合っている一方、サビのユニゾンはしっかりと協調性を感じる仕上がりになっていたことに、冨田さんは「想像以上に歌い分けが歌の強さにつながった」と驚いたそうです。

主題歌の作曲には上松範康さん、アレンジャーには竹田祐介さんを迎えています。ふたりとも数々のアニメヒットソングを世に放っているElements Gardenのクリエイターです。

「8ビートのロックサウンドにダイナミックなオーケストラを響かせる、“アニソン×オーケストラ”というサウンドスタイルを発明したのは間違いなく上松さんです。登場した時は革命と言われ、いつの間にか王道になった。そこにデジタルサウンド、ダンスミュージックに造詣の深い竹田くんを起用することで、有機的なオーケストラと無機的なデジタルサウンドの掛け算ができるのではないか? 『未ル』がさまざまな時代を描く時空を超えた物語であることから、二つの要素を意図的に組み合わせています」
 
「愛詩」の「愛」には、「MIRU」が備える「AI(人工知能)」の意味もあると話す冨田さん
「愛詩」の「愛」には、「MIRU」が備える「AI(人工知能)」の意味もあると話す冨田さん
さらに、「アニメソングの復権」という裏テーマもあると冨田さんは明かしました。近年、アニメソング業界にはさまざまなアーティストが参入し、多様な楽曲が生まれています。その一方で、本来あるべき“王道のアニメソング”の魅力が空白化されているのではないかという危機感を抱いていたといいます。

「昨年20周年を迎えたElements Gardenが再び王道のアニメソングを手掛け、いま若者に支持されている新しいシンガーであるV.W.Pが歌う。若い世代にとっては『何これ?聞いたことない!』と新鮮に感じ、王道のアニソンを知る世代は『これこれ!』と思うはず。世代を超えて支持される、いわばアニソンの“革命”が起こせるのではないかとも期待しています」
 

上松範康顔写真 ヤンマーという、人の生の根幹「食」の為に農耕機械を生み出す企業が「未ル」というロボットの登場するアニメを創る。

そしてそのOPを飾るアーティストが自分から見れば若手、 いや。もはや時間や人の形なんて超越しているとも感じられる「V.W.P」の5人。

その前衛的かつ挑戦的な布陣に自分も関われることが、嬉しくて仕方がなかったのを昨日のように覚えています。

そして冨田(明宏)音楽プロデューサーからは
「一曲で壮大な映画を見たような感覚になれる曲に」というキーワードを頂けたので、

それならば「音楽」で
〈自分は何ができるか?〉
ではなく、
〈何をすべきか?〉
と考えた時にこの曲が降りてきました。

「生きる」ではなく「生きた」とし
この曲の中の「ボク」は、輪廻転生を何万回も繰り返し
迷いながらも運命に抗っています。

そして、ついにはその終着、
「キミ(ボクなのかもしれない)」に対し
「どう生きていくの?」と。
それはエールなのか、問いなのか。
聴いてくださる方の捉え方で内容が変わるように、この一曲を創り終えました。

今この時代に創る作品は、アニメであれ音楽であれ
データの海の中、人の寿命を超え、何万年も生きていくことでしょう。

どうかその未来に
この曲に励まされるナニカがありますように
と、願いを込めて。

コロナ禍を乗り越えた若者にこそ見てほしい五つの物語 

『未ル わたしのみらい』のキービジュアル
『未ル わたしのみらい』のキービジュアル
五つの異なる物語が描かれている『未ル』では、登場人物たちのささいな行動が連鎖して、未来に大きな影響を与える「バタフライエフェクト」が描かれています。それらの影響は必ずしも良い方向ではなく、悪い方向へ向かうこともあります。「それでも未来は変えられる、と強く生きていく力を与えてくれる作品だと思います」と冨田さんは語ります。

「全編にわたって、理不尽なことや絶望的な状況に対し、人々がどのように抗(あらが)い、そこから抜け出し、自分の人生を取り戻していくかが描かれています。私たちも戦争や災害、感染症など自分ではどうにもならない事象によって、突然日常が壊される歴史を歩んできました。その中に希望を見出し、生きていかなければいけない。その繰り返しですよね。『未ル』をぜひ見てほしいZ世代の皆さんは、コロナ禍を乗り越えてきました。青春時代を奪われた人もいたと思います。現時点で考えるとただ悲しい出来事として刻み込まれているかもしれませんが、時代が進めばコロナ禍の意味も再定義される気がしています。例えば、表現を生業にしている私たちも多くの制限を課せられましたが、オンラインライブのような新しい手段を活用するなど、さまざまな変化が起こりました。『未ル』もそうした発見にあふれた物語なんですよね。だからこそ、あの脅威を乗り越えた若者たちに体感してほしいと願っています」

最後に、冨田さんは『未ル』と「愛詩」に触れる視聴者に向けての次のような熱いメッセージを語ってくれました。
 
「アニメ業界のレジェンドをはじめ、日本を代表するグローバル企業から音楽を手掛けた私たちまで、『大人』が真剣に次の世代に、アニメーションと音楽を通して何を残せるのか考え尽くした作品です。さらに、全5話の制作は5つのアニメスタジオが担い、個性を発揮しています。そんな大人たちの本気と一生懸命さを受け止めて、これからの未来をどうつくっていくのか考えるきっかけになれば。音楽プロデューサーとしては、主題歌が気にいったらぜひV.W.Pのライブに足を運んでほしいです。今のバーチャル技術の素晴らしさと日本の音楽ライブの最先端を感じられるはず。『未ル』をきっかけに、そんなエンタメのパワーに触れてもらえたらうれしいです」
(肩書・役職はすべて2025年3月時点のものです)
V.W.P
「V.W.P」5人の魔女たちからのメッセージはこちら

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「愛詩」の凄まじい音楽情景には、厳かでありながらも慈愛に満ちた美しい大地のイメージや、この世のものではないと思ってしまうほどの豊かな色彩がどこまでも広がっていくような神聖さがあり、思わず手を合わせそうになるほどだと感じています。

迷いや葛藤を抱えながらも凛々しく歩みを進めていくような歌詞に、自分自身も鼓舞されるように歌いました。

人々がロボットである「MIRU」とどのようにどんな関係を築いて、どんな道を選ぶのか。そして「愛詩」という楽曲がどのように物語に寄り添っていくのか、自分もアニメの放送を心待ちにしています!

初めまして、『未ル』のOP主題歌を担当させていただくV.W.Pの理芽です!

「愛詩」は本アニメに紐づくのですが、「未来は自分たちの手でつくれるんだ!」という希望を持った前向きになれる曲です。人生の中で色々な困難や葛藤に誰しもが出くわすと思うのですが、「どんな壁にぶつかろうとも、それでも私は私らしく生きて行くんだ!これこそが人生だ!」というポジティブな思考にぜひなってほしいな、という気持ちを込めて歌いました。今悩みを抱えている方には特にぜひ観ていただきたいアニメであり、聴いていただきたい主題歌になっております!

アニメの中のように時空は越えられない、私たちと皆さんは一見別次元のような存在に感じるかもしれませんが、そんな異なる世界線でも皆さんにそっと少しでも寄り添える存在でありたいなと、このアニメを通じて思いました。
『未ル わたしのみらい』是非ともお楽しみに!

「愛詩」を歌わせていただきました、V.W.Pのヰ世界情緒です。

神聖なメロディーから始まるこの楽曲は、命の始まりを感じさせるような柔らかな広がりで満ちていて、曲に導かれるように、どこまでも飛んでいけるような高揚感を胸に、歌を形にしていきました。
わたしにとって、未来というのはどこか微細な泡の集合体のように感じることがあります。
その境界線がどんな形をしているのかは誰も知らない。
けれどその中でわたし達がもがいた跡は、必ずその泡のひとつになって、明日を作っていく。
わたし達の歌も、いつか、どこかの誰かと重なり合いながら、未来になっていく。
その時、曲を受け取ってくれた、あなたのそばにあるのは"愛"であったらいいな、という思いを込めて歌わせていただきました。

わたしは人が形作っていく、文化が好きです。
人が影響を与え合い、未来に繋いできた、様々な思想や技術、それらに名前が付いていって、歴史になる。
何かが違えば異なるものが生まれ、わたし達はまだその姿を知らない。人や思いには、間違いなく無限の可能性がある、とわたしは思います。

宙に消えていく言葉のひとつひとつも、きっと全てが、未来を作っている。
100年前に無かったものが今にはあって、
100年前には感じられなかったものがここにはある。
この先には何があるのか、出来るだけ長く、わたしは見届けてみたいです。
『未ル』はきっと、そんな"今"を生きるわたし達の背中を押してくれるはずです。
アニメを通して様々な未来の一端を見ることが出来ること、わたしも皆さんと一緒にとてもワクワクしています。

春猿火です。

今回TVアニメ『未ル』のOP主題歌をV.W.Pが務めさせていただきました。
オムニバス形式のアニメという事でそれぞれどんな物語が紡がれていくのかとても楽しみな気持ちでいっぱいです。

そんな希望に満ち溢れたわくわくとした気持ちを抱きながら今回「愛詩」という楽曲を5人で紡がせていただきました。

きっと皆さんの心が揺さぶられるような、壮大で色んな場所に連れて行ってくれるような曲だなと感じます。
アニメとあわせて是非お楽しみください。

こんにちは、『未ル』のOP楽曲「愛詩」を歌わせていただきましたV.W.Pの幸祜です。

出だしから壮大感のあるハーモニーがあり、どこか"祈り"を感じるようなフレーズになっています。
この祈りは「この歌で誰かに寄り添いたい」という気持ちを持って歌唱させていただきました。『未ル』もロボットと人間が触れ合っていく中でどう寄り添っていくのか、お互いにどう求め合い支えていくのか、すごく観るのが楽しみです。

こうして今があるのは過去も現在も誰かに勇気をもらい葛藤して生きてきた方々がいるからこそ、私達は今を生きることが出来ていると思っています。
これからもそういう強い意志を受け継いで未来へ繋げていけるよう、
サビの疾走感と「一歩、一歩ずつでも生きてく」という歌詞で誰かの背中を押していきたいし、楽曲も合わせてアニメに彩りを添えられたら嬉しいです。

放映情報
 
2025年4月2日(水)よりTV放送開始(オムニバス形式のストーリー、全5話)
MBS:4月2日(水)~ 毎週水曜26時30分~
TOKYO MX:4月3日(木)~ 毎週木曜22時00分~
冨田明宏
Akihiro Tomita
⾳楽プロデューサー/音楽評論家 数々の⼈気アニメの主題歌やゲーム⾳楽、CM⾳楽、アーティスト‧プロデュースを⼿がける。ポップスやアニソンの専⾨家としてテレビ、ラジオなどに出演。ライブイベントの司会や獨協大学講師なども務め、アニメ⾳楽シーンの第⼀⼈者として活躍中。⾳楽制作会社のプロデューサー/役員や、株式会社CAMPFIREや東宝アニメーションで社外プロデューサーを歴任。
『未ル わたしのみらい』 SPECIAL INTERVIEW
なぜ、あのヤンマーがアニメ製作に挑んだのか!? 三つの対談・インタビューを通して、作品に込めた熱い思いを深掘りします。

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