ネットの話題
「ガリガリ君、溶けちゃった」 なんでこんなにエモく見えるの?
「夏の思い出を閉じ込めた」姿、理由を聞いた
溶けきってしまったアイスバー「ガリガリ君」の画像が、ネットで話題になっています。「何このエモいグラデーション」とツイッターをざわつかせた風情のある姿。その理由を、赤城乳業に聞きました。
画像に写るのは3本のアイス。透明の袋の中には、アイスの棒が浮かんでいます。
目を引かれるのは、すっかり溶けてしまった「ガリガリ君」とおぼしき液体の、美しさです。
上は鮮やかなマリンブルーで、下にいくにつれてグラデーションで、透き通っていきます。
この姿に、「いや、エモ」「溶けた方が神秘的ってどういうこと?」とリプ欄は騒然となり、8万件以上のいいねを集めました。
折しも、投稿されたのは8月末。「夏の思い出、閉じ込めちゃった、みたいな感じ」「夏の色をしている」と感傷にひたる人、「夏……終わっちゃったね。僕もそろそろ行かなきゃ」などと去りゆく「ガリガリ君」の姿を想像する人も現れました。
ガリガリくん溶けちゃった pic.twitter.com/sICnasM2rp
— ただみ (@01tdmi) August 28, 2022
なぜこんな姿になるのでしょうか。「ガリガリ君」を製造・販売する、赤城乳業(埼玉県)に聞きました。
話題になった画像は「ガリガリ君ソーダ(マルチ)」という7本入りの商品だそうです。
ソーダアイスの中に、ガリガリ食感のソーダかき氷を入れたもので、ガリガリ君の売り上げベスト5でも、一番人気の味です。
さて、溶けてしまったガリガリ君が、色のある層とない層に分離する理由。それは「着色料が、かき氷中に含まれていた空気とともに、上に上がっていくため」と考えられると言います。
ガリガリ君ソーダ味の青色は、藻類から抽出したスピルリナ青で作られたもの。
ツイッターではほかにも溶けたガリガリ君の写真が投稿されていましたが、同じように青い色は上に、下は透明にと分かれていました。
しかし、こんなにも溶けてしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。
もともと、ガリガリ君をはじめとする「アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスのアイスクリーム類と氷菓」には、「賞味期限がありません」。
ただし、「要冷凍(-18℃以下)での保存」を前提としているため、「溶けた状態や、溶けた状態からもう一度凍結した場合は、本来のおいしさが損なわれる可能性や、衛生状態が不明となってしまいます」とのこと。
「どうか、お召し上がりはお控えください」
取材に対応してくれたのは、マーケティング部の鈴木夏代さんです。名前にも夏を感じさせます。
過ぎゆく夏と、溶けたガリガリ君を重ねて話題を呼んだことについて感想を聞くと、「ガリガリ君が夏の思い出とともに存在してくれていることを、大変光栄に感じております。いつまでも愛され続けるアイスでいられるよう、これからもお客様の記憶に残る商品を発売していきたいと思います」と答えました。
でも、そこはガリガリ君。夏だけで終わらないのが、41年のロングセラーとなった強さです。
「夏が過ぎてもアイスを楽しんで召し上がっていただけるよう、今年の秋は『芸術の秋』をテーマにパッケージデザインしたガリガリ君も発売しております」
「大人なガリガリ君いちご(マルチ)」「ガリガリ君リッチミルクミルク(マルチ)」が芸術の秋パッケージになるそうです。
「また来る夏を楽しみに、季節ごとに愛されるアイスを作り続けていきたいと思います」
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