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連載

#103 夜廻り猫

「失礼、あなた、スカートが」…街ゆく女性にかけた言葉 夜廻り猫

きょうも街を回っていた猫の遠藤平蔵たちが見かけたのは、スカート姿の女性でしたが…
きょうも街を回っていた猫の遠藤平蔵たちが見かけたのは、スカート姿の女性でしたが… 出典: 夜廻り猫

街を歩いていた女性の、スカートがめくれ上がってしまっていて……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、知らない女性に声をかけたエピソードです。

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お礼を言う余裕はなくても…

きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。子猫の重郎が、「あれはいいのか?」とスカート姿の女性を指さします。

女性のロングスカートの後ろが大きくめくれ上がり、下着が見えてしまっていたのです。

遠藤が「間違いだ、しかし言っていいものか……」と戸惑っていると、別の女性が気づいて声をかけます。

「失礼、あなた スカートが」

指摘された女性は「あぁぁぁーーー」と顔を真っ赤にしながら走り去っていきます。

遠藤は「役に立たれましたな」「お礼を言う余裕はなかったようだ」と言うと、声をかけた女性は「いいのいいの、気持ちはわかる」と答えます。

スカートがめくれていた女性は、家に帰って「スカートがめくれた状態で渋谷を歩き回っちゃった……明日からどうやって生きていけばいい……?」と母親に打ち明けているのでした。

「笑って流して生きていきましょう」

作者の深谷かほるさんは、「生きてると、笑って流すしかないこと、ありますよね〜」と話します。

「私は、この漫画のようなことも、水着に穴があいていたこともあります……。『もう立ち直れない!』と思うわけですが、立ち直らないわけにはいきません。どんなに恥ずかしいことをやらかしても、笑って流して生きていきましょう」

下着が見えてしまったことを恥じる女性。一方で、歴史をたどると1932年、デパート「白木屋」で火災が起きて大勢が亡くなったとき、当時の女性は和服の下着が腰巻きだったために、飛び降りることができなかったという説もあるそうです。現在の下着が広まったきっかけになったとも言われています。

参考記事:http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/mukashino/2010072300021.html

深谷さんは「今にして見ると、ちょっと信じがたいような話ですが、羞恥心も持ったり減らしたりできた方がいいですね」と話しています。
【マンガ「夜廻り猫」】
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。
泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。
そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。

     ◇

深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本11巻(講談社)が2024年12月23日に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。

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