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HKT48石橋颯さんの思い「TIFはファンをつかむ一番のチャンス」
国内最大級のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」が今年も8月2日~4日、東京・お台場で開催されます。3日に出演する福岡を拠点とするアイドルグループHKT48の、Wセンターのひとり石橋颯さんは、TIFは「ファンをつかむ一番のチャンス」と意気込みを語ります。19歳になったばかりの石橋さんに、心境や抱負を伺いました。
7月22日に誕生日を迎えたばかり。HKT48劇場で開かれた生誕祭では、初めての写真集を出すことも発表されました。
「ファンの方が喜んでくれるお話なので、早く発表したかったです。今後はファンが好きだと言ってくださる自分自身の面は残しつつ、写真集で違う自分を見せたいです」と取材に語りました。
石橋さんがHKT48の5期生として「お披露目」されたのは2018年11月。HKT48の7周年記念公演でした。
加入のきっかけはもう少しさかのぼります。元々アイドルに興味がなかったという石橋さんですが、2期生の神志那結衣さん(卒業)が姉の同級生で、家も近所と身近な存在でした。
姉に勧められ、さらに石橋さんが知らないうちに、姉が石橋さんを4期生募集に応募していたことで、オーディションを受けることに。「仮合格」まで進みましたが、最終的には、合格に至りませんでした。
それが悔しくて、「いっしょにステージに立ちたい」という思いが募り、今度は5期生オーディションに自分で応募し、合格します。
そうして立てた念願のステージですが、お披露目の約3週間後、当時絶大な人気を誇った、HKT48劇場支配人兼任の指原莉乃さんが、コンサートで卒業を発表。HKT48は転機を迎えます。
さらに その約1年後には新型コロナの世界的流行が始まります。
劇場公演やコンサート、お話会といったイベントは軒並み中止、延期になり、SNSかオンライン配信しか情報を発信するすべがない日が続きました。
「新型コロナ(の流行)が本当に大きくて。コロナを機にファンの方が離れてしまう。やばいと思いましたが、どうすることもできない。当時は応援してくださる方がまだまだ少なかったので、すごく不安でした」
自宅からの配信で、ひとりで劇場公演の曲を順に踊って披露するなど、必死でした。「どうにかして、私を忘れないでいてほしいと思っていました」
コロナ禍ゆえに、やりがいを実感できた活動もありました。
創作集団・劇団ノーミーツのサポートを受けながら、メンバーが演出、脚本、出演をすべてこなしたオンライン演劇「HKT48、劇団はじめます。(劇はじ)」。
2021年春、その一つの演目で、石橋さんは等身大の高校生の役柄で主役を演じました。「劇はじがあったから、お仕事をさせていただいている実感がありました」と当時を振り返ります。
この年、シングル曲の選抜メンバーに初めて選ばれ、飾らない天真爛漫な言動や、かわいらしいルックスを魅力に、着実に人気を集めていきます。
一方、HKT48は結成10年を機に、グループを率いてきた人気メンバーの卒業が相次ぎます。
1期生は韓国のグループ「LE SSERAFIM」で活動する宮脇咲良さん、タレントの兒玉遥さん、村重杏奈さんや森保まどかさんら、2期生は俳優の田島芽瑠さんら、そして3期生は「なこみく」の愛称で知られた矢吹奈子さん、今春には田中美久さん……。
「推しメンが卒業すると箱卒(所属グループの応援も卒業)という方もいて。直接やめないでってファンの方に言えるならいいけど、それはできない。SNSでの発信しか方法がないと本当に思うので、そこに力を入れています」
HKT48の特徴はメンバーの仲の良さ。その伝統が先輩から後輩に受け継がれていると、石橋さんはじめメンバーは口をそろえます。
AKB48の各グループ同士の交流の機会が減り、HKT48も東京をはじめ九州以外の大都市でのコンサートの機会が限られるなか、グループやメンバーの魅力が多くの方に伝わるようなイベントや、出張公演をしたいと石橋さんは願っています。
そうした中で、多くのアイドルファンが詰めかける夏のTIFは、ひときわ大切なステージだと石橋さんは位置づけています。
「いろんなアイドルが出演し、いろんなアイドルのファンが見てくれる大イベント。私はファンの方をつかむ一番のチャンスだと思っています」
自分のコンディションやビジュアルが良い状態で臨むように心がけるだけでなく、毎年、トレードマークのツインテールでステージに立っています。
「去年かわいいと思った子が今年もいると気づいてくれたら、それをきっかけにSNSをフォローしてくれたり、HKT48の公演に来てくれたりするかもしれない……」
実際、TIFをきっかけにファンになったという人もいるそうです。
TIFでHKT48は話題性の高いパフォーマンスを幾度も披露してきました。
昨年も、6期生で当時研究生の生野莉奈さん(13)がバク転を成功させ、当時最年少の石松結菜さん(12)が観客への「アオリ」をするなど、若いメンバーの活躍で盛り上げました。客席の大歓声はメンバーの自信につながりました。
今年も、5月にお披露目されたばかりの7期生から2人が参加します。
石橋さんは「去年とはひと味違う感じのステージです。体力をつけるためにも本番に向けていつも以上にリハを多くやっています」と意気込みを語ります。
「HKT48の伝統である元気や仲の良さを前面に出しながら、どのグループより盛り上がって、HKT48のファン以外の方もとりこにしたいです」
昨年12月発売の最新シングル「バケツを被れ!」で、石橋さんは同じ5期生の竹本くるみさんとWセンターを務めています。性格は対照的で、それがいいバランスを保っているそうです。
「簡単にいうと私はポジティブ、くるちゃん(竹本さん)は冷静。私がこれをやろう、あれもやろう、と言うと、くるちゃんがこれはやめとこうと冷静に止めてくれる。逆に、くるちゃんが絶対できない、無理と言っているのを、私はできるよ、大丈夫と背中を押す感じです」
ダンスが特技の竹本さんは7月、テレビの音楽番組のダンス対決のコーナーに、AKB48グループの一員としてHKT48からひとりだけ出演しました。
放送時、石橋さんは自分のXのアカウントで、「ザ!アイドル顔で ばちばちにかわいいくて ダンスもばちばちに上手くて本当に天才なんですけど!」と、竹本さんのことをPRしました。
「少しでもくるちゃんが見つかってくれたら、HKT48に興味を持ってくれる人がいるかもしれない。見つかれって気持ちでした」
高校生のうちにシングルのセンターに立つことが、石橋さんにとって大きな目標でした。
それがかなったことで自信がついたし、何よりファンが喜んでくれたのがうれしかったと振り返りますが、同時に責任も強く感じるそうです。
「HKT48を前引っ張りつつ、後輩の背中を押しながら頑張っていきたいです」と抱負を語ります。
9月11日には新シングルが発売されます。
「先輩がコンサートの時、気づいたことを注意したり、怒ったりしてきた。怒るって嫌なことだし緊張もするけど、それをしないと、(パフォーマンスが)この程度でいいと思ってしまう。気づいたら、もう『少しこうしたらいいよ』と言うようにしたいです。そして、『もっと上にみんなで上がろう』と気持ちを統一していけたら、と思います」
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