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無人のトラックからクラクション…「すぐに荷台を開けて!」その理由

街中でよく見かける配送トラックには、安全のためにある機能がついているそうです
街中でよく見かける配送トラックには、安全のためにある機能がついているそうです 出典: いすゞ自動車提供

目次

停車中のトラックがクラクションを鳴らし続けていたら、すぐに荷台を開けて――。SNSでこんな内容の投稿が話題になりました。メーカーに話を聞くと、トラックなどの商用車には、緊急時に人命を守るための仕組みがあるようです。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮)

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クラクションが鳴っていたら

誰も乗っていないのに停車中のトラックがクラクションを鳴らしていたら、中に人が閉じ込められているかもしれないので、すぐに荷台を開けてほしい――。

こんな内容のXでの投稿が話題になりました。

トラックの仕組みについて、トラックやバスなどの商用車で有名な、いすゞ自動車に話を聞きました。

担当者によると「トラックには、荷台に閉じ込められた際に外に助けを求められるよう、音を鳴らす仕組みがついています」とのこと。

「この装置は従来から装着されており、少なくとも1982年の弊社のカタログには、荷台の内側からブザーを鳴らす装置が記載されています」

荷台庫内にあるという非常用のブザー。赤色で分かりやすくなっています
荷台庫内にあるという非常用のブザー。赤色で分かりやすくなっています 出典: いすゞ自動車提供

この音を鳴らす機能ですが、車のサイズなどによって仕組みが異なるそうです。

「弊社の『エルフ』シリーズなど、小型のトラックではクラクションを鳴らす仕組みになっていますが、車両によっては専用のブザーを鳴らす仕組みになっています」

車種ごとに異なる安全対策

また、「荷台部分に何を乗せるかによって、必要になる安全対策も変わってくる」とのこと。
実は、同社が直接作っているのは、トラックの運転席や車体の部分。その上に乗る箱形の荷台は別のメーカーが開発・生産しています。

それぞれのメーカーが仕様を綿密に打ち合わせた上で、設計・製造されているそうです。

いすゞ自動車が今年7月に発表した「エルフミオ」。荷台部分の違いでトラックやダンプなど、様々な用途に使えるそうです。
いすゞ自動車が今年7月に発表した「エルフミオ」。荷台部分の違いでトラックやダンプなど、様々な用途に使えるそうです。 出典: いすゞ自動車提供

「例えば、荷台庫内の温度を管理することができる温度管理車の場合、荷台の内側にはクラクションを鳴らすボタンに加え、内側から外に出るためのドアを付けているケースもあります。低温の庫内では、短時間の閉じ込めでも、危険な状態になる恐れがあるためです」

他にも、荷台の側面が開くタイプの大型トラックでは、荷台が完全に閉まらないとエンジンがかからない仕組みになっていたり、ごみ収集車には、作業者の危険を検知して自動で止まる巻き込み防止機能がついていたりと、メーカーが開発した安全対策は多岐に渡るそうです。

今回、SNSで商用車の安全対策が話題になったことについて「大きな反響があり、業界の一員としても驚いています。特に閉じ込め防止などの場合は、一般の方にも知られていないと十分な効果を発揮しませんので、ありがたく思っています」と話しました。

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