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ビル谷間の「ほこら」まで…神社・寺21万件が地図に ルート提案も
神社や寺に特化したオンライン上の観光マップが登場しました。掲載されている寺社は計21万件。外国人旅行者向けですが、有名な寺社だけでなく、ビルの谷間にあるほこらまで網羅する細かさがウリで、身の回りのニッチな神社や仏閣探しを楽しむこともできそうです。(朝日新聞デジタル企画報道部・篠健一郎)
地図の名前は「Shrine & Temple Map」。地図事業を手掛ける「ゼンリンデータコム」(東京)が、9月に公開しました。
ゼンリンが住宅地図を作製するために調査した全国4千万件の建物情報の中から21万件の神社と寺の情報を抽出し、地図上に表しました。
21万件は、文化庁が調査した神社と寺の法人数計16万件(2022年末)よりも多く、増上寺(東京)や伏見稲荷大社(京都)や太宰府天満宮(福岡)といった人気の寺社はもちろん、一体のお地蔵様がひっそりと祭られた、小さなほこらのようなところまで載っているのが特徴です。
地図上で行きたい寺社を複数クリックすると、それらを効率良く回るための電車とバスと徒歩を組み合わせた最適なルートが示されます。
外国人旅行者を悩ませるのが、新宿や渋谷など「迷路」のような駅の出口。
東京23区内の駅の出口約1600カ所では、独自に撮影した360度画像を見ることができ、駅から出たときの「初めの一歩」をサポートします。
地図上のスライダーバーを動かすことで、寺社を「Hidden」(穴場)か「Popular」(有名)かという混雑度で絞り込んだり、名称の漢字が「Simple」(シンプル)か「Stylish」(かっこいい)かどうかで絞り込める機能も搭載しました。
StylishかSimpleかは、漢字の「形状」「バランス」「知名度」「認知度」の4要素を元に、外国人が「かっこいい」(クール)と思う漢字を独自にスコア化。そのスコアをスライダーバーに使いました。Stylish度が高いと判定された寺社は、出雲大社(島根)、寂厳堂(岡山)、五霊宮(福岡)などだったといいます。
今後は、利用者が訪れて撮影した神社や寺の写真をアップロードできる機能を盛り込むことなどを考えているそうです。
地図は英語と日本語が併記されており、外国人旅行者に限らず、神社仏閣巡りが好きな人も楽しめそうです。
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