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人生最後の推し活に「カープ棺」広島東洋カープを愛する人のために

赤ヘルの輝きを再現したカープ棺
赤ヘルの輝きを再現したカープ棺 出典: サンセルモ提供

目次

「最後まで推しとともに旅立ちたい」。そんなプロ野球・広島東洋カープファンの思いに寄り添った「カープ棺」が生まれました。人生の「最後の推し活」ともいえる商品が生まれた背景には、どのような思いがあったのでしょうか。

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赤ヘルの輝き再現

カープ棺を販売するのは、冠婚葬祭事業を展開するサンセルモ(本社・東京都港区)。棺の製造元は、広島県の棺製作会社・共栄です。広島東洋カープの公式ライセンスを受けています。

カープ棺は、カープレッドとカープホワイトの2種類です。

レッドは、球団カラーである鮮やかな赤を鏡面塗装で表現し、カープの象徴「赤ヘル」のような輝きが特徴です。

ホワイトは、カープの白いホームユニホームから着想を得たホワイトカラーの棺で、カープの「こいのぼり」がモチーフです。

こいのぼりをモチーフにしたカープ棺(ホワイト)
こいのぼりをモチーフにしたカープ棺(ホワイト) 出典: サンセルモ提供

カープ棺をきっかけに、集まった人たちが思い出を語ることができればと考えました。「思い出を語る中で、ご遺族や参列した人たちの悲しみを和らげることにつながれば」という思いもあるといいます。

SNSでは、「この棺憧れる」、Jリーグのセレッソ大阪ファンと思われる人からは「最後の推し活、いいね!! 私もセレッソ棺で送り出してほしい」といった声が投稿されました。

元選手の葬儀がきっかけ

カープ棺販売のきっかけは、2023年に広島東洋カープで活躍した元選手の葬儀がサンセルモで行われたことでした。

もともとは、棺製作会社の共栄が試作品としてカープ棺を作っていたといいます。サンセルモと共栄は元々付き合いがあり、サンセルモは、共栄が試作品としてカープ棺を作っていたことを知っていたため、葬儀の時に、サンセルモ側からカープ関係者にカープ棺の使用を提案。初めて使用することとなったといいます。

その葬儀が縁で共栄と球団の間で話が進み、オフィシャルグッズの一つとして承認されたカープ棺の販売に至りました。

あまりに深いカープ愛

カープは1950年、原爆で壊滅的な被害を受けた街に生まれ、プロ野球球団の中で親会社を持たない唯一の市民球団として歩んできました。戦災に打ちひしがれた人々を元気づけ、球団の窮地には市民が「たる募金」で支えました。

リーグ優勝した2016年、パレードをする広島カープの選手らに声援を送るファン
リーグ優勝した2016年、パレードをする広島カープの選手らに声援を送るファン 出典: 朝日新聞社

1975年、悲願のリーグ初優勝。祝賀パレードでは約30万人が沿道を埋めつくしたといいます。

2016年のリーグ優勝時のパレードでも、広島の街が赤色に染まりました。

ファンは山本浩二と衣笠祥雄のYK砲に酔いしれ、メジャーリーグのチームから大型契約を提示されながらカープに戻ることを選んだ黒田博樹の男気にしびれました。ファンの球団への愛は深いです。

カープ棺には、細部にわたるまでカープへの惜しみない愛がつぎ込まれています。

特にこだわったのは、カープの象徴である赤ヘルの輝きを再現することだといいます。

カープの赤ヘルをイメージし、赤ヘルと同じ輝きを持つように鏡面仕上げにこだわりました。木の表面に職人が何重もの塗装と研磨を施して仕上げました。「輝くカープレッドを表現することができた」とサンセルモの担当者は振り返ります。

棺の外装だけではなく、内装の細部までカープ愛を詰め込みました。内装にはカープのロゴ入りサテン生地を使用し、「コイのように天国へ一気に駆け上がってほしい」という願いを込めました。

仏衣のカープ坊やの刺繡
仏衣のカープ坊やの刺繡 出典: サンセルモ提供

付属の仏衣(白装束)にはカープ坊やの刺繡を入れ、「最後までカープファンとして旅立ちたいという思いに寄り添う設計」にしました。

「棺は故人を表現するもの」

なぜここまでこだわるのか。その背景には、「棺は故人を表現するもの」というサンセルモのポリシーがありました。

サンセルモの担当者は、「故人はお棺の中に安置された状態でご家族や参列された方々とご対面されることから、棺は故人を表現するものだと考えております」と話します。

そのため、ピンクの桜の刺繍で飾った布張りの棺や、重厚感溢れる昔ながらの職人手作りの木棺など、その人らしい棺を選んでもらえるように20種類以上のラインナップを取り揃えているといいます。

「カープ棺は、カープファンの皆様の『最後まで推しとともに旅立ちたい』という想いに寄り添う新しい終活の選択肢になればと思い、販売をさせていただいております。これからもご本人やご家族一人ひとりの想いやストーリーに寄り添い、多様な『自分らしいエンディング』をご提案していきたいと考えています」

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