連載
#5 眠れぬ夜のレシピ
妙に早起きした朝は…セーブポイントのコンビニへ 眠れぬ夜のレシピ
「私がいなくても世界は平気で動いている」
夜中と朝の、まんなかあたり。妙に早く目が覚めてしまった時は、日常と少しずれた景色に出会えるかもしれません。眠れない夜の不安を、少しでもあたたかい気持ちで過ごせるように。あなたに贈る、真夜中のレシピです。手紙を添えて、お届けします。(漫画・コラム、午後)
こんばんは、午後です。
最近は、すっかり温かくなりましたね。気温差の激しい時期がようやく過ぎて、ほっとしている今日この頃です。少々薄着になっても平気な季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。
私はこの時期、1年のうちで1番元気になります。春ってそわそわしてワクワクして、胸の奥がくすぐったいような感じがして、不思議な季節です。冬眠から目覚めた動物や、虫や植物たちの夏への期待感と共鳴しているのでしょうか。なんとも不思議な時期です。
そんな訳で、湧き上がるエネルギーを持て余した私は、この時期よく散歩に出かけています。散歩って苦しくないのに運動になる上に、季節や時間帯で全然違う楽しみ方ができて一石二鳥です。特に早朝の散歩は、朝に弱く滅多に早起きができない私には特別感があります。
誰もいない道路、少しひやりとした空気、静まり返ったスーパーマーケット。
世界からたったひとり取り残されたような感覚。
たまに通る人や車を見かけると勝手に少し安心したり。
異星、または人類滅亡後の地球に来てしまったような錯覚を覚えます。
ひょっとしてそこの角を曲がったら、異世界に繋がっているのかもしれない…だなんて、少し思ってしまいます。
いつもの景色からほんの少し視界をずらしてみたら、とても面白い景色が見られるのかもしれない。
皆さまにも、そんな感覚を覚える瞬間がありますでしょうか。
それでは、今夜も素敵な夢を見られますように。おやすみなさい。
午後
SNS作家。2020年5月からTwitterに漫画を投稿をしている。今年1月に初の書籍「眠れぬ夜はケーキを焼いて」(KADOKAWA)を出版。Twitterアカウントは@_zengo。
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