ネットの話題
「たいへん喜んでいただきました」被災地の通水 迎えた“タロー様”
作業員を迎えた“タロー様”のご満悦な姿にほっこりする投稿がSNSで話題です
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作業員を迎えた“タロー様”のご満悦な姿にほっこりする投稿がSNSで話題です
能登半島地震の被災地で、今も続く復旧活動。そんな中、通水作業に訪れた派遣職員と、「タロー様」とのふれあいが、SNS上で話題になっています。投稿した経緯を聞きました。
《能登町藤ノ瀬地区で、山を越えての通水作業を行いました。通水後、お家の方(タロー様)が玄関までお出迎えいただき、たいへん喜んでいただきました》
1枚目の画像には、山あいの道路で通水作業中の職員の姿。2枚目の画像には、職員に首をなでてもらっている「お家の方(タロー様)」の姿がありました。
この投稿には、「タロー様が、とっても良い顔をしてる!!!」「すごいよろこんでる」「水道が使えるのは、誰にとってもうれしいですよね」「お疲れ様です」とのコメントがつき、1万超「いいね」されています。
能登町藤ノ瀬地区で、山を越えての通水作業を行いました。通水後、お家の方(タロー様)が玄関までお出迎えいただき、たいへん喜んでいただきました。#令和6年能登半島地震 #大阪市水道局 #能登町 #復旧活動 pic.twitter.com/wIwcMhpNiB
— 大阪市水道局 (@osakasuido) April 8, 2024
話題になったタロー様とは、断水が続いていた山あいの民家で飼われている犬のことでした。
投稿した大阪市水道局に話を聞きました。
大阪市は1月1日の能登半島地震で被災した水道を復旧させるべく、全国の水道事業体などで構成される「公益社団法人日本水道協会」から応援派遣の依頼を受けて、1月3日から被災地に職員を派遣しています。
今は能登町全体の復旧活動のとりまとめ役を担い、町や関西各地の水道事業体と連携をしながら、断水の解消に向けた漏水調査や修繕工事の段取りなどに取り組んでいるそうです。
断水の解消は一筋縄にはいきません。上流(浄水場)から順番に区間を決めて水を送り、区間ごとに漏水場所を特定し、修繕していき、漏水がなくなってやっと水道管に水を満たし「通水」できるのです。
特に崩落などで、道の通行も難しい山間部では作業も困難を極めます。被災地に派遣された職員の活動状況を知ってもらいたいと、現地の職員から送られてくる写真を、大阪市にいるSNS担当者が日々、投稿してきたそうです。
被災地から送られてくる写真の多くは、断水調査中の職員の姿や打合せ風景でしたが、能登の街並みや自然、掲載に快諾してもらった住民の姿などもありました。
そんな中、SNS担当者の目に留まったのが、「タロー様」の写真でした。その写真に被災地の職員が書き添えたコメントも「思わず笑みがこぼれるほどの、あたたかな気持ちになるものでした」。SNS担当者は「原文ママ」で投稿に採用しました。
それが、話題になった投稿でした。
《通水後、お家の方(タロー様)が玄関までお出迎えいただき、たいへん喜んでいただきました》
大阪市水道局の広報担当者がこのコメントが生まれた背景を被災地の職員に後日、聞いたところ、こんな回答があったそうです。
慣れない土地で活動を続ける中、住民の方々からの労いや感謝の言葉が、「日々の励み」になり、活動を続けていました。そんなとき、通水作業を行った地区で出会った「タロー様」。
「タロー様は、言葉は話しませんが、態度で喜びを表現してくれているように感じました」。ほっこり優しい気持ちになったうれしさを共有したいと、このコメントを送ったそうです。
SNSでの反響について、広報担当者は、「こんなに多くの方の反応を頂き、率直に驚いています。震災関連のニュースは暗い内容になりがちですが、優しい心のふれあいが能登のあちこちにあることを知っていただけると嬉しいです」と話します。
大阪市が担当している能登町の断水解除率はようやく90%を超えました。「もうあと一息。一日でも早く普段の生活を取り戻していただくために、全国各地の水道事業体と一丸となって、引き続き支援活動を行ってまいります」
「ぜひ他の投稿も見ていただいて、能登の復旧状況に関心を持ち続けてくださればと思います」
※4月16日、情報を更新しました
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