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鈴木おさむさん「引退」への思い セカンドキャリアで見据える夢は
「SMAP×SMAP」「離婚しない男」など数々のヒット番組を手がけながら、3月末で放送作家と脚本家を引退した鈴木おさむさん(51)。キャリアに区切りをつけた理由と本気ではじめた新しい仕事について語った。(朝日新聞デジタル企画報道部・森下香枝)
放送作家として鈴木さんが20年以上、関わった番組「SMAP×SMAP」はテレビの全盛期にはじまり、2016年末に終わった。
鈴木さんはその後も演出、脚本、プロデュースなど幅を広げていったが、アドレナリンが出づらくなり、スイッチが入りきらないなと感じるようになったという。
宮藤官九郎さん脚本のドラマ「不適切にもほどがある」は、コンプライアンスでがんじがらめになったテレビ界がブラックユーモアで描かれたが、そうした不自由さが引退の要因なのだろうか。
「宮藤さんのあの切り口はさすがだと思いました。テレビはスポンサーからお金を集めて放映するビジネスモデルなので、スポンサーからダメといわれたら、やめないといけない」と明かす。
さらに今はネットで視聴者が番組についての不快感などを自由に発信できるし、コンプライアンスが何より重視される時代。
「この三つが重なると番組はミニマムにならざるを得ない。番組をつくるハードルが上がり、現場はかなり疲弊しているが、僕の場合、直接的な原因ではない」と振り返った。
では、これから何をはじめるのか?
「4月以降は脚本や本を書くことは考えていません。メディアでの仕事は限界かなと。別の新しい仕事をします」ときっぱり。
一体、何をはじめるのか?
「ベンチャーファンドを立ち上げ、スタートアップ企業を応援する仕事をはじめる準備をしています。放送作家の片手間だと彼らも本気で向き合わない。僕が辞めるといえば、この人、本気だなと思うじゃないですか」
資金集めは未知の世界で思うようにいかないときもある。だが、「アドレナリンが出ている」と手応えを語る。
「企業を育てるのに最低10年はかかる」とすでに10年後を見据えていた。
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