連載
#55 コミチ漫画コラボ
「同じ空気をシェアしたくない」トガった反抗期の結末は…漫画で描く
あの時期、お父さんは「鋼のハート」を試されているのかもしれません……
反抗期というと思春期のイメージが強いのですが、主人公は小学校3年生。動物園にスケッチ遠足に行ったとき、描いた象はオレンジ色。「もっとよく観察してごらん」と先生に絵を返された主人公は、初めて先生に反抗するのでした。
子どもの感性の豊かさと潜在意識のおもしろさを感じる作品です。オチには思わずうなってしまいました。先生には先生の考えがあって指導するわけですが、一歩間違えると子どもの関心を奪ってしまいます。大人のものさしでは測れないものにの気づかされました。先生に戻されても自分を押し通した主人公に勇気をもらえます。タコになるシーンにも子どもの想像力が表れていて秀逸でした。
大賞・筑濱カズコさんのインタビューはこちら。
先生に突き返された画用紙「オレンジ色のぞう」描いた反抗期マンガに
「話したくない」「同じ空気をシェアしたくない」「わたしのモノにさわるな!」……。女の子が経験する、父親への反抗がリアルに描かれています。文字だけ追うと、かなりきつい言葉のオンパレード。父親は鋼のハート力が試されます。でも。娘の視点に立つと、抑えられないのです。なぜか猛烈にイヤなのです。
主人公の反抗期は1年も経たずして終わり、その後また父親といい関係を築いています。素直になれた主人公はすばらしいです。
とにかく、娘を持つ全お父さんたち、これが現実かもしれません。マンガを読んで、心の準備をしてください。
20代の頃、ゲームセンターに通い詰め「ゲーム中毒」になっていた作者のうんたばさん。両親の再三にわたる忠告に耳を傾けませんでした。「もう大人だからほっといてくれ!」と遅くきた反抗期が炸裂します。
反抗期の出口となったのは、会社を辞めることになった後の父親の一言です。それまでは、自分本位の一面が前に出ていた主人公。きっと父親の言葉を聞いた後の葛藤や気づきは、描かれている以上のものがあったと想像します。
家族のありがたみと、人はどのタイミングからでも成長できると希望をもらえる作品でした。
反抗期は、発達段階の一場面と片付けてはいけないーーそんなことを考えながら読みました。
孫を連れて帰省してきた娘と、反抗期のことを振り返る父親。思い出話に花を咲かせたい時間だったはずですが、娘からは思いも寄らない言葉が出てきます。「お父さんいつも何かと言うとお母さんに文句言ってたよね?」「尊敬できると思う?」
反抗期は、理由なくやってくることもあれば、親に向けられた厳しい目が引き金になることもあるのでしょう。親の振る舞いを見直す機会になるのかもしれません。
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withnewsは2018年10月から、マンガのSNSを運営する「コミチ」とコラボ企画を始めました。毎月のお題に沿って、身近な出来事や思い出をストーリーにした作品を募集しています。
今回ご紹介できなかった応募作品は、コミチのサイトでご覧ください。ご応募いただき、ありがとうございました!
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