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少女の余命、わずかのはずが…「読者参加型」漫画が見せた意外な展開
新感覚すぎるストーリー…!
「もっても、あと数か月でしょう」。医師から余命を宣告された少女。その後の展開が意外すぎると、ツイッター上で話題の漫画があります。読者からの反応によってストーリーが変わるという、「参加型」形式を取った作者に、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
『1リツイートか1いいねで1年寿命が延びる短命少女』。そんな題名の一コマ漫画は、3月29日・午後20時半にツイートされました。
主人公は、病室に座る少女です。「残念ですが、もってもあと数か月でしょう」。「そんな!この子はまだ○歳なんですよ」。医師と姉のやり取りを聞き、少女は「覚悟は出来てるから」と、気丈に振る舞います。
その約2時間後、続きのイラストが公開されます。
「おめでとうございます、お姉さん。妹さんの寿命、何とか伸ばせそうですよ」。医師の言葉に喜ぶ姉。医師に改めて余命を尋ねると、こんな答えが返ってきます。
「現時点で1万4265年です」
「え?」
「1万4265年」
タイトルの通り、ツイートへの「いいね」とリツイートの数を足し上げ、作品に反映した結果、少女はすさまじい生命力を獲得してしまったのです。
2万8596年、9万7867年……。寿命は、際限なく伸び続けます。「どんな時も、懸命に楽しく生き続けてほしい」。医師は少女を励ましますが、数字が膨大すぎて、理解できません。
そして31日には、2部作の4コマ漫画『後日談というか今回のオチ』も投稿されました。
前半では、1万年後~4万年後までの生活ぶりが描かれます。部屋に引きこもり、ひたすらゲームを楽しむなど、自堕落な生活を続ける少女。暇すぎて科学者になり、やがて新人類を生み出します。
更に後半では、8万年後までの様子を紹介。新人類の「神」となり、自らロケットを開発し、宇宙へと飛び立つのでした。
「守りたい、この笑顔」「これでもまだ半分以下……」。壮大すぎる世界観に、読者からは戸惑いと応援の声が殺到。元のツイートは、今月3日時点で4万回以上リツイートされ、「いいね」も14万を超えています。
作者は茨城県在住の漫画家・齋藤勁吾さん(@saitou1218)です。代表作に、幕末を舞台にしたファンタジー『アカトラ』(秋田書店・全3巻)があります。
手掛けた理由については、「フォロワーさんが、同じようなコンセプトの企画をやっていたから」と齋藤さん。少女の寿命が延びる筋書きは、その場で思いついたといいます。
最初はちょっとした「落書き」のつもりだったそうですが、予想を超えて拡散したとのこと。その理由を「運、偶然かと。ツイッターユーザーの皆さんの、『怖い物見たさ』も手伝ったのかもしれません」
そして作品の読み方に関しては、次のように語りました。
「あくまで、ただのエンターテイメント。深く考えず、シンプルに楽しんで頂けたらと思います」
1リツイートか1いいねで1年寿命が延びる短命少女 pic.twitter.com/CavoB5Xy1r
— 齋藤勁吾/ジャンプ+ (@saitou1218) March 29, 2020
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